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株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
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週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
February 19, 2016
ポンド、国民投票の動向が重し
◆世界景気減速懸念を背景としたリスクオフ再燃への警戒感は残る
◆ポンド、EU 残留・離脱を問う国民投票をめぐる問題が圧迫材料
◆加ドル、産油国の生産協議の動向がポイント
予想レンジ
ポンド円 155.00-168.00 円
加ドル円 78.50-85.50 円
2 月 22 日週の展望
ポンドは上値の重い動きが続くか。足元では、世界景気減速を背景としたリスクオフの再燃や、英
国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票をめぐる問題が、ポンドの上値を圧迫する材料となる。
キャメロン英首相は 18-19 日の EU 首脳会議で EU 改革の合意を取りまとめ、6 月末をめどに国民投票を
実施したい意向だ。この会議で合意できればポンドの買い戻しが進みそうだが、難航した場合はポン
ドに下押し圧力が強まりそうだ。最近の世論調査では、離脱派がリードを広げている。英首相が EU 加
盟条件変更を勝ち取れるかどうかは、残留の支持を高める必須条件でもある。英国の EU 離脱が現実と
なれば、ユーロ圏と英国の政治経済への打撃は大きい。ポンドに売り圧力がかかるだけではなく、投
資家のリスクオフ志向も強まる。この数カ月は国民投票の動向がポンドの波乱要因として意識される。
1 月の消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想通りの+0.3%と、伸び幅は 1 年ぶりの大きさとな
った。一方、価格変動の大きい食料品やエネルギーなどを除いたコア CPI は+1.2%と、前月の+1.4%
から低下した。依然としてインフレ率がイングランド銀行(BOE)の物価目標である 2%を大きく下回
っている。英 12 月 ILO 失業率(3 カ月)は 5.1%と、10 年ぶりの低水準を維持した一方で、週間賃金
上昇率(ボーナスを含む)は 2 月以来の低水準となる+1.9%に鈍化し、ボーナスを除く上昇率は+2.0%
と、9-11 月期の+1.9%からわずかに加速した。依然として賃金の上昇圧力は弱い。
原油価格は 12 年ぶりの低水準で推移しており、賃上げ期待は強まりにくい状況で、BOE による金融
政策の変更は当面見込めそうもない。タカ派であるマカファーティ英金融政策委員会(MPC)委員は、
インフレの上振れリスクはさらに後退しており、直ちに利上げする必要はないと述べた。同委員は今
月の MPC で利上げ主張を取り下げた。
加ドルは原油相場の動向に振り回される展開が継続か。今週は石油輸出機構(OPEC)加盟国のサウ
ジアラビア、カタール、ベネズエラと、非加盟国のロシアがほかの産油国が同意することを条件に生
産量を 1 月の水準から増やさないことで合意し、この原油の生産量維持案にイランが支持を表明した
ことで、原油価格は反発した。ただ、イランは自国の増産を抑制するかどうかについては言明しなか
ったため、原油価格の先行きは不透明感が残っており、今後も産油国の生産調整がポイントになる。
米追加利上げへの不透明感が増していることからドル高地合いが後退し、原油相場が落ち着けば、加
ドルは対ドルで買い戻しを試す動きが見込まれる。世界景気減速への懸念を背景としたリスク回避の
動きが再燃する可能性には十分警戒したい。来週は主な加経済指標の発表はなく、独自の手がかりは
乏しい。
2 月 15 日週の回顧
ポンドは今週末の英国の EU 離脱問題を協議する EU 首脳会議を控え、上値の重い動き。ポンドドル
は 1.42 ドル前半、ポンド円は 161 円半ばに下落。一方、原油価格の上昇も好感し、加ドルはしっかり。
ドル/加ドルは 1.36 加ドル台までドル安・加ドル高が進み、加ドル円は 83 円後半まで切り返した。
(了)
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