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「高齢社会における地域包括ケアシステムの構築に向けての取組」
厚生労働省老健局振興課
地域包括ケア推進官 髙橋
都子
団塊の世代の方々が 75 歳以上となる 2025 年(平成 37 年)に向けて、高齢者の
尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自
分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステ
ムの構築を目指す必要があります。
2014 年(平成 26 年)6 月に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確
保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(医療介護総合確保推進法)
においては、
「地域包括ケアシステム」について「地域の実情に応じて、高齢者が、
可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むこ
とができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となる
ことの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をい
う。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」と明確に
定義され、いよいよ具体的に取組を進める段階に移りました。
地域の実情は、高齢化の進捗状況をとっても、人口が横ばいで 75 歳以上人口が
急増する大都市部もあれば、75 歳以上人口の増加は緩やかですが人口は減少する
市町村部もあり、地域によってさまざまです。地域包括ケアシステムは、保険者
である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じ
て作り上げていくことが必要です。
2015 年(平成 25 年)3 月の「地域包括ケア研究会」では、地域包括ケアシステ
ムの 5 つの構成要素として、「介護・リハビリテーション」「医療・看護」「保健・
予防」「福祉・生活支援」「住まいと住まい方」を掲げています。
これらの構成要素は、各々の役割に基づいて、連携しながら在宅の生活を支える
こと、また、本人が選択した結果、生活が成り立っているという点が重要です。
この関係性を、植木鉢の図として表しています。
この中で、専門職によるサービスとしては「介護・リハビリテーション」
「医療・
看護」と一緒に「保健・予防」があげられています。
地域の住民が、歳を重ねても、可能な限り自立した日常生活を営むためには、年
齢に関係なく、疾病の発症や重症化の予防、虚弱の高齢者の要介護状態になるこ
との予防等により、個人が持っている心身機能、生活機能をできるだけ維持して
いくことが必要です。
そのためには、必要に応じて、潜在的な課題も含めた各個人の抱える課題に対し
て、適切なケアマネジメントを行った上で「介護・リハビリテーション」「医療・
看護」
「保健・予防」が組み合わされて一体的なサービスとして提供されることが
求められます。
更に「予防」については、生活機能の低下した高齢者に対して、
「心身機能」
「活
動」
「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり、リハ
ビリテーション専門職等を積極的に活用するとともに、保健・医療・福祉の専門
職のみならず、本人や家族、近隣の住民も含めて地域全体で取り組んでいくこと
が期待されます。