白庭病院 2015 年 7 月 「頭がズキズキする・・・」「頭が重い・・・」 こんな

白庭病院
2015 年 7 月
「頭がズキズキする・・・」「頭が重い・・・」
こんな症状を日常生活の中で、誰もが一度は感じたことがあるのではない
でしょうか?頭痛には、日常的に起こるものからすぐに受診しないと危険な
ものまで様々な種類があります。
今回は、その中でも患者数が多い慢性頭痛について紹介します。
<慢性頭痛>
原因となる病気がなく、繰り返し起こる頭痛で、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」
の 3 種類に大別されます。日本人のおよそ 4 人に 1 人はこのような頭痛に悩む「頭痛持
ち」だと言われています。
・片頭痛
頭の片側または両側にズキンズキンと脈打つような痛みが、月に1~2 回、多い時に
は週に1~2 回起こる頭痛です。日常生活に支障をきたすことが多く、吐き気や嘔吐を
伴ったり、光や音に敏感になったりすることがあるのも特徴です。女性に多く、ストレ
スや疲労、ワインやチョコレート、チーズなどの食品が原因となることもあると言われ
ています。
治療薬
トリプタン系薬剤
頭痛発作の初期に服用することで、過度に拡張した脳血管を
・イミグラン
収縮させ、また神経性の炎症を抑えることによって頭痛発作
・ゾーミック
を抑えると考えられています。
・レルパックスなど
また、頭痛だけではなく吐き気や嘔吐、光や音過敏にも効果
がある薬剤です。
エルゴタミン系薬剤
脳の血管を拡張させることを防ぐことによって痛みを抑え
・クリアミンA
る薬剤です。前兆を伴う片頭痛の人は頭痛の前ぶれが起こっ
・ジヒデルゴットなど
た時に服用し、前兆を伴わない片頭痛の人は痛みはじめたら
すぐに飲むと効果的です。
非ステロイド系抗炎症薬
片頭痛の痛みを抑える薬剤ですが、頭痛の原因を解消するわ
・アスピリン
けではありません。
・カロナール
・イブプロフェンなど
また、薬剤以外にも痛む部分を冷やしたり、安静にすることで症状が抑えられることも
あります。
予防薬
片頭痛発作が月に 2 回以上ある場合、また上記の薬剤だけでは日常生活に支障が残る
場合などに勧められます。
予防薬としては、主に Ca 拮抗薬(ロメリジン)、β遮断薬(プロプラノール)、抗てんか
ん薬(バルプロ酸ナトリウム)、抗うつ薬(アミトリプチリン)が用いられます。
日常生活においては、責任の重い仕事をこなした後や大きな悩みから解放された後な
ど、それまで過度の緊張で収縮していた血管が拡張し、頭痛発作が起こるケースが多い
ようです。日頃からストレスをため込まないようにすることが大切です。また、空腹や
寝不足、寝過ぎも、片頭痛が起こりやすくなります。休日も朝寝坊せず、規則正しい生
活を送ることを心がけましょう。
・緊張型頭痛
慢性頭痛の中で最も多くみられ、頭の周りを何かで締め付けられるような鈍い痛みが
30 分~7 日間続く頭痛です。精神的なストレスや長時間のデスクワークなどで同じ姿勢
を続けたことによって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張することで起こります。肩
や首の凝りを伴う人も多いです。
予防・治療
緊張型頭痛を予防するためには、心身のストレスを上手く解消することが
大切です。ストレッチや軽い運動、お風呂にゆっくりつかることや、同じ姿勢
を続けないようにすることも効果的です。また、治療薬としては鎮痛薬の他
、精神的ストレスが原因となっている場合は抗うつ薬や抗不安薬、首や肩の
筋肉が著しくこっている場合は筋弛緩薬なども用いられます。
・群発頭痛
男性に多く、年に数回から数年に 1 回ほどの頻度で起こり、1 度発症すると 1~2 か月
毎日のように同じ時間(群発期間)に目をえぐられるような激しい痛みが起こる頭痛で
す。目の充血や涙、鼻水などを伴うこともあります。発症の原因はまだはっきりとして
いませんが、飲酒や喫煙、気圧の急激な変化などが誘因となると言われています。
予防・治療
群発期間には頭痛の誘因となる飲酒や喫煙を控えることが大切です。
治療薬として鎮痛薬はあまり効果がないことが多く、一番効果的な
対症療法としては「純酸素吸入法」があります。また、発作時の
治療薬としては、トリプタン系薬剤であるスマトリプタンの皮下注射が
勧められています。
このように、頭痛の原因や症状は種類によって様々で、予防法や治療もそれぞれ異なっ
てくるので、自分がどのタイプなのか把握しておくことがとても重要となってきます。
また、頭痛のタイプによっては重大な病気が隠れていることもあるので、
「いつもの頭痛
と違うな」と思ったり、気になることがあれば医療機関を受診するようにしましょう。
市販薬を含め、頭痛薬の飲みすぎによってかえって頭痛が悪化する場合もあります。
一度、医師や薬剤師にご相談を!!!
自分の頭痛のタイプを知り、
頭痛とうまく付き合っていきましょう!!