初任者研修を終えて 国語科 石黒結花子

初任者研修を終えて
国語科
1
石黒結花子
はじめに
4月に湯沢高校に赴任し、1年間初任者として校内外の研修に取り組んできた。その中
で教科研修・一般研修・外部研修の3つの分野からこれまで学び身につけてきたことを述
べていきたい。
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教科研修
校内研修では指導教官の後藤理子先生より、教材研究を始めとした授業の進め方を中心
にご指導していただいてきた。最初の頃は50分間授業をすることが精一杯だった。そし
て「教材の中の事柄をすべて確認しなくてはならない」という思いにとらわれてしまい、
思うように授業ができなかった。しかし、内容を精選して授業を進めることを教えていた
だき理解できるようになってきたことで、ようやく授業のリズムをつかめてきた。今後は
これまで以上に教材研究を豊かにして授業づくりに励んでいきたい。
また授業の空き時間には国語科の先生方を中心として、他学年・他教科の先生方の授業
を参観させていただいた。自分が普段授業をしている2年生が1年生時にどのような学習
をしてきたのか、3年生時にはどのような点に留意して授業をしていくのか、3年間の見
通しをもつことができた。国語科の先生方から基礎的な授業の仕方を学んだのはもちろん
のこと、他教科の先生方の授業からは特に言語活動の面での指導法を学んだ。教科の枠組
みを超えた発想・授業の手立てを様々取り入れて、常にわかりやすい授業ができるように
挑戦していきたい。
センターでの授業研修では、主に指導主事の講義を受け演習に取り組んだ。特に由利高
等学校を訪問し教育専門監の授業を参観させていただいたり、初任者どうしで模擬授業を
行ったりする実践的な研修を行ったことが印象深い。またICTを用いた授業実践やアク
ティブラーニングの授業実践など、近年求められている言語能力の育成に関わる指導法を
多く学ぶことができた。しかし、あくまでも学んできた指導法は理論的なものである。単
元の内容と生徒の実態をよく捉えて組み合わせることを忘れずに実践していきたい。
これまでは先生方から教えていただくことが中心であった。今後は自分で情報を求めて
よりよい授業を目指して努力していきたい。
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一般研修
一般研修全体を通して強く感じるのは、生徒の実態と現在の状況をいかによく捉えるか
が重要だということである。校内研修で各校務分掌の業務内容について学んできた中で、
その思いを強くしたのは生徒の健康管理や学校安全に関わる研修である。生徒の学習を支
え る 役 割 の 中 で も 、生 徒 の 安 全 や 命 を 守 る こ と は 非 常 に 重 い 責 任 を 必 要 と す る も の で あ る 。
5月に稲川分校を訪問する機会をいただいたことで、本校と分校での取り組みの共通点・
相違点について考えることができた。この研修によって生徒の様子を広い視野を持って把
握する力が身に付けられた。常に生徒の立場に立って生徒が学習しやすい学校づくりを進
めていくこと、校務分掌はその役割の一つを担うことなのだということを学んだ。自分に
与えられた業務に責任をもって取り組んでいきたい。
ま た 教 員 と し て の 心 構 え に つ い て 触 れ る 講 話・講 義 が 多 く あ っ た の も 印 象 に 残 っ て い る 。
生徒に教えることにとらわれすぎず、生徒の姿から自分自身を磨いていくことを大切にし
たい。そして今後も生徒と学び合う姿勢を持ち続けたい。
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外部研修
学校やセンターを離れ、外部の施設・学校を訪問して行われる研修にも取り組んだ。岩
城少年自然の家でのPA研修と秋田北高校での授業研修Cが特に印象に残っている。PA
研修では実際に自分1人の努力だけでは成功できない課題に取り組むことで、教員同士の
コミュニケーションや役割分担が欠かせないことがよく理解できた。また授業研修Cでは
TTの授業を経験させていただいた。一緒にTTを組んだ先生と互いに業務があり事前の
打ち合わせや準備を進めることの難しさを感じながらも、1つの授業を実践したという達
成感を味わうことができた。これらの研修において、周囲の先生方と協力して物事を成し
遂げることの大切さを改めて学んだことは、今後の教員生活に十分活かすことのできる貴
重な経験であった。
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まとめ
初めてのことに戸惑うばかりの毎日だったが、ようやく日々の授業にも分掌業務にも慣
れ始めてきた。この1年間は毎日が精一杯だったため、あっという間に過ぎてしまったよ
うに感じる。校内外の研修を通し、教師としての責任の重さを実感できたのと同時に、教
師の本当のおもしろさや魅力について理解できる1年であった。指導教官の後藤理子先生
をはじめご指導してくださった多くの先生方に心より感謝を申し上げたい。来年度も引き
続き授業力等、教師としての素養を高めるために努力を重ねていきたい。