◆県内事業者を対象とした事業承継及び人材確保に関する アンケートの結果の概要について 1.調査の概要 ○実施主体 高知県事業承継・人材確保センター ○調査名 高知県事業承継等推進調査 ○調査目的 高知県内の中小企業等が直面している事業承継等の実態を調査し、よりニーズに対応した支援を検 討するための基礎資料とする。 ○調査対象 東京商工リサーチの企業情報データベースから、高知県内に本社がある事業者で、代表者年齢が50 歳以上、および従業員数が5人以上の企業、個人事業者を2,762件抽出した。 ○調査期間 ・平成 27 年 6 月1日~6 月 12 日まで ○調査件数等 調査対象 2,762 社 有効回答数 1,190 社 有効回答率 43.1% 2.調査結果の概要 回答した事業者の業種別の内訳 建設業 372 社 製造業 205 社 卸売業 150 社 小売業 139 社 運輸業 60 社 情報通信業 17 社 飲食業 15 社 不動産業 13 社 宿泊業 12 社 その他(金融、保険業、医療・福祉等)207 社 宿泊業 12件 (1.0%) 不動産業 13件 その他 207件 (17.4%) (1.1%) (31.3%) 飲食業 15件 (1.3%) 情報通信業 17件 (1.4%) 運輸業 60件 建設業 372件 小売業 139件 (11.7%) 卸売業 150件 (12.6%) (5.0%) 1 製造業 205件 (17.2%) 3.事業承継に関する調査結果の概要 ①事業承継の検討状況 回答した事業者のうち、 「後継者が決定している」が 507 件(43%)、 「事業承継を検討している」 が 299 件(25.4%)、「何も検討していない」が 282 件(23.9%) 、「自分の代で清算・廃業を検 討しているが 64 件(5.4%) 、 「企業売却・M&Aを検討している」が 26 件(2.2%) 企業売却・M&Aを検討 自分の代で清算・廃業 している を検討している 26件(2.2%) 64件(5.4%) 何も検討していない 後継者が決定している 282件(23.9%) 507件(43%) 事業承継を検討している 299件(25.4%) ②年齢区分別の事業承継の検討状況 ・ 「後継者が決定している」と回答した事業者の代表者を年齢別に見ると、50 歳代 94件 (26.4%) 、 60 歳代 266 件(50.0%) 、70 歳代 124 件(52.1%)、80 歳代 23 件(44.2%)となってい る。 ・ 「何も検討していない」と回答した事業者の代表者を年齢別に見ると、50 歳代 117 件(32.9%) 、 60 歳代 101 件(19.0%) 、70 歳代 50 件(21.0%)、80 歳代 14 件(26.9%)となってお り、将来、休廃業が危惧される 60 歳代以上が 165 件(66.9%)となっている。 507 件 600 (43.0%) 500 400 300 299 件 282 件 (25.4%) (23.9%) 200 0 64 件 26 件 100 (5.4%) (2.2%) 事業承継を検討し 企業売却・M&Aを 自分の代での清算・ 後継者が決定して ている 検討している 廃業を検討している いる 80歳代以上 11 0 4 23 14 70歳代 47 4 13 124 50 60歳代 127 9 29 266 101 50歳代 114 13 18 94 117 2 何も検討していない ③事業承継を進めるための課題 「事業承継を検討している」と回答した事業者の事業承継に関する悩みは、 「後継者が見つからない」 93 件(36.3%)が最も多く、次いで「後継者が未熟で経営を任せられない」が 85 件(33.2%) となっている。 (複数回答) 93件 100 (36.3%) 90 85件 (33.2%) 80 74件 (28.9%) 70 60 43件 50 35件 40 (13.7%) (16.8%) 30 18件 20 (7.0%) 9件 (3.5%) 10 0 後 継 者 が 見 つ か ら な い 後 継 者 が 未 熟 で 経 営 を 任 せ ら れ な い 事 業 承 継 計 画 が 立 て ら れ な い 相 続 に 関 す る こ と 3 税 金 に 関 す る こ と 相 談 先 が 分 か ら な い そ の 他 4.人材確保に関する調査結果の概要 ①人材確保の現状 必要な人材の確保については、 「確保できている」が 635 件(54.3%) 、 「確保できていない」が 534 件(45.7%)となっており、4 割を超える事業者が必要な人材が確保できていない状況 確保できていない 確保できている 534件(45.7%) 635件(54.3%) ②確保できていない人材 「高度な専門技術やノウハウ(営業・マーケティングを含む)を持つ人材」が 238 件(45.5%)で 最も多く、建設業では 113 件(55.6%)となっており、技術者不足がうかがえる。次いで「新卒者 など若手人材」が 172 件(32.9%) 、 「幹部候補者等経営に携わる人材」が 161 件(30.8%)と なるなど、即戦力となる人材や中核となりえる人材が欲しいが確保できていない。(複数回答) その他 一般従業員 18件(3.4%) 高度な専門技術やノウハ 153件(29.3%) ウを持つ人材 238件(45.5%) 幹部候補者等経営に携 新卒者など若手人材 わる人材 172件(32.9%) 161件(30.8%) ③確保できていない原因 「求人を出しても応募者がいない」が 248 件(47.9%)で最も多く、全国と同様に人手不足とな っている。次いで「応募者はあったが採用したい人材ではなかった」163 件(31.5%)となるな ど、事業者側のニーズと求職者側ニーズとのミスマッチもうかがえる。(複数回答) 採用したい人材はいたが その他 条件が折り合わなかった 47件(9.1%) 70件(13.5%) 人材を採用したが短期で 求人を出しても応募者が 退職してしまった いない 248件(47.9%) 100件(19.3%) 応募者はあったが採用した 求人を出していない い人材ではなかった 110件(21.2%) 163件(31.5%) 4 5.コメント 1)事業承継について ①全体の 43%(507 件)で後継者が決定しているとともに、25.4%(299 件)で事業承継を検討 しており、事業を次世代へ繋いでいくことについて、経営者の意識は高い。 ②他方、事業承継を検討している事業者についても、後継者が見つからない(93 件)や、承継計画 が立てられない(74 件)などの悩みを抱えており、事業承継が円滑に進まないおそれがある。 ③経営者が 60 歳代以上の事業者のうち 165 件(20.1%)が何も検討していないと回答しており、 将来的な休廃業が危惧される。 2)人材確保について ①人材確保ができていない事業者が多い現状が浮き彫りになっている ②技術者等の専門分野や幹部候補者等経営に携わる人材を求める事業者が多く(399 件:複数回答) 、 拡大再生産を担う中核人材の不足感の高さがうかがえる ③短期退職や条件が折り合わない(147 件:複数回答)など事業者側と求職者側のミスマッチも多 い 6.対応方針 1)事業承継について 事業承継を検討しているものの、後継者が見つからない、後継者が未熟など事業承継を進めていく 上で課題のある事業者や経営者が高齢であるにも関わらず、事業を次の世代にどう繋げていくか何も 検討していない事業者など、喫緊の対応が必要なものについて、今回のアンケート調査を基に、個別 相談会を開催するなどの取組を進める。 2)人材確保について アンケート調査結果を踏まえ、人材を確保できていないと回答した事業者を訪問し、求人ニーズと して具体化するとともに、確実に人材をマッチングしていく。 5
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