東京大学(前期)【地理】解答例 第1問 設問A (1) 乏水地であるうえ一帯で養蚕業が盛んであったため「台地」の東部は桑畑、 また、水害リスクの高い低湿地であるうえ食糧需要が旺盛であっため「低 地」は水田としての利用が卓越していた。 (2) 「西天龍水路」という農業灌漑用水路の整備によって乏水地から豊水地へ 変貌を遂げたため、桑畑から水田へ変化した。 (3) 人工堤防の整備により水害リスクが低減したため、「低地」は水田地帯か ら住宅地へ変化した。また上水道の整備や高速道路の開通により、「台 地」は桑畑から住宅地や工業団地へ変化した 設問B (1) A-ツンドラ B-針葉樹林 C-落葉広葉樹林 D-常緑広葉樹林 (2) 気温の年較差が小さいため、落葉を引き起こすために必要な高温期と低温 期の交替が観察されないから。 (3) 日本には山地林や保安林が多く、低コストでの伐採・利用が困難なことか ら経済林も少ないうえ、林業従事者率が極めて低いから。 (4) 従来は小規模で短期利用後に耕作放棄され森林再生が実現されたが、近年 は大規模でアブラヤシ栽培地などに永続利用されるため。 第2問 設問A (1) A-モロッコ B-南アフリカ C-ナイジェリア (2) レアメタルなどの鉱物資源に恵まれないA国は近接するヨーロッパ、恵ま れるB国は中国・日本などを重要な輸出相手国としている。 (3) 石油モノカルチャー下の経済的不安定さや、富の分配の不平等などに起因 する深刻な貧困問題と発展の阻害を克服すること。 (4) 人口が多くて低廉な中国製品への需要が大きいうえ、中国が日本や欧米資 本の進出が遅れているアフリカ市場の開発に傾注した。 設問B (1) (ア)-たまねぎ (イ)-まつたけ (ウ)-ジャンボピーマン(パプリカなど) (2) 広大な農地と豊富な低賃金労働力に恵まれたA国では大規模粗放的経営が 可能だが、B国はその対極で集約的経営が必要だから。 (3) メキシコは冬季に日本より温暖であるため、C国は日本と季節が逆転する ため、両国とも日本国内産地の端境期に出荷可能だから。 第3問 設問A (1) ア-A イ-C ウ-B (2) Aでは地価高騰に伴って、Bでは公害問題の深刻化による住環境の悪化や 工場の閉鎖・移転に伴って、それぞれ定住人口の郊外流出が生じてドーナ ツ化現象の進行に見舞われたため。 (3) 地価下落により大規模再開発が行われ、定住人口が回帰した。 設問B (1) A-④ B-① C-⑥ D-③ E-② F- (2) 全国で市町村の合併が活発に行われたから。 設問C (1) 大阪市の方が中枢管理機能の集積が顕著で雇用力が大きいため、郊外での 住宅地開発がより広範な空間で行われている。 (2) 地価高騰を背景に団塊世代が都心から離れた距離帯にマイホームを求め、 郊外にニュータウンができた。しかし、近年彼らが定年退職期を迎え、ニ ュータウンは人口減少地域へ変貌しつつある。
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