こっそり公表済みの追試験問題 ■ 新課程センター試験として注目された 2015 年の本試験だが 追試験がいつ発表されるのか,ずっと待っていた.本試験と 追試験 2 つを並べてみれば,新課程の問題構成などがほぼ確 定的に判明するからである. ■ 大学入試センターの HP の What' New(更新情報)を毎週く らいチェックしていたが,なかなか公表がない. と思っていたら,ある方から「公表されていますよ」とい う情報を得た. 「What' New への掲載もないまま,4 月もしく は 5 月頃にこっそり up されていた」ようなのである. 最近は,トップ>過去のデータ>過去 3 年間分の試験問題 で閲覧できるが,しばらく前まではもっと分かりづらいとこ ろにあったような気がする(勘違いかも知れない) . ■ 追試験問題の公表についてはこれまでも,非公表だったり 問題を入手しても問題集などへの掲載は一定期間禁じられて いたりとか,大学入試センターの意図がよく分からない. ■ さて,この追試験によって,IA の出題構成と,配点が次の ようにほぼ確定したといってよかろう. 項 目 配点 第 1 問 2 次関数+方程式・不等式 20 点 第 2 問 論理+三角比 25 点 必答問題 第 3 問 データの分析 15 点 第 4 問 順列組合せ・確率 20 点 3 題から 第 5 問 整数の性質 20 点 2 題を選択解答 第 6 問 図形の性質 20 点 データの分析のウエイトが(10 点程度ではないかという)大 方の予想よりも高いことになった(ページ数も 4 ページ) . ■ ザッと解いてみたなかで興味を引いた設問は次の通り. ○数学 IA: 第 3 問の「データの分析」における散布図の読み取りで, 「回 帰直線」的な内容(といって良いかな?)が出題されていて, 図のような散布図(青 と緑の線は私が適当 に描いたもの)で,回 帰直線が 300 万台で 変わる傾向があるこ とを読みとらせるこ とになっている. 第 4 問の「確率」は樹 形図をかけば一発で ある. 第 6 問の「図形の性 質」の最後に,興味深い図形が出題されている(一般に△CEF の内心は,△ABC の内接円上にある?) . ○数学 IIB: 第 1 問〔1〕の指数・対数の問題は誘導がうざったいだけだが, 2 ページにわたる分量である. 〔2〕の図形と方程式の問題は円 の極線を知っていると少し簡単に解ける. 第 3 問の数列の問題は, 1 40, 1 | 4 | 2 という 仰天の漸化式である.なお,(2)で階差数列の から を求 める部分で,出題者の工夫があって面白い.とは言え,後半 の指数は誘導で与えられているから埋めていくだけだが,な ければ容易ではない. 第 5 問(1)の期待値の問題は,期待値をどう使うと良いかを指 し示す面白い設問になっている.(2)は本試と同じく正規分布 表が与えられていて,それを用いて答える内容である. 2015 年 7 月 15 日
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