投資のヒント - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

Column
ご参考資料
「投資のヒント」
2016年2月26日
※以下、ピムコジャパンリミテッド提供のレポートをご紹介します。
年初来のブラジルレアルの動向と今後の投資のポイント
 2016年以降、対円で主要通貨が下落する中、レアルは昨年に比べ落ち着きを取り戻しつつある
 2月に入り大手格付け機関が相次いで格下げを発表するも、既に一定程度の格下げを織り込んでいたことから
レアルへの影響は限定的に。政治面での不安要素は残存するものの、長期的な観点では割安感が強まる
 財政健全化を志向し中長期での回復を目指すブラジルに対しては、レアルの相対的に高いインカムを中長期
で積み上げる投資戦略が有効に
2016年に入り、落ち着きを取り戻しつつあるレアル相場
【2015年と2016年初来の主要通貨のリターン(対円)】
 対米ドルでの動きは落ち着きつつある。対円での落ち着きを期待。
• 2015年に対円で32.6%下落したブラジルレアル(以下、レアル)は新興
国通貨、資源国通貨の中で最も軟調に推移した通貨の一つ
• 2016年、中国景気や原油安への懸念から主要通貨が対円で下落す
る中、レアルも対円で年初来-8.3%に。但し、対米ドルでは-0.7%と相
場は落ち着きつつある状況
 大手格付け機関による追加的な格下げの相場への影響は限定的
• 足元では、2月17日にS&P社、24日にMoody’s社が同国を格下げ。
同国のソブリン格付けは大手格付け機関3社で投機的格付けに
0%
-10%
メキシコ
ペソ
-30%
-40%
2015年
2016年年初来
-32.6%
【2016年初来のブラジルレアルの推移(対円、対米ドル)】
102
100
対米ドル:
‐0.7%
98
S&P社格下げ
96
94
政策金利
据え置き
92
期間:(上図) 2014年12月末-2015年12月末、2015年12月末-2016年2月24日
(下図) 2015年12月末-2016年2月24日、2015年12月末を100として指数化
出所:ブルームバーグ
S&P社:スタンダード・プアーズ社、Moody’s社:ムーディーズ・インベスターズ社
レアルを取り巻く悪材料に昨年からの一段の悪化は見られず
90
88
12月31日
新資本注入策
の発表
2015年経常
財政収支目標改定
収支発表
新支出削減策
1月16日
2月1日
対円:‐8.3%
(2月24日)
Moody’s社
格下げ
2月17日
【レアルの主要な変動要因(国内)に関する状況の変化】
2016年現在
政治面
汚職問題など現政権の
安定性に対する懸念
• 格付け:既に一定程度の格下げを織り込み
昨年から続く大手格付け機関による格下げが一巡し、更なる格下げに
よるレアルへの影響は限定的となる可能性
• 当局による政策:政策の方向性は正しい
ルセフ政権が掲げる財政健全化とインフレ抑制は短期的な痛みは伴
うも、中長期での安定した経済成長のために必要な政策
円高を背景
とした下落
※2015年12月末を100として指数化
2015年
• 政治面:引き続き注視が必要
昨年は現政権の安定性に対する懸念が深刻化。汚職問題の捜査を
含め政治的な動向は構造改革の進捗を占う上でも注視が必要
インド
ルピー
豪ドル
-4.3%
-8.9%
-10.8%
-12.1%
-12.7% -10.8%
-14.4%
-17.6%
-8.3%
-20%
• 2月の同格下げの発表を受けたレアルへの影響は限定的に。昨年9
月上旬にS&P社が最初に同国を投機的格付けに格下げした段階で、
その後の一定程度の格下げを市場が織り込んだ可能性
 格下げ懸念は織り込みが進み、当面は財政健全化の国会審議が焦点
ロシア
ルーブル
ブラジル
レアル
政治的な動向には
引き続き注視が必要
格付け
投資非適格への
格下げ懸念
追加的な格下げは
織り込み済み
財政健全化、インフレ
抑制は正しい方向性
新財務相就任後も
政策の方向性は変わらず
 基礎的財政収支の目標:2016年の対GDP比での目標は、現状を
踏まえて従前の+0.5%の黒字から-1.0%の赤字へと調整
 新たな支出削減案:一方で、財政支出を234億レアル(約6,500億
円)削減する法案を議会に提出
当局の政策
出所:PIMCO 2016年2月24日時点
右図はイメージ図です。見通しおよび意見は予告なく変更される場合があります。
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基
づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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ご参考資料
長期的にはファンダメンタルズ対比で高まる割安感
 今後も無制限に下落を続けるリスクは限定的
(レアル)
1.5
• 2015年9月に対米ドルで最安値(1米ドル=4.2レアル)を更新した際、
中央銀行による為替介入および財務省による債券買戻し介入を実施
しレアル安を食い止めた実績があり、当面更なる下値余地は縮小と
見ることも可能
2.0
• 短期的には政治的な不透明性が足元のレアルの変動を高める可能
性は残るものの、当局が「財政健全化とインフレ抑制」を二本柱として
据え続ける姿勢は中長期的なレアル反発への素地に
3.5
【2000年以降のレアルの推移(対米ドル)】
過去の急速な
レアル安局面
(2002-3年)
足元の急速な
レアル安局面
(2013-15年)
2.5
ルラ大統領就任後
政策への信認を
背景に回復
3.0
当局が協調介入を実施した最安値
(1米ドル=4.2レアル)
4.0
4.5
*2月24日時点 期間:1999年12月末~2016年2月24日
出所:ブルームバーグ
99年
05年
08年
11年
14年
【債務比率と外貨準備高の過去のレアル下落時との比較】
 2002-3年当時と比べ、ファンダメンタルズは大きく改善
• ファンダメンタルズの改善も考慮すれば、足元の水準は割安とも見え
る
02年
1米ドル
=3.99
レアル*
(2月24日)
連邦政府債務比率(対GDP)
(%)
65
債務返済能力:
債務比率は過去のレアル安局面の約6割に抑えつつ、外貨準備高
は9倍に。支払い能力は依然高い状態
55
経済指標:
GDP(国内総生産)は3.1兆レアルと当時の約1.5倍に。
失業率も足元で上昇傾向はあるものの当時の半分以下に
35
外貨準備高
(億米ドル)
4,000
59.8%
3,000
外貨準備高は
約9倍増加
債務比率は
約4割減少 2,000
36.0%
1,000
45
25
3,565億米ドル
378億米ドル
0
2002年
2015年
2002年
2015年
2015年12月末時点
出所:ブルームバーグ、Haver、ブラジル中央銀行
貿易黒字への転換から経常赤字が縮小
【ブラジルの経常収支と貿易収支の推移】
(2010年以降、対GDP比)
 2015年は貿易黒字へと転換し、経常赤字も縮小
• 2015年、同国の貿易収支は2014年の赤字から黒字へと転換。
経常収支は対GDP比で-3.3%と前年の同-4.3%から約1%縮小
• これまでのレアル安の進行により貿易収支の回復を通じた景気への
調節機能が働き始めており、中長期的な観点ではブラジル経済を下
支えする変化が起きつつあるものと見られる
経常収支
貿易収支
貿易黒字に転換し
経常赤字も縮小へ
2.0%
資金流入
1.0%
0.0%
-1.0%
期間:2010年-2015年
出所:ブラジル中央銀行、Haver
-2.0%
資金流出
-3.0%
-4.0%
-5.0%
10年
11年
12年
13年
14年
15年
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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ご参考資料
コラム:レアルを活用した中長期投資の有効性
相対的に高いインカム(金利収入)の中長期的な積み上げが収益の土台に
• 米国ハイイールド債などの高金利債券にレアルを組み合わせることにより、足元の利回りは約20%*に(インデックスベース)
• インカムは常にプラスという特性から、中長期では着実に積み上がったインカムが総合収益の土台に
• 一方で、海外債券への投資には債券価格や為替の変動リスクが伴うものの、中長期では総合収益に対する影響は小さくなる傾向
• レアルの相対的に高い利回りがインカムの積み上げを加速させることを鑑みると、インカムを主軸とした中長期の投資がより有効
【(ご参考)レアルを活用した米国ハイイールド債投資の要因分解】
(インデックスベース、円ベース)
(%)
インカムの積み上げが
総合収益の土台に
400
350
300
総合収益:213%
250
レアル投資による
金利収入:109%
200
150
100
インカム
50
米国ハイイールド債への
投資による金利収入:132%
米国ハイイールド債への
投資による損益:-17%
0
-50
04年12月
06年12月
08年12月
10年12月
12年12月
14年12月
為替損益:-22%
*2016年2月24日時点
期間:2004年12月末~2016年1月末
出所:BofAメリルリンチ、JPモルガン、ブルームバーグ
米国ハイイールド債券はBofAメリルリンチ 米国ハイイールドBB-Bインデックス、レアルの為替取引プレミアムは
JPモルガン・ELMIプラス・ブラジルサブインデックスと米ドルの短期金利(1ヶ月 Libor)を使用
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 当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる
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