平成28年10月31日 クレジットに関する消費者向け実態調査結果の公表について 一般社団法人日本クレジット協会(会長:杉本直栄)は、平成22年度より、毎年、クレジット利用経験 者を対象に、利用等の実態についての調査を実施しています。本年度の調査結果の概要は以下のと おりです。当協会は、本調査結果を踏まえ、消費者の皆様に向けた活動の更なる充実を図ります。 ≪クレジットカード≫ ①カードに対する利用者のイメージは、93.9%がプラスイメージ。 ②カードの平均所持枚数は、2.9枚(家族カード含む)。月々の支払平均額は約5.4万円。うち、「3万 円以下」が半数近い。 ③カードを利用する理由は、「ネットショッピング等での決済が簡単」「ポイントや割引等の特典が受 けられる」など。 ④利用場所は、ネットショッピングでの利用が87.2%と最も多く、大型小売店が続く。 ⑤カードに関して「トラブルまたは利用していて困ったことがある」と回答した人は、10.9%と約10人に1 人。主な内容は、「カードが利用できなかった」「明細書がわかりづらい」など。 ⑥カード利用者自身が情報漏えい被害を防ぐために気を付けていることで、最も多い回答は「怪しいサ イトやメールは開かない(46.6%)」。 あまり 利用し ない, 1.5% カード利用頻度 たまに 利用, 31.4% カード トラブル経験 カードの利用場所 80% 60% 40% 20% 0% よく利 用, 67.1% あった, 10.9% 87.2% シ ョ ッ プ イ ン タ ー ネ ッ ト 56.6% 56.4% 48.4% 41.3% 40.9% 専 門 店 等 百 貨 店 ・ ス 量ー 販 パ 店ー ・ イ ン タ 会 ー 社ネ ッ ト 電 話 会 社 ・ ス タ ン ド ガ ソ リ ン なかっ た, 89.1% 飲 食 店 ≪個別クレジット≫ ①定期的な利用者の割合は、「よく利用している(14.1%)」「たまに利用している(46.0%)」を合わせる と60.1%である。 ②主な購入商品は、「携帯電話・スマートフォン・タブレット端末」が多い。 ③個別クレジットに関して「トラブルまたは利用していて困ったことがある」と回答した人は、6.8%と カードよりも低い。主な内容は、「商品・サービスの内容に関して不満」「(販売員に)虚偽または 誤解しやすい説明をされた」など。 個別クレジットの利用頻度 よく利 用, 14.1% あまり 利用し ない, 39.9% 60% 40% あった, 6.8% 40.4% 20% たまに 利用, 46.0% 0% 個別クレジット トラブル経験 個別クレジットでの購入商品 21.0% 19.5% 19.1% 16.7% 携 ス 帯 マ 電 ホ 話 等 ・ 衣 服 家 電 ・ 家 具 食 品 バ イ ク 等 なかっ た, 93.28% 自 動 車 ・ ≪クレジットに関する知識と業界の取組みへの認識≫ ①クレジットに関する知識は「カードの暗証番号は簡単に推測されるものは避ける」が、74.3%で最も 高く認知されている。 ②クレジット業界が推進している安全・安心なクレジットカード取引きのための取組みについて知って いるものは、「偽造が難しいICチップが搭載されたクレジットカードの普及」が54.7%で最も高く認 知されている。 〔お問い合わせ先〕 一般社団法人日本クレジット協会 消費者・広報部 TEL:03-5643-0011 〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町14番1号 住生日本橋小網町ビル 投稿先:東商記者クラブ・日銀記者クラブ 参考 Ⅰ.調査概要 1.調査目的 (1)クレジットの利用実態など把握しておくべき項目の継続的把握 (2)クレジット利用におけるトラブルなどの実態の把握 (3)協会がこれまでに実施した広報・啓発活動に対する評価及び認知度とクレジット 協会の認知度の把握 2.調査対象 18歳以上男女で、直近2年以内クレジットカード又は個別クレジット利用者 ※クレジットカード利用者は利用頻度が「頻繁に」又は「たまに」の方を対象とし た。 ※個別クレジットは利用頻度問わず。 3.調査地域 全国 4.調査方法 (一社)日本クレジット協会調べ、インターネットリサーチ 5.調査委託先 マクロミル 6.調査時期 【事前調査】 2016年7月26日(金)~8月5日(金) 【本 調 査】 2016年8月5日(金)~8月9日(火) 7.有効回答数 3,600サンプル (※割付は下表) 東日本 男性 女性 レギュラー サンプル ブースト サンプル 10-20代 30代 40代 50代 60代以上 若年層 シニア層 西日本 男性 女性 小計 250 250 250 250 1000 125 125 125 125 500 125 125 125 125 500 125 125 125 125 500 125 125 125 125 500 100 100 100 100 400 50 50 50 50 200 総計 3000 600 ・全体サンプルの内、個別クレジット利用者(個別クレジットのみ又はカードと個別クレジット両方の利用者)1,119サンプルを確保。 ・10-20代は男女別、地域別で1,000サンプル、30代以上は年代ごとに男女別、地域別(東、西日本)で各500サンプルを確保。 ・職種は出来る限り偏らないようにする。 ・分析必要数を担保するため、追加サンプルとして、若年層を400サンプル、シニア層を200サンプル回収。 ・分析にあたっては基本的にレギュラーサンプルを使用。重点ターゲット層や、「学生」「年金生活者」ベースでの分析を行う際のみ、 レギュラーサンプルにブーストサンプルを加えて分析を行なった。 1 Ⅱ.クレジットカード利用者に対する調査結果 (クレジットカード利用者2,861サンプルを抽出) 1.クレジットカードの利用実態とイメージ (1)クレジットカードに対する利用者のイメージは、「よい(39.3%)」「どちらかとい うとよい(54.6%)」を合わせて93.9%がよいイメージを持っている。 (2)クレジットカードを定期的に利用している人の割合は、「よく利用(67.1%)」「た まに利用(31.4%)」を合わせると98.5%である。 (3)月々の支払い平均額は約5.4万円。ただし、「3万円以下」という回答も合計で 46.4%と半数近くを占める。若年層の平均額は約3.4万円と全体の平均よりも低い額 となっている。 (4)利用の理由は、「ネットショッピング等で決済が簡単にできるから(69.2%)」「ポ イントや割引等の特典が受けられる(62.4%)」が高くなっており、ネットショッピ ング等での決済の簡便さや特典によるものが主なものである。 【複数回答】 (5)利用場所は、非対面の「ネットショッピング(87.2%)」が高く、次いで、対面の 「百貨店・専門店等(56.6%)」「スーパー・量販店(56.4%)」の大型小売店と続い た。【複数回答】 (6)情報漏えい被害を防ぐために気を付けていることの問いに対して最も多い回答は 「怪しいサイトやメールは開かない(46.6%)」。次に、「セキュリティのしっかり したサイトしか使わない(46.0%)」「他人に推測されにくいパスワードを設定して いる(40.8%)」と続く。【複数回答】 カードの利用理由 カードの月々平均支払額 ~30万 円以下, 9.6% ~1万円 以下, 18.7% ~10万 円以下, 22.2% 30万円 以上, 0.7% 60% 60% 50% 69.2% 62.4% 40% 57.9% 55.1% 20% 18.0% 0% 40% ~3万円 以下, 27.7% ~5万円 以下, 21.1% 情報漏えいを防ぐために気を付けていること 80% 決 済 が 簡 単 ネ ッ ト シ ョ ッ プ 等 で の 割 引 制 度 な ど の 特 典 現 金 ポ を イ ン よ持 ト いた 制 な 度 く や て 素 早 く 支 払 い で き る カ ー ド だ か ら 30% 20% 46.6% 46.0% 40.8% 10% よ く 利 用 す る お 店 の 0% メ怪 ー ルし はい 開サ かイ なト や い し セ しっ か かりキ 使しュ リ わたテ なサィ いイの ト パ推 ス ワ測 ーさ他 ドれ人 をにに 設く 定い 0.5% そ の 他 2.クレジットカードのトラブル実態 (1)直近1年での「トラブルまたは利用していて困ったこと」について、「トラブルは 無い」という回答が89.1%。 (2)トラブルがあったと回答した10.9%の内容は「クレジットカードが利用できなかっ た(26.6%)」「明細がわかりづらかった(17.0%)」「身に覚えのない請求をされた (15.7%)」「決済時間がかかり待たされた(14.7%)」などであった。【複数回答】 カードのトラブル経験 カードのトラブル内容 100% 80% 89.1% 60% 40% 20% 0% 3.9% 4.3% 3.7% 1.0% 申 込 み ・ 更 新 の 時 カ ー ド の 利 用 時 請 求 ・ 支 払 い の 時 そ の 他 ト ラ ブ ル は 無 い 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 26.6% 17.0% 15.7% 14.7% 14.1% 利 用 で たき な か っ わ か り づ ら い 明 細 書 が 見 に 請覚 求え の な い 決 済 時 間 が 長 い 分 か り に く い 会 員 規 約 が 2 Ⅲ.個別クレジット利用者に対する調査結果 (個別クレジット利用者1,133サンプルを抽出) 1.個別クレジットの利用実態 (1)個別クレジットに対する利用イメージは、「よい(11.4%)」「どちらかというとよ い(48.6%)」を合わせて60.0%がよいイメージを持っている。 (2)個別クレジットを定期的に利用している人の割合は、「よく利用(14.1%)」「たまに 利用(46.0%)」を合わせると60.1%である。若年層では、定期的に利用している割合が 67.1%と、他の世代に比べて多い。 (3) 利 用 場 所 は 、 店 舗 販 売 が 82.3 % で 最 も 多 い 。 次 に 通 信 販 売 ・ ネ ッ ト シ ョ ッ プ (47.0%)が続く。 (4)店舗販売での購入商品は「携帯電話・スマートフォン等」での利用が40.4%と高く、 次に「衣服(21.0%)」「家電・家具(19.5%)」と続く。通信販売・ネットショップでの 購入商品は「家電・家具(16.7%)」「衣服(16.0%)」「雑貨・本・玩具(15.1%)」 【複数回答】 (5)利用の理由は、「高額な商品や役務を分割払い(後払い)で購入できるから」が51.9% と最も高く、若年層の中でも同様の理由が49.9%と最も高い。【複数回答】 個別クレジットでの利用理由 個別クレジットでの購入商品(店舗販売) 60% 60% 40% 40% 20% 0% 51.9% 40.4% 20% 35.6% 25.9% 24.6% 0% で 購 入 で き る ( 後 払 い ) 分 割 払 い な く て よ い 現 金 を 持 た 勧 め ら れ た 販 売 店 か ら 立 て や す い 21.0% 19.5% 19.1% 衣 服 家 電 ・ 家 具 食 品 携 ス 帯 マ 電 ホ 話 等 ・ 支 払 い 計 画 が 16.7% バ イ ク 等 自 動 車 ・ 2.個別クレジットのトラブル実態 (1)直近1年での「トラブルまたは利用していて困ったこと」について、「トラブルは無 い」という回答が93.2%。 (2)トラブルがあったと回答した6.8%の内容は、「商品・サービスの内容に関して不満 だった(店舗販売:28.6%、訪問販売等の無店舗販売:19.5%、通信販売・ネットショッ プ:16.9%)」「虚偽または誤解しやすい説明・表示があった(店舗販売:20.8%、訪問 販売等の無店舗販売:16.9%、通信販売・ネットショップ14.3%)」など。 個別クレジットのトラブル経験 個別クレジットのトラブル内容 40% 93.2% 30% 20% 10% 購商 入品 ・ ・ 提サ 供ー のビ 時ス の 請 求 ・ 支 払 い の 時 そ の 他 0% ト ラ ブ ル は 無 い サ ー ビ ス 内 容 に 不 満 店 舗 販 売 商 品 ・ 誤 店 解 しま舗 やた販 すは売 い 虚 説 偽 明 る よ う 強 引 ( 店 舗 販 売 ) 購 入 す サ ー ビ ス 内 容 に 不 満 無 店 舗 販 売 商 品 ・ ) 申 込 み 時 20.8% 16.9% 19.5% 16.9% 16.9% ( 0.3% ) 2.6% ( 2.9% ) 2.9% 28.6% ( 100% 80% 60% 40% 20% 0% ( 誤 品( ネ 無 解 ・ 店 サッ しま舗 ト やた販 不ーシ すは売 満ビョ スッ い ) 内プ 説 虚 容等 明 偽 に) 商 3 Ⅳ.クレジットに関する知識と業界の取組みに関する調査結果(サンプル数:3,000) (1)クレジットに関する知識は「カードの暗証番号は簡単に推測されるものは避け る」が、74.3%で最も高く認知されている。次いで「カードは裏面にサインがな いと利用できない」が70.3%。認知率が低いものは「携帯電話・スマートフォン の代金を分割して月々の通信料と一緒に支払うことはクレジット契約のひとつで あること」が50.1%、「クレジットに関する個人の支払履歴が『信用情報機関』 に登録され、クレジットやローンの審査の参考に利用されていること」が51.9% で、特に若年層での認知率が低い。 クレジットに関する知識 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 74.3% 70.3% はカ る 簡ー も 単ド の にの を 推暗 避 測証 け で番 る き号 で き な い 64.2% イ カ ンー がド なの い裏 と面 利に 用サ 握 す る こ と が 重 要 51.9% ト 録用るク 利 のさ 情支レ 用 審れ報払ジ さ 査、 機 履 ッ れ のク 関歴 ト て 参レ 」がに い 考ジ に「関 る に ッ 登信す し利 、 利用 用明 状細 況を を確 把認 50.1% の ひ と つ で あ る は通の携 ク 信代帯 レ 料金電 ジ と を話 ッ 払分 ・ ト う 割ス 契こ しマ 約と てホ (2)クレジット業界が推進している安全・安心なクレジットカード取引きのための取 組みについて知っているものは、「偽造が難しいICチップが搭載されたクレジット カードの普及」が54.7%で最も高く、続いて「サインに比べ暗証番号入力の方が安 全性が高い」が40.5%となっている。【複数回答】 業界の取組み 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 54.7% 40.5% い る こ と 普 し 及い が I 進 C め カ らー れ ド ての カ ー ド の 偽 造 が 難 全 性 が 高 い 証で人 カ 番は確ー 号サ認 ド のイ ・ 利 ほン契用 う よ約時 がり確の 安暗認 本 39.7% め ら れ て い る こ と イど ス ト をワ の使 ー 利用 ド 用で ・ がき I する D すサ な 人効 に ネ 認期 カ ッ 証限ー ト のに ド で た加番の めえ号利 のて ・ 用 パ本 有 時 28.2% い ず れ も 知 ら な い Ⅴ.クレジットに関する広報・啓発活動における今後の重点対象(サンプル数:3,000) (1)当協会が重点的にクレジットに関して広報した方がよいと思う対象については、 「若年層」が46.6%と最も多く「学生(29.5%)」を含めると回答全体の4分の3以上 (76.1%)となり、クレジットを使い始める層への啓発が求められている。 《まとめ》 当協会は、本調査結果を踏まえ、消費者の皆様、特に若年層を中心に、クレジットの 基本的な仕組みや利用方法などについて重点的に広報・啓発していく。 4
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