3年生

中学年ブロック(3年国語科)
単元名
登場人物と自分を比べて、考えたことを発表しよう
学習材名
「海をかっとばせ」
同年代が主人公の物語(41冊)
(目指す児童像)登場人物と自分を比べながら、進んで読もうとする子
つけたい力
<表現力を育成する
「C読むこと」
<児童一人ひとりを生かす
指導の工夫・改善>
(3)目的に応じ内容の中心をとらえ
たり段落相互の関係を考えたりしな
1 課題意識・目的意識の獲得
① 毎時間、学習後の感想を書
・同年代の子が主人公の物語
もに幅広く読書しようとする態度を
・自分と比べて考えたことを
感想文に書く。
① ウ 場面の移り変わりに注意し
・クラスの友達と交流する。
登場人物の性格や気持ちの
2 主体的・創造的な言語活動の
変化、情景などについて叙述
を基に想像して読む力。
② オ 文章を読んで自分の経験と
結び付けて自分の考えたこ
とをまとめ、発表し合い、お
3 自己評価の工夫
① 読書コーナーの設置
がら読む能力を身に付けさせるとと
育てる。
評価の工夫・改善>
工夫
① ワークシートの工夫
② 交流の場の工夫
③ 板書の工夫
④ 並行読書
いて振り返り
4 相互評価の工夫
① 友達と感想交流
(登場人物の行動、気持ち、
人物像と自分との比較)
5
教師によるそのつど評価の
工夫
① その場で評価し賞賛や助言
をして、意欲を持たせる。
(発言、ワークシート)
② よいところを見つけほめる
コメントを書き、紹介する。
(ワークシート、学習後の
感想)
互いの感じ方や考え方に違
いがあることに気付く力。
③ カ 同年代の子が主人公の物語
を自分と比べて読む力。
単元の目標
○登場人物と自分を比べながら読もうとしている。
(国語への関心・意欲・態度)
○場面の移り変わりに注意し、登場人物の性格、気持ちの変化、情景などについて、叙述を基に想像して読むこ
とができる。
(読むこと)
○登場人物と自分を比べながら読んで感じたことを発表し合い、一人ひとりの感じ方に違いのあることに気付く
ことができる。
(読むこと)
○人物を表す言葉や感想を表す言葉を増やすことができる。 (伝統的な言語文化と国語の特筆に関する事項)
【本時の授業の実践と考察】
本時(3/5時)
(☆ 他教科・他学年との関係
※ 考察)
1 前時の学習内容をふり返る。
手だて5-②
T:前の時間は、ワタルと似ているところを学習しました。わけが書けていたお友だちの感想を紹介し
ます。
ぼくもサッカーの試合に出たくて秘密の練習をしたことがあるので、同じだと思いました。
流木がクビナガリュウみたいに見えたらわたしも怖いと思うから、同じ気持ちだと思いました。
2 本時の課題を知る。
課題「ワタルと自分を比べてちがうところを見つけて、考えたことを友達と話し合おう。」
3 ワタルと自分のちがうところを見つけ、ワークシートに書く。
手だて2-①
T:ちがうと思った場面や言葉
と自分の体験と比べたことを
C:p66。わたしは、こわ
書きましょう。
いのをがまんしてまで練
C:p64。なんとか試合に
習しない。ワタルは、本当
出たいと思ったことはな
に試合に出たいんだな。
いなあ。
4 ワタルと自分のちがいをグループで交流する。
手だて2-② 手だて4-①
☆お互いの考えを尊重し合い、他者理解の大切さを理解させる。
(道徳)
C:p64 の 4 行目で、ワタルは一
C:p68 の 5 行目で、ワタ
人で「ひみつのとっくん」をする
ルが男の子に「だれだ。
」
ことに決めたところがちがいま
と言ったところがわたし
す。ぼくなら一人じゃなくて、友
とちがうと思いました。言
だちと一緒にすると思うからで
い方が乱暴すぎるからで
す。
す。
C:わたしも、そう思い
C:ワタルは一人でやろうとした
ます。女の子は、乱暴な
けど、波の男の子と一緒にやった
言い方はあまりしませ
から友だちと一緒にするという
ん。
のは、よい考えだと思います。
※話し合いの手順を示すことにより一人ひとりが考えた意見を発
表し、意見や体験にちがいがあることに気付くことができた。
5 学級全体で交流をする。
手だて2-② 4-①
C:わたしも、知らない子に乱暴な
言葉は使わないので、ちがうとこ
C:ぼくは、怖いのを我慢
ろがAさんと同じだなと思いまし
して砂浜に駆け降りたと
た。
きのワタルの気持ちと同
じなのに、ちがうと思う
人もいることが分かりま
した。
※全体で交流することにより、同じ
場面でも、ちがう意見や同じ意見
があることやワタルと比べた体験
にちがいがあることを知ることが
できた。
6 本時の感想を発表し、学習の振り返りをする。
手だて3-①
【指導講評】さいたま市教育委員会学校教育部指導1課主任指導主事兼幼・小学校教育係長
辻 美由紀先生
○ 2年「わたしはおねえさん」ですみれちゃんと自分を重ねて読んだ経験をもとに、自分の体験と主人公の
行動、人柄などを比べて感想を書く学習を5時間で行う工夫がされている。
○ 「繰り返し」で定着させる工夫がなされていた。一つは、前時と同じ方法「全文を読む→一人学び→グル
ープ交流→全体交流する」という学習の流れ。もう一つは、
「ワタルと自分を比べて感想を書く」→「自
分で選んだ本の主人公と自分を比べて感想を書く」という単元の流れ。
● 読書感想文を書く学習であることを意識させるために、学習計画表をもっと活用するとよい。
● 子どもの思考を大切にして、子どもの発言から全体に広げるとよい。交流することで思いもよらない考え
を知り、友だちと学ぶ楽しさを味わうとともに、思考力を高めることにつながる。