H27年度 大学センター試験 数学ⅠA;pdf

H27年度
第1問
大学センター試験 数学ⅠA
2 次関数
平方完成で頂点を求めさせ,頂点の位置により最大値と最小値の値及びその時のxの値が変わる 2 次関数を扱
い,2 次不等式の問題につなぐという,例年通りのパターン。とはいえ、これまでよりも問題量は少なくなって
いる。
第2問
命題,三角比
命題は,対偶や否定がきちんとわかっていれば解ける。が,落ち着いて問題を読まないと混乱する恐れがあるの
で慣れが必要。
三角比は,正弦定理・余弦定理を用いるスタンダードなものと思いきや,線分の長さの取りうる範囲を求めさせ
るという,これまでの三角比の問題にはなかったタイプのものも出題。なお,例年のような数学 A の平面図形と
の混合問題にはなっていない。
(後述するように,第四問に独立したので)
第3問
データの処理
一番の変更点はここだろう。新学習指導要領により新しく数学Ⅰで扱うことになった,データの処理の問題。難
しくはないが,
「記録が下がる」=「階級が下がる」では必ずしもないということには気を付けなければいけな
い。相関係数を求める問題も出たが,標準偏差及び共分散がすでに与えられており,計算機を使わないと厳しい
ような複雑な計算は要さず解けるようになっていると見える。
第4問
確率・整数・平面図形から2題選択
確率は,落ち着いて数え上げれば問題ないであろう。最後の問題では,それまで求めてきた確率と新たに求める
確率との和を求め,余事象の考え方より1からその和を引く,というおお馴染の計算が見られた。整数も,今年
度から初めて取り入れられた内容である。1 次不定方程式を解き方をきちんと理解していれば解ける問題であっ
た。平面図形では,メネラウスの定理や法べきの定理,円周角の定理や相似,重心といった基本事項がふんだん
にちりばめられている。
全体を通して
新学習指導要領により扱う範囲が広くなったが,出題の傾向は大体いつも通りである。難易度もさほど高くない。
初出題のデータの処理,整数も解きやすい問題になっている。これまで第一問で出題傾向にあった,1 次不等式
や平方根の計算などの計算問題の分野は出題されなかった。