2割負担「やむを得ない」 見直すのはまずモノ系?

利用者負担引き上げ
2 割負担「 やむを得ない 」
見直すのはまずモノ系?
に送られてくるのでお忘れなく。
実際ケアマネ側からは、
「 顔の見えるサービスよりも、モノ
由で選ぶ状況が増えれば、レンタル事業所の役割やケアマ
ネジメントの意義そのものが問われることになりかねません。
紙「シルバー新報 」と合同で、首都圏の介護支援専門員事業所にアンケートを実施。業務への影響を尋ねました。
「 必要なサービスを見直さざるを得ない 」
「 家族の強い意向で変更した」など、サービスを見直すケースも出てきてい
( 編集部 )
※アンケートは7月31日に F A Xで送付、8月14日までに95 通の回答がありました。
見直しでもっとも多かったのが
介護ベッドのレンタル
一方、わずかではありますが「 過剰なサービスを見直し
た」という声もありました。例えば、レンタルしたものの使わ
ないままほこりをかぶっている歩行器や車いす、目に浮かぶ
2割負担に伴うケアプラン見直しについても尋ねました。ま
ず、プランに影響があったかどうかについて聞いたところ、
「サービスの見直しがあった」と回答したのは32 件、全体
人は少なくないのでは。利用者負担の引き上げは、こうした
不要なサービスを見直し、適切な利用につながるきっかけに
なる可能性はありそうです。
の3 割でした。
負担割合証の確認や説明業務
新たな手間に
影響は ?
のほうが代えやすい」という声も。とはいえ安いからという理
8月からの改正で一番大きなトピックが、一定所得以上の高齢者の2 割負担への引き上げです。編集部では姉妹
るようです。
の
ア ン ケ ー ト
福祉用具以外の見直しでは、「デイを週 2 回から1 回に
具体的な状況として、
もっとも多かったのが「 家族の負担
減らした」など。
「 今は対象者はいないが、定期巡回のよう
ネ」など、あきらめにも似た声も。同じ時期に届く後期高齢
が重くなるから」が24件、
「本人にとって必要なサービスだっ
な定額サービスで2 割負担になると、対応に難儀しそうだ」
者医療証や新しい介護保険証と間違えていたというケース
たが見直さざるを得なかった」が20 件、
「 家族の強い意向
という声もありました。
もあったようで、
「 せめて色を変えるなど違いが分かりやすい
で見直した」が10 件、
「 単価の低いサービスへの変更 」が
よう工夫してほしい」という声には納得でした。
9 件など( 複数回答 )
。家族の意向で、必要なサービスを
2 割負担の対象者となるのは、合計所得金額 160 万円以
「自治体からの発送がギリギリでまだすべての人の確認
上、年金収入のみの場合は280 万円以上。対象になるか
が終わっていない」
「どうしても見つからず、すでに再発行
どうかは、保険者が認定者全員に送付する「負担割合証 」
の手続きをした人もいる」
「サービス事業所からの問い合わ
フリーコメントを見ると、見直した内容でもっとも多かった
で確認します。ケアマネジャーとしては、この確認がまず最
せもあり負担 」など、実質 8月は確認関係の作業に追われ
のは介護ベッドのレンタル。安いものに変更したほか、自費
初の業務となったのでは。
ているというのが実態のようでした。
購入にしたという声もありました。保険適用にならない軽度
最後に、所得によって2 割負担になることについての意見
見直したり、単価の低いサービスに変更するという状況は
「 2 割負担やむを得ない 」
肯定的意見が半数以上
今後も増える可能性がありそうです。
確認が順調だったかどうかを尋ねたところ、多かったのが
一方で混乱しないよう、自治体が一括してケアマネに情
者を主なターゲットとして多くの事業者が自費レンタルを実施
を複数回答で尋ねました。一番多かったのは、「やむを得
「 認知症や独居の人の確認が大変だった」で54 件、全体
報提供している地域も。
「 保険者の指導もあって4月から利
していますが、2割負担になると1,500円程度の自費レンタル
ない」で52 件。次いで、保険制度の原則にのっとり、所得
の半数以上でした。変更にあたっては本人や家族への説
用者には説明を繰り返していた。確認はスムーズだった」な
のほうが安くなる「 逆転現象 」が起きるため。ケアマネ
により差をつけるのであれば、
「 利用料ではなく保険料で行
明が負担であるという声も多く、
「 制度が変わるたびに説明
ど、行政の段取り力にも差が見られる結果となりました。
ジャーの中には、6月頃から「自費のほうが安いから」と型落
うべき」が21 件と続きます。業務の手間は増えるけれども、
ち電動ベッドの購入を勧めていたところもあったようです。
「 賛成 」
「サービス利用の適正化が進む」など肯定的な意
役として借り出される」
「 文句を言われるのはいつもケアマ
ちなみに、割合証の有効期間は1年間。来年もこの時期
Q1
Q2
各自治体から利用者に届く
( 複数回答 )
「介護保険負担割合証 」の確認は順調でしたか。
「 2 割負担でサービスの見直しがあった 」と答えた方へ。状況について教えてください 。
( 複数回答 )
( n = 95 )
( n = 95 )
家族の負担が重くなる可能性がある
認知症の人や独居の人の
確認が大変
20
10
家族の強い意向で見直した
7
9
単価の低いサービスへの変更
比較的スムーズに
本人
(家族)
に確認できた
52
13
その他
0
14
本人にとって必要なサービスだったが見直さざるを得なかった
54
自治体が情報提供してくれた
24
月刊ケアマネジメント 2015.9
10
20
30
40
50
60( 件 )
3
これまでの過剰気味だったサービスを見直した
介護保険被保険者証や、介護保険負担限度額認定
証等々、似たようなものがいっぱい。「せめて色だ
けでも変えてほしい」という声はごもっとも
5
その他
0
5
10
15
20
25( 件 )
月刊ケアマネジメント 2015.9
15