Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 南米 2016年6月29日 ブラジル、タカが物価報告書、されど ブラジル中銀の四半期物価報告書は、英国の国民投票後に新興国から公表されたという点で注目しました。報告書 がタカ派的内容であったためレアルが上昇しました。パニック的とも言える市場環境下、冷静な反応が見られました。 ブラジル四半期物価報告:レアル反発、英国 民投票前の水準回復、中銀の物価方針受け ブラジル中央銀行は2016年6月28日、6月の四半期物価報 告書をゴールドファイン新総裁の下で発表しました。ゴールド ファイン総裁は2017年インフレ率を4.5%に引き下げる意向を 表明し、物価目標レンジ(2.5~6.5%)の中央に鈍化させる方 針を強調し、今後の物価政策の運営目標が単なる6.5%未満 の達成ではないことを表明、新総裁は利下げに消極的との 見方が台頭しました。その様な事情もあり、28日のブラジル・ レアル(対ドル)は23日の終値よりレアル高となり、英国民投 票後の下げを解消する動きとなりました(図表1参照)。 予想外の結果となった英国の欧州連合(EU)からの離脱を 問う国民投票後に新興国から公表されたという点でブラジ ル中銀の四半期物価報告書に注目しました。報告書が公表 された28日の市場はブラジルに限らず世界的に売り一服と なった点は割り引く必要はありますが、市場が報告書に反 応するという冷静な面が見られたことは注目されます。 まず、ブラジルの6月物価報告書の要点を述べると、最も印 象的だったのはゴールドファイン総裁が公表後の記者会見 で、2017年末にインフレ率を前年比4.5%以内に抑制するとい う目標の堅持を強調したことです。一方、今回の物価報告書 の中で、2017年末のインフレ率は前年比4.7%までしか低下し ないとの予測が示されていること(図表2参照)、また2016年 のインフレ率予想は6.9%と前回3月時点の予想である6.6%か ら引き上げられています。つまり目先のインフレ率は物価目 標を上回ることが懸念される上、来年のインフレ率低下も新 総裁には不十分と映るなど今回の物価報告書は会見も含 めタカ派(金融引き締めを選好する傾向)的であったと見て います。ブラジルの金融政策に対し市場では年後半の利下 げが見込まれていただけに、物価報告書の公表を受け市場 の予想利下げ開始時期が後ろ倒しになる可能性もあります。 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:ブラジルレアル(対ドル)レートと政策金利 (日次、期間:2015年6月29日~2016年6月28日) 4.2 高 レアル 安 どこに注目すべきか: 四半期物価報告書、物価目標、政策金利 ただし、物価報告書では英国の国民投票の結果を十分に織り 込んでいない可能性に注意は必要です。 もう一つの注目点はレアルがブラジル中銀のタカ派トーンに素 直に反応したことです。ブラジルだけではありません。インドネ シアでは28日にアムネスティ(租税特赦)法が可決、歳入増加 の期待が高まったことで通貨ルピアが上昇しました。昨日の市 場はたまたま落ち着いてため反応しやすかった面はあるもの の、予想外の英国国民投票の結果で市場はパニック状態とも 見られていますが、意外と冷静な動きも見られます。 英国のEU離脱は様々な憶測から新興国への影響も懸念され ていますが、冷静に経済を分析することが大切と見ています。 レアル/ドル % 14.50 14.25 3.8 14.00 3.4 レアル(対ドル、左軸) 政策金利(右軸) 3.0 15年6月 15年9月 15年12月 13.75 16年3月 13.50 16年6月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 図表2:ブラジル中銀の予想インフレ率(年率) (時点:2016年3月(左)、2016年6月(右)の予想、2018年は1-3月期) 7 % 6.6 6 5 6.9 物価目標上限=6.5% 物価目標中心=4.5% 2016年3月予想 4.9 2016年6月予想 4.5 4.4 4.7 4 3 2016年 2017年 2018年 出所:ブラジル中央銀行のデータを使用してピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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