講師:国立大学法人 岩手大学 名誉教授 品川 邦汎 氏

「ノロウイルス食中毒対策と食肉管理」
講師:国立大学法人 岩手大学 名誉教授 品川 邦汎 氏
概要:
・安全と安心はわけて考えてほしい。安全は科学的評価に基づくものであ
り、
「科学的に安全+信頼性=安全」となる。安心の中には当然、安全が含
まれていると消費者は思っている。
・食中毒の発生件数を病原体別にみると、カンピロバクター、ノロウイル
スはほぼ同じだが、患者数はノロウイルスが圧倒的に多い。ノロウイルス
は集団的に発生する
ため患者数が大規模になる。
・ノロウイルスの大規模発生を防ぐためには、食品製造や調理施設での「ウ
イルスを持ち込まないこと」、
「ウイルスを広げないこと」、
「ウイルスを付
けないこと」、「加熱によりウイルスを死滅させること」の4原則が重要。
特に、手に付いたウイルスからの汚染を防ぐことが大事。
・どんなに美味しいものであっても、体にいいものであっても安全性の担
保が前提。人が危害を受けないレベルまでリスクの排除が行われている必
要がある。
食肉については、と畜段階の安全の確保対策として、
「生体検査、枝肉
検査、内臓検査による疾病・異常肉の排除」、
「食中毒等の原因となる微生
物の制御」、「抗生物質等残留物質の排除」の対策がとられている。