2015年度 東京大学 前期 地理

2015年度 東京大学 前期 地理
第1問
設問A
(1)養蚕や稲作が主要産業であった時代下で,地下水位の低い扇央にあたる「台地」東部は桑畑,河川水による
灌漑が容易な「低地」は水田に利用され,洪水を避けられる扇端に集落が立地している。
(89 字)
(2)「台地」東部の 750m付近に水路が建設され灌漑が可能となり,圃場整備も行われ,それより低い東部が桑畑
から水田に変化した。
(60 字)
(3)「低地」では河川改修や道路整備が行われ,水田は宅地や工場に変化した。
「台地」では高速道路が建設され,
養蚕の衰退や先端産業などの発達背景に,桑畑は工場団地や畑,果樹園に変化した。
(89 字)
設問B
(1)A-ツンドラ B-針葉樹林 C-落葉広葉樹林 D-常緑広葉樹林
(2)高度の影響で緯度の割に低温で推移する気温の年較差が小さい地域であるため,季節変化によって落葉する
広葉樹は生育しない。
(59 字)
(3)山地林が多くコスト高であるうえ,林業従事者の減少や高齢化が進んで伐採量が少なく,安価な輸入木材に
依存してきたから。
(58 字)
(4)従来は森林の再生可能なサイクルが守られたが,近年はプランテーション農園や養殖池造成のための伐採な
どが行われているため。
(60 字)
第2問
設問A
(1)A-モロッコ B-南アフリカ C-ナイジェリア
(2)Aは旧宗主国や地理的に近い国がBは鉱産資源が豊かで工業の発達が近年目覚ましく,経済規模の大きな工
業国が上位を占める。
(60 字)
(3)原油輸出に頼るモノカルチャー経済で,国際価格の変動に左右されやすく,将来の資源枯渇の不安があり,
民族間格差も存在する。
(60 字)
(4)インフラ整備や資源開発で進出した中国企業による物資調達と,国民の所得上昇で中国製品の購入が可能に
なって輸入が拡大した。
(60 字)
©駿台予備学校
設問B
(1)(ア)―たまねぎ
(イ)―まつたけ
(ウ)―ジャンボピーマン(パプリカなど)
(2)Aは広大な国土で,重量単価の安い(ア)の周年供給が可能なため,Bはオランダよりも近く,(ウ)の日本向
け栽培が盛んとなったため。
(60 字)
(3)亜熱帯気候下で栽培するメキシコと,日本と季節が逆となる南半球のニュージーランドは,日本の端境期に
収穫・出荷できるため。
(60 字)
第3問
設問A
(1)ア-C イ-A ウ-B
(2)Aは労働集約的な中小工場が多かったため,産業構造の変化から工場の移転に伴い労働者が流出し,Cは中
枢管理機能の集積による地価高騰から,宅地開発が進んだ郊外へと居住者が流出したため。
(90 字)
(3)バブル崩壊で地価が下落し,住宅供給型の再開発が進んだため。
(30 字)
設問B
(1)A-④ B-① C-⑥
D-③ E-② F-⑤
(2)市町村合併で自治体数が減り 1 市区町村当たりの人口が増えた。
(30 字)
設問C
(1)大阪市は名古屋市よりも中枢管理機能の集積度が高いため,郊外に伸びる鉄道網が整備され,沿線に住宅地
開発が進められたから。
(60 字)
(2)バブル経済による地価の上昇で都心から通勤可能な距離帯に団塊世代が居住するようになったが,バブル崩
壊による地価下落から再開発が進んだ都心などへ団塊世代の子世代を中心に流出している。
(90 字)
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