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働く
誰もがイキイキと働ける社会
づくりに挑戦します!
今、
「働く場」においては、グローバル経済の進展に伴う不安定雇用の増大、若者雇用のミスマッチなどが問題となり、子ども
や要介護者がいる労働者においては、特に長時間労働が、また、さらに増加する非正規労働者においては雇用や処遇の不安定
さが大きな問題となっています。
より良い「働く」を実現するために、働く意欲のある人が、本人の意志にもとづき男女・年齢・障がいの有無等に関わりなく、
イキイキとやりがいをもって働き続けられる「エイジフリー社会」を創造することが必要です。職場における長時間労働の削減
やワーク・ライフ・バランスの推進、非正規労働問題への対応や公正な処遇の実現などにより、すべての人が安心して働き、さ
らに働くことで安定した生活ができるだけでなく、自己成長や自己実現を実感できる社会づくりに取り組みます。
◎あらゆる人が、生涯にわたり安定した雇用の中で、
やりがいを感じて働き続けられる社会をつくります
日本は働く人の約9割が雇用者です。そのよ
うな中、日本の主要産業である電機産業は、多
くの雇用と暮らしを支えています。グローバル経
済の進展の中で、雇用のあり方は変化していま
すが、形はさまざまであったとしても、安定した
雇用を確保することはとても重要です。
また、電機産業を発展させ、さらに日本が世
界に貢献するためにも科学技術を発展させ、中
長期的な観点で人材の育成に取り組むことを通
じて、高い付加価値を生み出すことができ、個
人にとってもやりがいある雇用の場をつくってい
かなくてはなりません。
■ 仕事の将来性への不安
強い不安感がある
かなり不安感がある
あまり不安感はない
全く不安感はない
無回答
(%)
2014年計
51.4
19.2
53.7
21.7
2009年計
2005年計
11.9
1989年計
10.8
26.3
54.2
17.7
1994年計
23.6
51.5
20.4
1999年計
28.3
26.4
44.2
39.9
0.7 0.3
1.4 0.4
1.3 0.3
3.1 0.6
45.6
●ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を軸とした
労働者保護ルールの堅持・強化に取り組みます。
●生涯にわたる安定した雇用や雇用の創出を実現するためには、
電機産業の発展が必要であり、日本のモノづくりを支援するため
の法整備に取り組みます。
7割を超える人が仕事の将来性に不安を感じている
出所:電機連合
「組合員意識調査」
(2015年)
●安定した生活を送るだけでなく、それぞれの人の能力を活かし、
やりがいを持って働くことのできる環境を実現するため、生涯学
習体制の充実などを進めます。
■ 女性の年齢階級別労働力率
(M字カーブ)
と潜在的労働力率
働きたいのに働けない女性が130万人
出所:総務省
「労働力調査」
(2015年)
77
●すべての若者への良質な雇用・就労機会の実現に向けた、
労働条件の的確な表示の徹底、企業による職場情報の積
極的な提供、正社員転換の促進、地域若者サポートステー
ションの強化等を推進します。
24
仕事に必要な
研修や教育
キャリアアップの
ための研修や教育
17
44
慶弔休暇制度
16
24
19
19
16
11
15
16
25
29
23
25
12
100(%)
6 6
52
通勤手当
●就業促進される労働者を増加させるため、国としてのキャリ
ア開発支援や職業訓練・就労支援などの充実を図ります。
80
35
22
49
20
出所:連合
「2010年連合パート・派遣等労働者生活アンケート」
●家族と過ごす時間や地域とのつながりの時間を
持てる社会を実現するために、職場における長
時間労働の削減、ワーク・ライフ・バランスを
支援する法整備を進めます。また、これらの課
題に積極的に取り組む企業に対する奨励施策
導入などに取り組みます。
●働く人々の命と心身の健康を守るため、安全衛
生対策の法整備を進めます。
21.6
11.2 11.0
フィリピン アメリカ フランススウェーデンイギリス シンガポール 香港 ドイツ タイ イタリアマレーシア 日本
韓国
(2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2012) (2013) (2012)
出所:総務省
「労働力調査」
(2014年)
JILPT
「データブック国際労働比較2014」
時間外労働が40時間を超えると、
ワーク・ライフ・バランスを実感できない率が高まる
■ 長時間労働者の割合
(国際比較)
(%)
40
35
30
25
20
15
10
5
0
計
各国と比較して、
男性も女性も
長時間労働者が多い
※長時間とは、週50時間以上をさす
男
女
ニュージーランド
育児や介護、家族との団らんや地域活動、友人との交流な
ど、わたしたちには大切にしなければならないライフスタイル
があります。
しかし、時間外労働や休日出勤などを含めた労働時間の長
い職場環境では、仕事と家庭の両立は簡単ではありません。
また、長時間労働を行っている職場では、心身の健康への不
安が大きいだけではなく、仕事に対するモチベーションの低
下も見られます。また実際に、長時間労働によって、脳・心臓
疾患やメンタル不調のリスクも高まります。
すべての働く人が、それぞれのライフステージに応じて、や
りがいのある仕事と充実した生活を調和させることのできる
「ワーク・ライフ・バランス社会」の実現が必要です。
オーストラリア
0
5.2
60
韓国
10
28.6 28.2
25.8
6.3
40
ノルウェー
20
35.6 34.2 33.8
32.9
3.6
20
職場の食堂・休憩室・
更衣室の利用
会社が実施・支援する
定期健康診断
フィンランド
6
●働き方や雇用形態が不利にならない社会を実現するため、雇用形態
に関わらない均等待遇原則の法整備を進めます。
30
39.4
25~29歳
制度がない
0
オランダ
●男女がともに責任を分かち合い社会に参画する男女平等参画社会を
実現するため、仕事と育児・介護を両立するための法整備を進めます。
40
43.7
20~24歳
制度があり正社員と異なる
制度はあるが不明
フランス
出所:総務省統計局
「労働力調査」
詳細集計
(平成21年)
、
ILO "Laboursta" より作成
■ 管理的職業従事者に占める女性割合の国際比較
●年齢や障がいの有無によらず、あらゆる多様性を尊重し、一生を通じ
て意欲や能力を活かすことのできる社会を実現するため、障がい者
雇用促進や高齢者の雇用安定に向けた法整備、ダイバーシティ推進
を支援する法整備、さらに、これらの課題に積極的に取り組む企業に
対する奨励施策導入などに取り組みます。
全年齢計
制度があり正社員と同じ
イギリス
15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65以上(歳)
(%)
50 47.6
※2001年以降は労働力調査特別調査の隔年2月の数値
出所: 総務省
「労働力調査」
(詳細結果)
カナダ
平成21年潜在的労働力率
平成7年労働力率
0
1985 1990 1995 2000 2005 2010 2012 2013 2014(年)
アメリカ
平成21年労働力率
平成16年労働力率
0
日本
(%)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
比率(%)
■正規労働者 ■非正規労働者 ■非正規労働者の割合
(万人)
(%)
6,000
36.7 37.4 40
35.2
32.6 34.3
35
5,000
1,273
30
1,001 26
1,813
1,906
1,962
1,634 1,763
881
4,000
25
655
20.9
3,000 16.4 20.2
20
15
2,000
3,343 3,488 3,779 3,630 3,375 3,374 3,340 3,294 3,278 10
1,000
5
■ 非正規労働者の福利制度等における正社員との差異
■ 若年者完全失業率
(2014年)
年代
■ 増加する非正規労働者
◎長時間労働などを解決し、
家族と過ごす時間や地域とのつながりの時間を持つことにより、
豊かな毎日をおくれるよう、
ワーク・ライフ・バランスを推進します
◎その人らしく働くことができる、多様性を重視した雇用の仕組みをつくり
「働きの輪」
を広げます
日本では、少子化が進み労働力人口の減少が大き
な課題となっています。
性別、国籍、文化、年齢、学歴、キャリア、ライフス
タイルなど、さまざまな背景からなる個々人の考え方
や価値観は、まさに多様です。多様な考え方や価値観
を持つ人々が、意見を出し合うことにより、個々人の
創造性がいかんなく発揮され、高い付加価値を生み
出すことが可能になります。
少子高齢化が進む中で、多様性を活かし活
力ある社会をつくるためにも、多くの人が「働
きの輪」に参加することのできる、多様性を重
視した社会の実現が必要です。
日本における非正規労働者全体の人数は、2014年では
1,962万人で、労働力人口に占める割合は37.4%と過去最
高となり、この20年間で倍増しています。非正規労働には、
雇用が不安定になりがちであること、能力開発機会が乏しい
こと、処遇に格差がみられること、セーフティネットが不十分
であることなど多くの課題があります。
また、2014年にはフリーターが179万人、25~29歳の若
者の完全失業率が5.2%と、全年齢計(全体平均)に比較し
て高水準で推移するなど、若者の雇用は厳しい状況にあります。
日本の最大の資源は人材です。日本の将来を担う若者が安
心して働き、すべての労働者がその意欲や能力を十分に発揮
できる社会を実現しなければ、この国に未来はありません。
0.9 0.2
2.4 0.4
41.1
◎非正規労働や若者の雇用などの問題を、
将来の日本を見据え改善していきます
出所:JILPT「データブック国際労働比較2014」
■ 時間外労働時間とワーク・ライフ・バランスの実感
そう思う
(%)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
67.9
31.8
そう思わない
78.6
65.5
34.3
55.4
53.9
44.1
46.1
63.3
36.5
21.4
0~10時間 11~20時間 21~30時間 31~40時間 41~50時間 51~60時間
出所:電機連合
「生活実態調査」
(2014年)
7