- 5年 1 - 第5学年1組 国語科学習指導案 1 単元名 作ろうポップ!伝え

第5学年1組
1
単元名
国語科学習指導案
作ろうポップ!伝えよう宮沢賢治の世界!
『雪わたり』『「読書すいせん会」を開こう』
2
単元について
(1)単元観及び単元を貫く言語活動とその特徴
本単元は、学習指導要領の以下を受けて設定した。
第5学年及び第6学年
「C
読むこと」
(1)目標
目的に応じ、内容や要旨をとらえながら読む能力を身に付けさせるとともに、読書を通して
考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。
(2)内容
エ
登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえ、優れた叙述について自分の
考えをまとめること。
オ
本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること。
カ
目的に応じて、複数の本や文章などを選んで比べて読むこと。
「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」
イ
言葉の特徴やきまりに関する事項
(カ)語感、言葉の使い方に関する感覚などについて関心をもつこと。
(ケ)比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと。
本単元は、一つの作品を読み深めた感動から、本を読むことの楽しさを個々に実感し、自分が読んだ物
語のおもしろさを表現の仕方を工夫して推薦し合うことで、本の世界を広げ、深めて、これからの読書生
活をより豊かにしていくことをねらいとした単元である。
教材文『雪わたり』は、美しい雪原を舞台に、子ぎつねと人間の子どもとの心温まる交流の様子や、そ
のやりとりの中でしだいに心を通わせ、信じ合えた喜びを描いた宮沢賢治の作品である。
「かた雪」を中心とした自然の情景などが、巧みな比喩や擬声語、擬態語などの表現によって詳細に描
かれていること、話の全体を通して奏でられる、四郎とかん子、動物たちの歌がリズミカルな文体で表現
されていることが、物語の独特な世界観を表している。また、きつねと人間の子どもとの会話によって物
語が展開されているのも、このファンタジー物語の特徴といえるだろう。それだけに、児童にとっても場
面を想像しやすく、登場人物とともに楽しんだり喜んだりしながら、それぞれの心情に共感していくこと
が予想される。
本作品の山場(クライマックス)は、幻灯会できつねの紺三郎から出されたきびだんごを、四郎やかん
子が本物と信じて食べ、それを見ていたきつねの生徒たちが躍り上がって喜ぶ場面にある。まさにここに、
本作品の主題ともいえる、子ぎつねと人間の子どもとの交流が色濃く描かれている。
高学年の児童にとって、「人物の関係をとらえる」ことは重要な指導事項である。登場人物の相互関係
から人物像やその役割をとらえ、そのうえで、内面にある深い心情をとらえて、想像を豊かにしながら読
むことが大切である。物語の過程で、人間の子ども(四郎とかん子)と子ぎつね(紺三郎)の気持ちの変
化に呼応しながら、両者の関係もしだいに変化していく。冒頭場面ではきつねを「騙す者」と思っていた
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四郎とかん子が、どんな出来事を経てどのように変容していったのかがとらえやすく、本作品は「登場人
物の相互関係や心情の変化をとらえる力」を身に付けるのに適した教材であると考える。「雪わたり」を
きっかけに賢治の作品世界に興味をもたせ、他の作品へも読み広げさせていきたい。
『雪わたり』で物語を読み深めたことを土台として、次の『「読書すいせん会」を開こう』では、自分
が読んだ本について、ポップを作って推薦する活動を行う。また、友達の作ったポップを見せ合うことで、
人によってものの見方や考え方に違いのあることを知ったり、効果的な表現の仕方に気付いたりするきっ
かけにしていく。一人ひとりが自分のものの見方、考え方を確立し始めるこの時期に、読んだ本について
友達と語り合い多様な感性を感じ合うことは非常に大切なことだと考える。
本単元を貫く言語活動として、
「宮沢賢治作品のおもしろさを伝えるポップを作る」ことを位置付けた。
賢治作品のおもしろさを伝えるには、登場人物や展開のおもしろさだけでなく、その物語の特徴的な表現
や物語を表す描写、賢治の作品に込めた思いなども読み取って表現しなければならない。また、作ったポ
ップを通して自分が選んだ本を友達に推薦したり、図書室に「宮沢賢治コーナー」を特設して、もととな
る物語とともに置いたりすることで、児童一人ひとりの読書意欲を高める一助となるだろうと考える。し
たがって、本単元でねらう「登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえ、優れた叙述につ
いて自分の考えをまとめること」(C 読むことエ)、「本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の
考えを広げたり深めたりすること」
(C 読むことオ)を実現するのにふさわしい言語活動であると考えた。
(2)児童観(男子7名、女子14名、計21名)
これまでに児童は、『五月になれば』『大造じいさんとがん』において、情景や人物の行動、会話など、
一つひとつの叙述を手がかりに、登場人物の心情を読み取る学習を行ってきた。また、『大造じいさんと
がん』の学習に先立って、誰もが知っている昔話『ももたろう』を用いて、物語の構成について学んでき
ている。『大造じいさんとがん』は場面が四つに分かれており、先に学習した物語の構成を再確認しやす
く、冒頭場面での残雪に対する大造じいさんの心情が、クライマックスでの出来事を機に大きく変容する
様子をとらえることはできた。
以下は『大造じいさんとがん』の学習のゴールとして行った「大造じいさんになって、残雪を見送った
日の日記を書いてみよう!」の活動からわかる児童の実態である。
・大造じいさんの気持ちが読み取れている
14名
・大造じいさんの気持ちが変容は感じ取っているが、少々的外れな読みをしている
6名
・教科書の文をくり返すような書き方をしている
1名
多くの児童は、大造じいさんにとっての残雪がどのような存在に変わったのか、その残雪に対して、大
造じいさんがどんな思いをもって残雪を見送ったのかをしっかり読み取っていいることがわかった。しか
し、半数近い児童は、大造じいさんが残雪を助けたのは、「じいさんのがん」を助けてくれた恩からだと
とらえている。
物語の感じ方、受け取り方は決して一つではなく、それぞれが場面の臨場感や人物の心情を自由に想像
し、心を揺り動かすことだけでも、物語を読む価値はあると思うが、もう少し深く、大造じいさんの気持
ち、強いては猟師としての大造じいさんの生き方を考えるところまで踏み込ませたかったと反省する結果
であった。
児童のこれまでの実態を省みてみると、まず、表現する言葉の少なさに驚かされる。これは、「書く」
上での表現だけでなく、話して表現すること、話を聞いて理解すること、読んで理解することにも現れて
いる課題である。国語科の授業のみならず、他教科及び日常の生活全般を通して、教師や友達の話を自分
のものとして聞こうとする受け皿が構築されていないと感じることが度々であった。もっている言葉の少
なさから、話そのものを理解しずらかったり、自分の思いを伝える適切な言葉を選べず、友達同士で傷つ
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け合うこともあった。また、どの教科においても、「文意をとらえる」ことができず、ワークテスト等で
も、知識以前に「何を問われているのか」がわからないことが課題だと感じてきた。
これらの実態から、児童一人一人の中の語彙を増やし、言葉の面白さを体感させ、日常生活に活きて活
用できる「言葉」(日本語)を身に付けさせることで、児童の生活を豊かで潤いのあるものにできるので
はないかと考えた。その必要性から以下の事を日常的に行ってきた。
①日常の教師の言葉に、多様な表現を使い、児童が「それはどういう意味?」と質問するごとに、その
意味と使い方を丁寧に伝えていくこと。
②児童に寄せて綴るウィークリーメッセージ(学級だよりのようなもの)の表現を工夫し、配付の際に
教師の心情と共に解説を加えることで、感情の伴った言葉を伝えていくこと。同時に、文章を読み返
したくなる動機を、伝える言葉の中に含ませること。
③声色や抑揚を工夫した教師による読み聞かせを行うことで、読書への関心を開かせること。
場面の状況や登場人物の姿を想像させ、自由な発想を広げる豊かさを育てたいと同時に、自ら進んで
本を手にする意欲を高めたいとの願いから、あえて物語を選んで担任による読み聞かせを継続して行
っている。シリーズものの1巻を読み聞かせることで、先の巻に手を伸ばしたくなる気持ちをもたせ、
読書量を増やすこともねらいとしている。
④朝の会で行う「気になる新聞記事」では、選んだ記事やその記事に対する自分の意見を限られた行数
内にまとめてスピーチすることを通して、キーワードに目を付け要約する力と事柄に即した意見の持
ち方を育てること。同時に、貼り付けた写真を指示しながら話したり、質問に答えたりしながら、状
況に応じて「話す」力も身に付けさせることも意図している。
⑤「月の俳句」作りに取り組み、五・七・五の限られた字数の中で、自分が描く情景を効果的に表す表
現を考え、「言葉で遊ぶ」感性を育てること。毎月、作った作品の中から「俳句大賞」を選出するこ
とで、児童の創作意欲をかき立てているが、回を追うごとに、「直接的でない表現」「普通ではない
表現」を考えるようになってきている。
⑥テーマに沿った短作文に取り組み、
「はじめ・中・おわり」といった文のまとまりを意識させ、且つ、
伝えたいことの焦点を明確にして、一枚の中に表す力を育てること。
原稿用紙は、300字・400字・600字の3種類を用意し、児童が自分の書きたい内容に合わせ
て選べるようにしている。書く度に言葉の使い方や表現の仕方を自らが工夫することで、「読む」時
にも文意や内容を汲み取れるようになり、「読みの力」そのものの向上につながっていくことを期待
している。
俳句や短作文は、特に、文章を読む事にも書くことにも大きな抵抗感をもつ児童に「やりきる」、そし
て「書ききる」経験を数多く積ませることで、文章への抵抗感をやわらげたいというねらいも含んでいる。
年度当初から取り組んできた。「話し」「聞き」「書き」「読む」力を、焦らず、多角的に育てていこう
とする取り組みに対し、最近になってやっと、その変容が見られるようになってきた。本学級児童の「言
葉」に対する関心は、ようやく色づきはじめたところであり、吸収の時期に入ってきたともいえる。
(3)指導観
本単元で、児童に身に付けさせたい力は、「登場人物の相互関係や心情の変化を、叙述を根拠に読み取
る力」、「物語中のキーワードとなる言葉を中心に、物語を効果的に表す表現を工夫し、作品のおもしろ
さを伝える力」である。その力を身に付けさせるために、単元を貫く言語活動として「宮沢賢治作品のお
もしろさを伝えるポップを作る」ことを位置付けた。
授業はまず、本教材の作者である宮沢賢治について知ることから始める。この物語が描かれた頃の時代
背景や賢治の生い立ち、生き方などを知ることで、この後に学習する「雪わたり」への興味とともに、賢
治の作品を読みたいという意欲もたせることができるだろうと考えるからである。また、作者自身を知る
からこそ感じ取ることができる「賢治が作品に込めた願い」を、この後の学習で読み取る下地を作ってお
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きたいと考えた。
宮沢賢治という作者とその作品への興味をもたせたところで、教師が作成した賢治作品のポップを見せ、
「宮沢賢治作品のポップを作って図書室に置き、賢治の作品のおもしろさを伝えることで全校の読書活動
に役立てる」という学習の目的を提示する。自分たちの学習の成果が、全校に発信されて役に立つという
意識をもたせることで意欲の向上を図るとともに、教師が作成した見本を見せることで、ゴールに対する
イメージを具体的にもたせ、学習材 となる『雪わたり』を「何のために読むのか」「どんな読みが必
要なのか」を明確にし、児童の学習意欲を喚起したい。(一次)
二次では、学習材『雪わたり』を深く読み込んでいく。児童は既に、自主学習において繰り返し
作品の音読を行っている。教師の範読によって、作品の中にあふれるリズム感が児童の中で初めか
ら固定されてしまうのを避けるため、範読は聞かせず個々の音読によって物語の全体とイメージを
掴ませたいと考えた。これら個々による事前の読みをもとに、物語の時や場所、中心人物などの設
定を明らかにするとともに、物語のあらすじを全体で確認する。
『雪わたり』は、賢治独特の作品世界が描かれた物語である。リズム感のある語り口や、比喩・
擬態語・擬音語・擬声語などを押さえ、一つひとつの「言葉」や「音」を読み味わい、時には動作
も加えながら、自分も四郎たちとともにきつねの森にいるような感覚を味わわせ、作品のおもしろ
さを感じさせていきたい。
次に、作品を読んでいくうちに浮き出る疑問を児童たちに挙げてもらい、一つひとつ話し合いな
がら自分たちなりの答えを見つけていくことで、更に深く、物語の世界に入らせたい。
最後に、作品のクライマックスを検討し、中心人物の心情の変化を追う。何をきっかけに、いつ
変わったのか、どのように変容したのかを叙述をもとにとらえさせ、「きつねと人間」の関係だけで
なく、「子供対大人」の図式にまで考えを及ばせることで、子供らが立てていく新たな誓い、子供同
士だからこそ生まれる信頼といったことも感じ取らせたい。同時に、作者がこの作品に込めたメッ
セージを、自分なりに受け取ろうとする心情をもたせたい。各々が読み深めてきたことはワークシ
ートに文字として書くことで整理させ、友達と 互いの感じ方の違いや共感する思いを交流したり、ポ
ップに記す内容を考え合ったりし、その話し合いをもとに『雪わたり』のポップを作成する。ゴールの前
段階として、深く読み込んできた『雪わたり』のポップの内容を考え作成し、その効果を評価し合う場を
設けることで、いよいよ学習のゴールに向かって、意欲と自信をもって取り組んでいくことを期待したい。
これらの学習を経て三次では、並行読書してきた宮沢賢治の作品の中から一冊を選び、その作品
のおもしろさを伝えるポップ作りを行っていく。作ったポップは全校の読書意欲の向上を目的とし
て図書室の「宮沢賢治コーナー」に置く。自らの学習の成果を全校に発信して役立てるという実感
をもたせることで、児童自身の今後の読書意欲につなげていきたい。
尚、複数ある推薦方法の中で「ポップ」を選択したのは、書くことに抵抗感をもつ児童がいる現
状から、短い言葉での表現ならば、俳句作りや短作文で培ったものを生かして、意欲を損ねず取り
組めるのではないかと考えたからである。(仮説1)
前述したとおり、『雪わたり』は、宮沢賢治の独特な作品世界が描かれた作品である。児童にとっ
ては、一読しただけではなかなか理解できない部分もあるだろうことも否めない。だからこそ、美
しい自然の情景描写、リズム感のある語り口や文体、比喩や擬態語、擬声語など、作者が醸し出す
様々な表現技法に着目させることで、物語を五感で感じさせ、味わわせる展開を考えていきたいと
思う。例えば、情景描写している叙述に線を引かせて、目に見える景色や色のイメージを想像させ
たり、きつねと四郎たちとの歌や会話を、動作を混じえて音読させたりして、物語の世界に入り込
ませるような工夫をしていきたい。また、比喩や擬態語・擬声語などの表現については、その意味
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をしっかり理解させた上で、それぞれの表現の取り出しをさせ、この物語を彩る大切な言葉として
掲示し、何度も児童の目に入るようにする。これら比喩や擬態語・擬声語、反復して出てくる言葉、
更に、展開において重要となる叙述は、物語のキーワードであることを押さえ、読みやポップ作り
に生かせるよう図っていく。
ポップを作成するためには、この作品がどんな物語なのか、作者が作品に込めた願いとは何なの
か、それを表すキーワードを感じ取ることも重要となる。物語の主題は、必ずしも一つではなく、
読み手それぞれに受け取り方が違っていいと考えるが、そうであっても、受け取り手である児童各
々のキーワードを感じ取る感性は必要であろう。登場人物の関係が変わっていく様子や中心人物の
心情の変化を図で表し、その変容がわかる叙述を明らかにさせることも手立てとして行っていきた
い。(仮説2)
単元の導入段階で「宮沢賢治作品のポップを作る」というゴールを明確に示すことで、児童はどんな作
品を選び、どんなポップを作ろうかとイメージを膨らませ、多くの作品を手にして読んでいくだろうと想
像できる。読書活動推進補助教員の協力を得て、宮沢賢治の作品をそろえてもらい、教室に宮澤賢治コー
ナーを設けて並行読書を進めていく環境を整える。その中には宮沢賢治の伝記も置くようにし、作者と作
品を関連付けて読む一助としたい。作品を読み比べていく中で、賢治の作品に共通された独特の世界観や
作品それぞれのおもしろさを感じ取ったり、物語のクライマックスやキーワードを考えたりしながら、自
分が他者に薦めたい一冊を選択できるよう支援していきたい。多くの作品を読み、自分なりに物語を味わ
い、感じとったことを交流し合うことが更に自分の考えを深めていくきっかけとり、それが今後、児童が
本を選ぶ際、本の帯やポップに書かれていることに目を向けるなど、本選びの術を一つ増やすことにつな
がることを期待したい。(仮説3)
3
目標
関心・意欲・態度
・ポップ作りに興味をもち、進んで本を読もうとする。
読むこと
・登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえながら読み、物語を
表す効果的な表現を考えながら、ポップを作ることができる。
伝統的な言語文化
・語感、言葉の使い方に関する感覚などについて関心をもつことができる。
・比喩や擬声語・擬態語などの文章中の書き手の工夫に気がつくことができる。
4
指導計画(9時間扱い)
過程
学習内容と学習活動
支援(○)と評価(◎)(評価方法)
・「宮沢賢治」という人物について知る。
み
○賢治の伝記を紹介し、その内容から、幼少期から
の賢治がどんなものに興味をもち、どんなものの
考え方をしていたのか等をかいつまんで伝える。
と
同時に、それら賢治が見聞きし、感じ取ってきた
ものが賢治の作品に生きていることを話し、賢治
お
の作品に興味をもたせる。
・宮沢賢治の作品を並行読書していくこと ○読書活動推進補助教員と連携し、本の紹介をする
す
を知り、読書タイムや休み時間、家庭学
とともに、賢治の作品を読むことを奨励する。
習等を使って読み進める。
(1) ・教師が作成した賢治作品のポップを見る。○ポップの見本を見せることで、児童の学習のゴー
ルに対するイメージを明確にし、学習への関心・
意欲を喚起する。
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・宮沢賢治の作品の中から1冊を選び、ポ
ップを作って図書室の「宮沢賢治コーナ
ーに置き、全校のみんなに賢治の作品の
よさを知ってもらう」という、学習のゴ
ール(めあて)を知る。
・今後の学習の流れを知る。
○学習の流れを掲示し、児童に今後の活動の見通し
をもたせる。
◎学習に対する興味・関心をもち、意欲的に賢治の
作品を読もうとしている。(発言・読書カード)
宮沢賢治作品のポップを作って、賢治の作品のおもしろさを全校のみんなに伝えよう!
・物語の「時」「場所」「中心人物」などを
とらえ、あらすじを追う。
○叙述を根拠に、それぞれの設定を確認するよう助
言する。
◎叙述を根拠にしながら、物語の設定を考えようと
している。(観察・ワークシート)
・比喩表現・擬態語・擬音語・擬声語など ○比喩・擬態語・擬音語・擬声語とはどんな表現な
をみつけ、作品独特の情景描写を押さえ
る。
のかを知らせたうえで、教科書に線引きさせる。
○比喩・擬態語・擬音語・擬声語に着目させること
・好きな場面を音読する。
で、作品独特の世界観を感じさせるとともに、音
ふ
読させることで更に、それらの表現が物語にリズ
ム感を与えていることを実感させる。
か
◎比喩・擬態語・擬音語・擬声語等の表現を知り、
それらの表現を工夫して音読しようとしている。
め
(観察)
・物語を読む中で浮かび上がる疑問などに ○なかなか発言が出ない場合は、教師が一つ疑問を
る
(6)
ついて学級全体で話し合い、5年1組な
投げかけてとっかかりを作る。また、児童からの
りの解釈を検討する。
発言が出やすいように、教師から意図的な質問を
【予想される疑問】
投げかける。
・「雪わたり」という題名の意味は?
・「かた雪かんこ しみ雪しんこ」と
○児童から出てきた疑問は、個々にワークシートに
も書かせ、個で考える時間をもった上で、全体で
いう歌の意味は?
の話し合いに移行させる。
・なぜ幻灯会には 11 才以下の子ども
しか入れないのだろう?
○学習の道筋がそれないよう、話し合いを上手くコ
ントロールしていくよう配慮する。
・なぜ、大人のきつねと会ったら、
目をつぶらなくてはいけないのだ
◎物語の疑問を見つけたり、自分なりの解釈をもっ
たりしようとしている。(発言・ワークシート)
ろう?
・物語のクライマックスを検討し、中心人 ○掲示された物語の構成表を指し示して、クライマ
物の心情の変化を追う。
ックスとはどんな場面なのかを確認する。
○冒頭場面の中心人物、終末の中心人物の違いを押
さえさせ、その変化に至った出来事を作品の叙述
からとらえさせる。
・印象に残った場面や描写、何を描いた物 ○作品に込められた作者からのメッセージに自分な
語なのか(作者からのメッセージ)等に
りに気づいていけるよう、感覚的なものではなく、
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ついて考え、物語に対する個々の「読み」
叙述や書き手の工夫、作者自身を関連付けて考え
を深める。
るよう助言する。
◎書かれていることを根拠に、作品に込められた作
者からのメッセージを自分なりに受け取ったり、
物語から感じ取ったことをまとめたりしている。
(ワークシート)
・グループ内でそれぞれの「読み」につい ○前時にまとめたワークシートをもとに、同じ場面
て伝え合って、互いの感じ方の違いや共
を印象深く感じている者同士で交流できるよう、
感する思いを交流したり、ポップに記す
予めグループを作っておく。
事柄(キーワード等)について話し合っ ○なぜそう思ったのか、どんな叙述を根拠にそうと
たりする。
らえたのかなど、質問の仕方も示して、話し合い
が活発に行われるよう支援する。
○話し合いの後半には、ポップ作成のために物語を
効果的に表すキーワードとなる叙述・表現を探し
たり、見る人の興味を引く表現を考えたりするこ
とを伝える。
○どんな物語なのか(作品に込めた作者からのメッ
セージ)には、登場人物の名前等は入れず、一般
的な教訓のようなものとして書くよう確認する。
・ポップに記す事柄を各自ワークシートに ○グループでの話し合いから出てきたことをもとに
整理する。
して、ポップに記す事柄を整理させる。
◎進んで発言し、自分の思いや感じたことを伝えよ
本時(5/6)
うと交流の場に臨んでいる(発言・観察)
◎本文の叙述を根拠にしながら、物語を効果的に表
(発言・ワークシート)
すキーワードを探している。
・個々に「雪わたり」のポップを作る。
○前時に整理したワークシートをもとに、各自でポ
ップを作ることを伝える。
○現段階では、台紙の形やデザインにとらわれず「言
葉」のみに着目させるために、全員同一の四角い
台紙を用意する。
・グループで互いのポップを見せ合う。
○前時に話し合いを行ったグループで、お互いが選
物語を表す的確なキーワードが
んだキーワードの使い方、各々に考えた表現など
使われているか。
について評価させ合い、次時からの活動に生かす
見る人に伝わりやすい表現になっ
とともに活動意欲につなげる。
ているか。
◎記された「言葉」に着目して、友達のポップを評
価している。(観察)
・並行読書してきた賢治の作品の中から一 ○「雪わたり」での学習で行った手順やワークシー
冊を選び、ポップの作成要素をワークシ
トの書き方を確認し、同じように、作品の叙述を
ートにまとめる。
根拠にしたまとめ方をするよう助言する。
・個々にポップを作成する。
○学習のゴールを再確認し、自分が作るポップを通
して多くの人に宮沢賢治の作品を読んでもらおう
とする意識をもたせ、いいものを作ろうとする意
ま
欲につなげる。
◎書く内容や表現の仕方を工夫しながら、意欲的に
- 5年 7 -
と
ポップの作成に取り組んでいる。(観察・ポップ)
・作成したポップを教室内に展示して見せ ○もととなった物語とともにポップを置いて、それ
め
合い、お互いのポップのよさを評価し合
う。
ぞれのポップの効果を感じさせる。
○見た目のデザイン的なことだけでなく、そこに書
る
かれた表現のよさに、より着目するよう促しなが
ら、自由に語り合わせる。
(2)
◎ポップに書かれた表現のよさを見つけ、友達に伝
えようとしている。(観察)
・図書室に「宮沢賢治コーナー」を設置し、 ○読書活動推進補助教員の協力・助言をもらいなが
時
作成したポップを置いて全校に披露する。
ら、自分たちの手で「宮沢賢治コーナー」を作り、
間
作成したポップを置くことで、学習に対する成就
外
感を味わわせ、今後の読書意欲につなげる。
◎自分たちの学習の成果を全校の読書意欲に役立て
ようと、進んで活動している。(観察)
5
本時の学習
(1)目標
関心・意欲・態度
・進んで発言し、自分の思いや感じたことをグループの仲間に伝えようと
する。
読むこと
・本文の叙述を根拠にしながら、物語を効果的に表す言葉を考えたり、作品
に込められた作者からのメッセージを自分なりに受け取ったりすることが
できる。
伝統的な言語文化
・語感、言葉の使い方に関する感覚などについて関心をもつこと
・比喩や反復などの表現の工夫に気付くことができる。
(2)準備物
学習計画表・ワークシート・メモ用紙
(3)展開
2
指導・支援(○)と個別対応の方法(☆)
学習活動と学習内容
時配
1
評価(◎)
本時の活動の流れを確認する。
○掲示された「学習計画表」を指し示しな
資料
学習計画表
がら、学習の流れを確認し、本時の見通
しをもたせる。
1
2
本時のめあてを確認する。
物語の中のキーワードから、ポップに表す内容を決めよう
20 3
前時に作成したワークシートをもと ○前時にまとめたワークシートをもとに、
に、グループでそれぞれの「読み」
同じ場面を印象深く感じている者同士で
について伝え合いながら、互いの感
交流できるよう、予めグループを作って
じ方の違いや共感する思いを交流し
おく。
合ったり、ポップに載せる事柄(キ ○話し合いの観点を示して、話すキーワー
ーワードなど)について話し合った
ドとなる叙述・表現を探したり、見る人
りする。
の興味を引く表現を考えたりさせる。
【話し合いの観点】
○ポップに載せる事柄について
○自分の考えを整理する際の材料とするた
めに、共感したこと、自分と異なる考え
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ワークシート
メモ用紙
話し合いながら意見交換する
○どの叙述からそう思ったのか
伝える
○なぜそう思うのか、その理由も
伝えたり聞いたりする
など、話し合いの中で出てきたことをメ
モに書き残すよう指示する。
☆メモ書きがなされていない児童には個々
に声をかけ、何をどうメモすればよいの
か具体的に助言する。
○机間巡視し、話し合いが滞っているグル
・物語のキーワード
ープには、言葉を引き出すような発問を
・物語が表す「言葉」
するなど、話し合いのとっかかりを意図
・賢治が物語に込めた
的に作る。
メッセージ
☆話す順番に配慮させ、友達の話す様子を
聞いてから、同じように話せばよいこと
を伝える。
◎進んで発言し、自分の思いや感じたこと
をグループの仲間に伝えようとしている。
(発言・観察)
◎語感、言葉の使い方に関する感覚などに
ついて関心をもつことができる。(観察)
◎比喩や反復などの表現の工夫に気付いて
いる。(発言・ワークシート)
ワークシート
メモ用紙
7
4
グループでの話し合いの内容を、全 ○代表者にグループの話し合いで出てきた
体で交流する。
ことを発表させ、同じ考え、異なる考え
を交流させる。
○必要なことはメモ書きし、自分の考えを
まとめる際の材料とするよう助言する。
12 5
ポップに記す事柄を各自ワークシー ○グループでの話し合い、他のグループの
トに整理する。
ワークシート
意見をもとにして、ポップに記す事柄を
整理させる。
☆自分のワークシートやメモ書きしたこと
の中から、どんな言葉を書けばいいか選
んだり考えたりするよう助言する。
◎本文の叙述を根拠にしながら、物語を効
果的に表す言葉を考えたり、作品に込め
られた作者からのメッセージを自分なり
に受け取ったりすることができる。
(ワークシート)
2
6
本時の授業の感想を発表する。
1
7
次時の学習を確認する。
学習計画表
○ワークシートをもとに、各自で「雪わた
り」のポップを作ることを確認する。
(4)板書計画
- 5年 9 -
『ざしき童子のはなし』
『どんぐりと山猫』
『月夜のでんしんばしら』
『オッペルと象』
『土神と狐』
『やまなし』
『カイロ団長』
『かしわばやしの夜』
『水仙月の四月』
『風の又三郎』
『ししおどりの始まり』
『セロ弾きのゴーシュ』
『なきなぐさ』
『なめこと山の熊』
『いちょうの実』
『よだかの星』
『ふた子の星』
『シグナルとシグナレス』
『花の詩集』
『双子の星』
『宮沢賢治』(伝記)
雪わ たり
『雨にもマケズ』
宮沢 賢 治
『注文の多い料理店』
物語の 中 のキ ー ワ ード か ら 、
『銀河鉄道の夜』
ポ ッ プに 表 す内 容 を 決 め よ う
①ポップに載せる事柄につ
いて 話 し 合 お う
のか もしっか り 伝えよ う
○なぜそう思うのか、その
理由 も伝えよう
○「 雪わたり」のキーワードは ?
〈キー ワ ード〉
・ 比 喩 ・擬 態 語 ・擬 声 語
・ 何 度 も 出て く る 言 葉
・自然描写
・ 物語の 中 の 重 要 な 叙 述
○ 賢 治 が 「 雪わ た り 」 に こ め た
メ ッ セー ジ は ?
- 5年 10 -
○どの叙述からそう思った
話し合いの視点
○物 語を 表す 言葉は?
ポップで表す『雪わたり』
(5)並行読書の本
【宮沢賢治の作品】
など40余の物語や詩集