Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 南米 2015年4月10日 ブラジルレアルの最近の注目ポイントについて ブラジルレアルは下落傾向が続いていましたが、フィッチのブラジルの格付けに対するアウトルックの引き下げ直後 の市場でレアルは小幅な変動にとどまるなど、足元レアルの動向に安定化の兆しも見られます。 フィッチ:ブラジルの格付け見通しを「弱含み」 に引き下げたが 格付け会社フィッチ・レーティングス(フィッチ)は2015年4月9 日、ブラジルの自国通貨建て並びに外貨建て長期発行体デ フォルト格付けのアウトルック(見通し)を従来の安定的から 弱含み(ネガティブ)へと引き下げました。フィッチはアウト ルック引き下げの理由として、長期にわたる経済の低迷や マクロ経済の不均衡拡大、財政の悪化、政府債務の大幅な 増加を挙げています。なお引き下げは見通しのみで、格付 けはBBBに据え置いています。 どこに注目すべきか: アウトルック、財政改革、決算報告書 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:レアル(対米ドル)レートの推移 (日次、期間:2014年4月9日~2015年4月9日) 3.5 レアル/ドル 3.0 2.5 2.0 14年4月 安 レアル 高 ブラジルレアルは2015年年初から経済の低迷、財政の悪 化、格下げ懸念などを背景に下落傾向が続いていました (図表1参照)。しかし、フィッチのブラジルの格付けに対する アウトルックの引き下げにも関わらず9日のレアルは小幅な 変動にとどまるなど、次の理由から、足元レアルの動向には 安定化の兆しも見られます。 まず、フィッチがアウトルック引き下げの理由に示した項目 は確かにブラジルの経済や財政が困難なことを示していま す。例えば、ブラジルの経済成長率は2014年を通じて前年 比+0.1%とわずかで、2015年は同-1%とマイナス成長をフィッ チは予想しています。また、ブラジルの過去3年の平均成長 率1.5%はBBB格の国々の平均成長率3.2%を下回ります。た だし、これらのアウトルック引き下げの理由に目新しい情報 は見当たらず、市場ではすでに織り込まれていると思われ る内容と思われます。 また、引き下げの理由の中にルセフ政権が支持率低下と議 会の消極姿勢を理由に財政改革を進めるのは困難とありま す。実際、3月月初にはルセフ大統領が上程した緊縮財政 策の大統領令が(連立与党の一員が議長である)ブラジル 上院に否決されました。しかし、つい先日ルセフ大統領は連 立与党との関係修復に成功し、議会は財政緊縮策に協力を する方向です。また、ルセフ大統領は先日のインタビューで財 政改革を推進してきたレヴィ財務相をブラジルでもっとも大切 な人と形容するなど、(国民には不人気かもしれない)財政緊 縮政策を支持する考えを示しています。 さらに、別の格付け会社であるスタンダード&プアーズ(S&P) は2015年3月23日にブラジルの格付けをBBB-(マイナス)に据 え置くと共に、アウトルックを安定的とすることを発表していま す。レアル下落の要因のひとつであった格下げについて、少 なくとも2社においては目先の懸念は後退した格好です。 最後に格付け関連以外の理由では国営石油会社ペトロブラ スが4月20日までに監査済の年間決算報告書を発表する見 込みとする報道が注目されています。同社は不正献金問題に よって監査法人の認証を受けた決算報告書が発表できてい ないことが、ブラジル不安の一つの要因となっていました。こ のまま今月内に発表できなければテクニカルデフォルト(支払 能力はあるが契約違反によりデフォルトと認定)に陥る可能性 もあるだけに、報道が正しければレアルにとりプラス材料と見 られます。ただし、ペドロブラスの決算を巡る報道は過去2転、 3転しており、注意が必要です。 ブラジルの景気回復には時間がかかることが見込まれるなど 今後も困難な展開が想定されるものの、レアルを下支えする 要因にも注意を払う必要があると見ています。 14年7月 レアル(対ドル) 14年10月 15年1月 15年4月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 記載された銘柄はあくまでも参考として紹介したものであり、その銘柄・企 業の売買を推奨するものではありません。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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