物理「出題の意図」

平成 28(2016)年度 大阪市立大学個別学力検査(後期日程)
物理「出題の意図」
第1問
この問題は,バネと質点で構成される振動子に,摩擦力で外力をあたえたときに起きる運
動の様子を認識できるか,問うた.
また,摩擦力のある場合,摩擦による仕事をどのようにとらえるか,問うた.
問 1 単純な釣り合いの問題である.
問 2 運動方程式の形から,この系を重力下のバネ振り子の問題に帰着できるか,問うた.
また,単振動を説明するためには,周期と振幅を述べればよい.
問 3~5 与えられた条件下での小物体の運動は,ベルトとともに動く直線運動とそれに続く
単振動で構成される,という全体像を把握できているか問うた.各小問が指定するの
は運動の特性が変化する特別な地点・時刻であり,それぞれにおいて力と仕事がどの
ような変更を受けるか,あるいは保存されるか,問うた.
第2問
直流回路を流れる電流と電位の関係を,キルヒホッフの法則の観点から問う問題.
問 1 回路中の交点において,流れ込む電流の和と流れ出る電流の和が等しいことを理解し
ているか問うた.
問 2 抵抗を流れる電流と両端における電圧降下の関係を理解しているか問うた.
問 3 問 1 と問 2 で得た関係から,電位を決定する方程式を導くことができるか問うた.
問 4 問 3 の連立方程式を解き電位を求め,さらに回路内部の電流を求めることができるか
問うた.
問 5 応用としてホイートストンブリッジを用いた抵抗値測定の原理を,回路内部の電流お
よび電位の関係から理解しているか問うた.
第3問
気体の状態方程式,内部エネルギー,熱力学の第 1 法則等,理想気体の状態を取り扱うた
めの基礎的事項を問う問題.
問1
問2
問3
問4
気体の状態方程式の理解を問うた.
気体の内部エネルギーの理解を問うた.
熱力学の第 1 法則の理解を問うた.
熱力学の第 1 法則の断熱変化への応用を問うた.自由膨張を含んでおり,やや発展的
である.
問 5 やや技術的で発展的な問いであるが,Vc が非常に大きい場合の温度を,熱力学の第 1
法則に従って論理的かつ物理的に考えて導くことができるか問うた.