日本食品エコロジー研究所 *JIFE(ジャイフ):当社の英名「Japan Institute

日本食品エコロジー研究所
第68号
平成 28 年 3 月 1 日(火)
*JIFE(ジャイフ)
:当社の英名「Japan Institute of Foods Ecology」の略称です。
1.カンピロバクター食中毒にご注意ください…食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_campylo_chudoku_20160205.html
カンピロバクターによる食中毒は、一年を通じて発生しています。
カンピロバクターは、ニワトリやウシ、ブタ等の家畜・家きん類の腸管内に生息しており、加熱していなかった
り、加熱が不十分な食肉(特に鶏肉)やレバー(鶏、豚)等の臓器を食べること、カンピロバクターに汚染された
飲料水等を飲むことにより人に感染します。
また、犬や猫等のペットもカンピロバクターを保菌していることがあり、ペットに触れた手で手洗いを十分にせ
ずに調理をする等により、感染する可能性もあります。
カンピロバクターに感染すると、比較
的少ない菌数(数百個程度)でも腸炎を
発症し、発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、
腹痛、
下痢、
血便等の症状を起こします。
腸炎での死亡率は低いのですが、まれに
感染後に神経疾患であるギラン・バレー
症候群注1)を発症することもあります。
注1)急激に手足の筋力が低下し、症
状が進行する末梢性の多発性神経炎が数
週間持続し、その後、ほとんどの場合は
寛解する。カンピロバクター感染も同症
候群を誘発する要因の一つとして考えら
れているが、その機序等は未解明。
カンピロバクターは、冷蔵または冷凍温度下でも長期間生存し続けますが、加熱することにより(65℃以上で数
分間、中まで食肉の色が変わるのが目安)死滅します。また、料理の前には手をしっかり洗い、ほかの食材や調理
器具への付着による二次汚染にも気を付けましょう。
「加熱」
、
「消毒」等の徹底により、カンピロバクターによる食中毒を防ぎましょう。
2.トピックス
〇 輸出拡大 大ロット確保課題 拠点整備求める声…日本農業新聞
自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT)は18日、農林水産物の輸出拡大に向けて、鍵となる物
流コスト削減などの課題を業者から聞き取った。大ロットにまとめるために、農産物を集める輸出拠点が必要との意
見が出た。海外の大手小売りに売り込むためにも、国際的に通用する日本の食品安全管理規格の認証が急務との意見
もあった。
物流業者の日本通運は、農産物の鮮度が保てるコンテナ開発を行う一方、そのコストを吸収できるだけの大量の荷
物を確保できるかが大切だと指摘。
「どこの港・空港に農産品をどう集積し、輸出していくか体系的に整理してもら
いたい」と要望した。小ロットは通関作業にも時間がかかり、コストが増すとした。
日本貿易振興機構(ジェトロ)も、牛肉を例に国内ブランドが乱立し個別産地ごとではロットがまとまらず、ブラ
ンド力が出ないと指摘。海外の業者が各県に値引きを競わせる動きもあると報告した。これに対し、農水省は品目別
輸出団体などが、産地リレーによる周年供給に向けて検討を進めていると報告した。
日本ハムは、国際的に通用する食品安全管理規格の取得を進めているが、
「日本の食品をそのまま輸出できるよう
に日本の規格が必要」だと説明した。
○ 日本発の食品安全マネジメントに関する規格・認証スキーム等の運営主体 「一般財団法人食品安全マネジメン
ト協会」発足~食品安全、品質管理及び信頼確保を高度化する取組を推進~
http://www.mri.co.jp/news/press/public_office/021569.html
2014年5月に農林水産省において設置された「食料産業における国際標準戦略検討会」の報告書が同年8月に公表さ
れ、以下について官民連携により、スピード感をもって具現化することとされました。①日本発の食品安全マネジメ
ントに関する規格・認証スキームの構築②人材育成③海外への情報発信。これに伴い、必要となる具体的な事業内容
とその速やかな推進方策を検討・調整する「食品安全マネジメント等推進に向けた準備委員会」(事務局:株式会社
三菱総合研究所)を、2015年1月に農林水産省と食品事業者が共同で立ち上げました。
準備委員会での検討内容を踏まえ、日本発の食品安全マネジメントに関する規格・認証スキーム等の運営主体を検
討するために「一般財団法人食品安全マネジメント協会設立者集会」が2015年9月に組織され、「一般財団法人食品
安全マネジメント協会」を2016年1月に設立しました。
3.食中毒情報について…消費者庁 http://www.caa.go.jp/
2月25日(1月31日~2月16日)
カンピロバクター;2件、ノロウイルス;9件、調査中;1件、不明;1件
2月18日(1月26日~2月8日)
カンピロバクター;2件、ノロウイルス;18件、ヒスタミン;3件、アニキサス;1件、
調査中;1件
2月12日(1月20日~2月3日)
カンピロバクター;2件、ノロウイルス;20件、アニキサス;1件、ヒスタミン;2件、
調査中;1件
2月4日(1月14日~1月24日)
ノロウイルス;9件、アニサキス;1件、ヒスタミン;1件、サルモネラ属菌;1件
発生件数;13件
発生件数;25件
発生件数;26件
発生件数;12件
4.食品の回収情報、事故情報…厚生労働省、消費者庁
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kaisyu/index.html
厚生労働省、都道府県が公表した回収情報
・かぶの葉(農薬基準値不適)、ミネラルウォーター(成分規格不適)、いわし小粒だんご(ヒスタミン基準値不適)
輸入食品の回収事例
・菓子(TBHQ)
消費者庁が公表したアレルギー物質に係る回収情報 http://www.caa.go.jp/foods/index.html
・米粉クッキー(小麦)、グリーンカレー(エビ)、クリームパン(ピーナッツ)
消費者庁が公表した事故情報 http://www.caa.go.jp/
・生鮮さといも (成分規格不適)、チョコレート、クッキー (小麦)、にら(規格基準不適)
、洋菓子(カビ)
《JIFE からのお知らせ》 保存試験について(検査一課)
保存試験とは食品の期限設定のための一手段です。食品の期限表示には「消費期限」と「賞味期限」の2種類があ
り、消費期限とは定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠く
こととなるおそれがないと認められる期限を示し、賞味期限とは定められた方法により保存した場合において、期待
されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示します。
双方とも当該食品に責任を持つ製造業者などが科学的、合理的根拠をもって期限を設定することが定められており、
この保存試験を実施することによって根拠を数値化することができ、消費者への信頼性の確保に貢献できます。
弊社では随時、期限設定のための保存試験プランの設定などご相談をお受けしております。まだ保存試験を実施さ
れたことのないお客様は一度ご連絡ください。
□ノロウイルス検査を迅速対応致します。
ノロウイルスによる食中毒の発生が多くなる季節です。弊社では検便検査・食品検査・拭き取り検査でノロウ
イルス検査に対応しております。
詳しくは弊社ホームページをご覧ください。http://jife.co.jp/inspection/norovirus.html
〈編集後記〉
暖かい日が多くなってきました。梅も綺麗に見ごろを迎え、いよいよ春の訪れです。
(黒田)
・この情報誌は主に、農林水産省、厚生労働省、消費者庁等のホームページを参考にして作成しています。
・この情報誌は弊社ホームページからもご覧いただけます。
・ご質問、ご意見等は、[email protected]、 又はファクシミリにてお受けいたします。
FAX:(078)321-3069(管理部まで)
発行:
厚生労働省登録検査機関 株式会社 日本食品エコロジー研究所
〒651-0082 神戸市中央区小野浜町 1 番 9 号
TEL:(078)321-2311、FAX:(078)321-3069、HP:http://www.jife.co.jp