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日本食品エコロジー研究所
第 63 号
平成 27 年 10 月 1 日(木)
*JIFE(ジャイフ)
:当社の英名「Japan Institute of Foods Ecology」の略称です。
1. 新規遺伝子型ノロウイルス流行…国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/5903-pr4273.html
http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/778-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-news/5913-pr4274.html
川崎市内で発生した食中毒事例を含む感染性胃腸炎患者から、新たな遺伝子型のノロウイルス
(NoV)GII.P17-GII.17 が検出された。流行状況調査と遺伝子解析を行った結果、2014/15 冬季シーズ
ンの 1 月以降に広域流行を引き起こしていたことが明らかになった。この新規 NoV GII.P17-GII.17 は、
中国、台湾などでも流行が確認されており、2015/16 シーズンに大流行する可能性がある。そのため
今季の流行の立ち上がりに厳重な監視が必要である。NoV は、冬季に多発するウイルス性の感染性胃
腸炎を引き起こす主要な病原体として知られている。NoV には 5 つの遺伝子群(GI-V)が存在してい
るが、ヒトに感染するのは GI、II、IV である。さらに、GI は 9 種類、GII は 22 種類の遺伝子型に分
類され、それぞれの遺伝子型は抗原性も互いに異なる。川崎市以外の自治体で情報収集が可能であっ
た長野県、埼玉県ならびに栃木県における GII.17 の検出状況を確認した。その結果、2013/14 冬季シ
ーズンにおいては、GII.17 の検出は川崎市の 1 事例のみであった。ところが、2014/15 冬季シーズン
においては、2014 年 12 月までは GII.4 が主流の遺伝子型であったが、2015 年 1 月から GII.17 が検出
され始め、2 月ならびに 3 月には GII.17 が優位となった(表)。自治体別の GII.4 および GII.17 の
検出状況は、川崎市では各 26 事例、14 事例、長野県では各 6 事例、6 事例、埼玉県では各 13 事例、7
事例、栃木県では各 17
事例、6 事例であっ
た。
主要流行株の入れ替
わりは、2006 年以降、
我々が初めて経験する
大きな変化であり、
2015/16 シーズンの立
ち上がり、つまり 10 月
下旬~11 月終盤にかけ
ての GII.17 の動向には
細心の注意を払う必要
がある。
2.トピックス
〇 個別商品には認証マーク使わず 厚労省の「健康な食事」…共同通信(9 月 9 日)
市販の弁当や総菜を対象とする、栄養バランスの取れた「健康な食事」認証制度について、栄養基準設定など
に関する批判を受け導入を先送りしていた厚生労働省は9日、個別の商品には認証マークを使
用せず、あくまでシンボルマークとして自治体や事業者がポスターやホームページなどで使用
できるとした新たな制度の概要を発表した。 厚労省は当初、国が決めた基準を満たせば、コ
ンビニ弁当などに企業がマークを付けることができる制度を準備していたが、性別ごとにエネ
ルギー量の基準が定められていない点などに批判が相次ぎ、見直しを進めていた。
「健康な食事」の認証マーク
〇 機能性表示食品、受理分野が徐々に拡大 生鮮・油脂など登録…日本食糧新聞(9 月 16 日)
機能性表示食品の受理分野が徐々に拡大している。4 月の制度施行後、半年弱が経過した 9 月 15 日
現在、登録品目は 85 品(36 社)に増加。特に 9 月に入ってからは注目されていた生鮮や基礎調味料
(油脂)などが加わった。一方、売場が構築できる品目数のレベルには達していないという見方も強
く、年末商戦を見据えた品目拡大が望まれている。
〇 米粉製品で増える「小麦アレルギー」発症事故 適正な表示と確認が必要…産経新聞 (9 月 22 日)
米粉を利用した製品が増える中、小麦成分の入った米粉製品を誤って食べるなどしてアレルギーを
発症する事故が増えている。表示の欠落や誤り、消費者の確認不十分などが原因だ。消費者庁は、事
業者には管理の徹底と適正な表示を、消費者には表示の確認など注意を呼び掛けている。
3.食中毒情報について…消費者庁 http://www.caa.go.jp/
秋の行楽シーズンを迎えています。この時期は野生キノコの本格的な発生時期でもあります。キノコによる食中
毒の発生場所はほとんどが家庭であり、食用キノコと外見がよく似た毒キノコを間違って食べてしまうことが主な
原因です。食べられるキノコと毒キノコの判別は難しく、専門家によらない判断はとても危険です。
キノコ狩りにお出かけの際は、食べられるキノコであると確実に判断できないキノコは、採取したり、食べたり
しないよう十分に注意してください。
9月17日(8月19日~9月10日) http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150917kouhyou_2.pdf
腸管出血性大腸菌O157;1件、ノロウイルス;1件、サルモネラ属菌;1件、アニサキス;4件、セレウス菌;1件、
カンピロバクター;9件、植物性自然毒;1件、調査中;4件
発生件数;22件
9月10日(8月19日~9月2日) http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150910kouhyou_2.pdf
腸管出血性大腸菌O157;1件、サルモネラ属菌;1件、カンピロバクター;4件、アニサキス;1件、
黄色ブドウ球菌;1件、ヒスタミン;2件、ノロウイルス;2件、セレウス菌;1件 調査中;5件
発生件数;18件
9月3日(7月26日~8月23日) http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150903kouhyou_2.pdf
ノロウイルス;3件、カンピロバクター;3件、サルモネラ属菌;1件、ウエルシュ菌;1件
調査中;3件
発生件数;11件
4.食品の回収情報、事故情報…厚生労働省、消費者庁
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kaisyu/index.html
厚生労働省、都道府県が公表した回収情報
・アイスクリーム(大腸菌群検出)
輸入食品の回収事例 ・ブラックチアシード(成分規格不適)
消費者庁が公表したアレルギー物質に係る回収情報 http://www.caa.go.jp/foods/index.html
・10/1 現在情報なし
消費者庁が公表した事故情報 http://www.caa.go.jp/
・生鮮ラズベリー、アイスミルク、スイートコーン(成分規格不適)、惣菜(小麦)
《JIFE からのお知らせ》 涼しくなっても食中毒にはご注意を!(検査部 藤原)
アメリカで、メキシコから輸入されたキュウリを原因とするサルモネラ菌の食中毒が広がり、死者も出ています。
CDC(アメリカ疾病対策センター)によると、9 月 22 日までに 3 人が死亡したほか、33 州で 550 人以上の患者が確認
されており、このうち半数以上が 18 歳未満の子どもです。
野菜で食中毒が起こるというのはイメージがわきにくいですが、
深刻な食中毒事故を起こすことがあります。
2014
年 7 月 26 日には静岡県での花火大会で販売された「冷やしキュウリ」を原因とする、腸管出血性大腸菌 O157 の集
団食中毒が発生しています。
だんだん涼しい時期になるにつれて、食中毒のリスクは下がると考えがちですが、秋から冬場にかけても食中毒
が起こることはありえます。
生野菜を食べる際は、よく洗浄を行い、清潔な食器に盛り付けて、調理後は早めに食べるように心がけてください。
□ノロウイルス検査を迅速対応致します。
ノロウイルスによる食中毒の発生が多くなる季節です。今年は新型の出現の影響で、大流行の可能性がありま
す。弊社では検便検査・食品検査・拭き取り検査でノロウイルス検査に対応しております。
詳しくは当社ホームページをご覧ください。http://jife.co.jp/inspection/norovirus.html
〈編集後記〉
当社は今月より創立16年目を迎えました。今後も皆様のお役に立てるよう、前進して参ります。食品検査でお困り
の際はお気軽にご相談ください。
(黒田)
・この情報誌は主に、農林水産省、厚生労働省、消費者庁等のホームページを参考にして作成しています。
・この情報誌は弊社ホームページからもご覧いただけます。
・ご質問、ご意見等は、[email protected]、 又はファクシミリにてお受けいたします。
FAX:(078)321-3069(管理部まで)
発行:
厚生労働省登録検査機関 株式会社 日本食品エコロジー研究所
〒651-0082 神戸市中央区小野浜町 1 番 9 号
TEL:(078)321-2311、FAX:(078)321-3069、HP:http://www.jife.co.jp