三年とうげ

第3学年
組
国語科学習指導案
授業者
1
単元名
民話や物語の組み立てを考えよう
「三年とうげ」
2
単元の目標
○おすすめ4コマブックを作るために,民話や物語の組み立てに興味をもち進んで学習に取り組
もうとしている。
(国語への関心・意欲・態度)
◎物語の組み立てをとらえ,場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,
情景などについて,叙述を基に想像して読むことができる。
(読むこと(1)ウ)
○物語を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこ
とができる。
(読むこと(1)オ)
○文章中に使われている言葉に着目し,表現するために必要な語句を増やしている。
(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項(1)イ(オ))
3 児童と単元
(1)児童について(省略)
(2)単元について
本単元で「物語の組み立てを学ぶ」ために,民話や物語のもつ四つの組み立てをしっかりと
押さえたい。「三年とうげ」は,挿絵と連動し文章もちょうど場面の区切り目でページが改ま
るように配置してあるので,組み立てを考えながら読むのに適した教材である。そして,様々
な民話や昔話にもその型を当てはめながら読むことができ,一般化を図りやすいという利点も
ある。また,この次の小単元にある物語を作る学習での「書くこと」につなげるよう,物語の
読みの際には,起承転結を意識させるようにしたい。
児童は学習発表会の際,劇で三年とうげを演じていることもあり,三年とうげの話の内容は
よく理解していると思われる。そこでさらに読みを深めていけるよう,情景の美しさや,トル
トリの機知に富んだ一言からおじいさんの気持ちが変化していく様子など,叙述に即した読み
も大切にし,本文そのものを味わえるようにしたい。
(3)指導にあたって
指導にあたって,児童が意欲を持続して物語の組み立てを学習できるように「おすすめ4コ
マブック」作りを設定する。導入においては,今まで読んだ民話や昔話に目を向けさせ,どの
話も出来事が起こって解決するらしい,ということを意識させることと,教師自作の「おすす
め4コマブック」を見せて見通しをもたせることに留意したい。
叙述に沿って場面ごとに様子や気持ちをとらえてから,おすすめ4コマブックを作っていく。
また,学んだ型を,他の物語や民話にも当てはめながら読むことを通して,一般化を図るよう
にしたい。
さらに,まとめの学習として,「三年とうげ」で作成した「おすすめ4コマブック」を,今
度は並行読書してきた自分の好きな本について作成することにする。単にあらすじを4つの場
面に分けて書くのではなく,「こんなところがおもしろい」という自分が見付けた言葉や話の
おもしろさなども紹介できるようにしたい。
4
単元を貫く言語活動
自分が読んだ民話や昔話の起承転結を分かりやすく表現し,二年生におすすめできるように,
「おすすめ4コマブック」を言語活動として位置付ける。二年生におすすめするためには,起承
転結を意識して一人一人が自分の読みを深めることが必要になり,一人一人が読みを深めるため
には「三年とうげ」を読み進める際に物語の組み立てをしっかりとらえること,どの文章が紹介
するために重要かを見極めること,などの視点を明らかにすることが大切である。
5
学習計画(10時間扱い
本時
時
第
一
次
1
○今までに読んだ民話や昔話について発表し合い,
進んで学習計画を立てようとしている。
・読んだことのある昔話や民話を出し合って,共通
点を見付ける。
・「おすすめ4コマブック」と出会い,学習計画を
立てる。
・新出漢字や読み替えの漢字,難語句を確認する。
関
2
○物語の組み立てを意識しながら「三年とうげ」を
読んで最初の感想をまとめ,感じ方に違いがある
ことに気付くことができる。
・話の概要をとらえる。
・最初の感想をまとめ,交流する。
読
3
○物語がどのように組み立てられているかを考え,
組み立てごとに内容を整理することができる。
・場面分けの方法を確かめ,物語の組み立てをとら
えている。
読
4
○おじいさんの気持ちの変化がよく表れている部分 読 おじいさんがトルトリの言
を叙述から見付け,トルトリの言葉からだんだん
葉からだんだんと元気を取り
元気を取り戻す様子を読み取ることができる。
戻し,変化(解決)していっ
・おじいさんの気持ちの変化をシートにまとめる。
た様子を想像しながら読んで
・「転」の部分をつかみ,話のおもしろさをつかむ。
いる。
(話し合い・ワークシート)
5
○心に残る表現やおもしろい表現などを書き出す。
・第三次で活用できるように,表現の工夫を見つけ
シートに抜き書きする。
伝
言葉のリズムのよさや様子
をくわしくする言葉などに気
付き,味わっている。
(発言・ワークシート)
6
7
○組み立てを考えながら,おすすめ4コマブックを
作ることができる。
・読み取ったことを生かして,組み立てごとに内容
をまとめ,おすすめ4コマブックを作る。
・「三年とうげ」の最後の感想を付け加えながら,
おすすめ4コマブックを紹介し合う。
読
組み立てごとに読み取った
ことをおすすめ4コマブック
にまとめている。 (作品)
8
9
10
○自分の選んだ民話や昔話を「三年とうげ」と比較
して,四つの型が当てはまるか考えて読み,組み
立てを整理しながらおすすめ4コマブックを作る
ことができる。
・選んだ物語を教科書の組み立てに沿って分けなが
ら読み,それぞれの場面でどのように物語が進め
られているかを整理し,短く内容をまとめる。
・読み取ったことを生かし,組み立てごとに内容を
まとめ,おすすめ4コマブックを作る。
・感想を付け加えながら,おすすめ4コマブックを
紹介し合う。
読
組み立てごとに読み取った
ことをおすすめ4コマブック
にまとめている。 (作品)
読
一人一人の感じ方には違い
があることに気付くことがで
きる。
(発言・ノート)
第
三
次
(本 時 )
次
第
二
次
○学習のねらい
3/10)
・主な学習活動
主な評価規準(評価の方法)
民話や昔話に興味をもち,
進んで学習に取り組もうとし
ている。
(発表)
「三年とうげ」を読んで感
じたことを百字程度にまとめ
ている。
(ノート)
読 一人一人の感じ方には違い
があることに気付くことがで
きる。
(発言・ノート)
「三年とうげ」がどのよう
に組み立てられているかを考
え,整理しながら読んでいる。
(ワークシート)
6
本時の実際(本時3/10)
(1)ねらい
場面分けの視点に沿って場面の移り変わりに注意しながら,物語の組み立てをとらえることがで
きる。
(2)学習過程
時間
5
学習活動と児童の反応
1
教師の支援と評価
資料
・学習計画表を示し,学習のめあてとゴー
ルの姿を確認する。
学習計画表
おすすめ4
(一斉) ・自力解決ができるように,場面分けの視
コマブック
点(時間・場所・登場人物・行動・気持
ち)を確認する。
場面分けの
視点
・混乱しないように五つの場面に分かれる
場面分けの
本時のめあてをつかみ,場
面分けのポイントを確かめ
る。
理 由 を 考 え なが ら 場 面 分
けをしよう。
15
2
全文を音読し,起承転結の
場面分けをする。
ことを伝える。
(個→グループ→一斉) ・一人でぶつぶつ読みをしながら,場面分
視点
本文全文
けを考えさせる。
・三(転)の場面は「えいやら」 ・活発な話し合いになるように,なぜ,そ
8
3
からかな。「そして」からか
こで場面を区切ったのか,理由を話し合
な。
い,発表させる。
大事な文章を短く抜き書き
する。
・自力解決が少しでも進められるように,
(個)
穴埋め式のシートを用意し,読み取りの
視点を確認する。
・一(起)の場面の大事な文章
はどこかな。「いつどこでだ
・悩んでいる児童には,絵に目を向け挿絵
を表す文章を探すよう助言する。
れがどうした 」だけど,「だ
れが」がないな。
読み取りの
視点
教科書の挿
絵
・机間支援を行って,児童の答えを確認し,
発表への自信につながるようにする。
場面分けの視点に沿って話の内容
をとらえ,場面分けをしている。
(読シート)
12
4
場面ごとに短くまとめた文
について話し合う。(一斉)
・主体的な話し合いになるように,自力解
決の際に悩んだ文や組み立てを聞き,話
合いの視点にする。
5
5
本時のふり返りをして,次
の学習を確認する。(一斉)
・がんばりを称揚し,次の活動を伝え意欲
付けを図る。
本文短冊
三年とうげシート①
一
月
日
(
)番
名前(
読んだことのあるみん話やむかし話を思い出してみよう。
「おむすびころりん」
「もも太ろう」
)