平成 25 年度 家庭用品規制基準調査 亜リン酸エステル系老化

平成 25 年度 家庭用品規制基準調査
亜リン酸エステル系老化防止剤の細胞毒性試験
国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部 伊佐間和郎、河上強志、五十嵐良明
-------------------------------------------------------------------------------概要
プラスチック製品等の老化防止剤(酸化防止剤)として使用されている亜リン酸
エステル類 7 化合物の細胞毒性を、ISO 10993-5:2009; Biological evaluation ofmedical
devices — Part 5: Tests for in vitro cytotoxicity に準じたコロニー形成法を用いて評価し
た。陽性対照物質の細胞毒性強度との比較に基づいて、試験物質の細胞毒性強度を分類し
たところ、亜リン酸トリ-p-トリル及び亜リン酸トリクレジルの細胞毒性強度は Moderate
に分類され、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸 2-エチルヘキシルジフェニル及び亜リン酸
トリス(2-エチルヘキシル)の細胞毒性強度は Mild に分類された。また、トリチオ亜リン
酸トリラウリル及び亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)の細胞毒性強度は
None/Slight に分類された。細胞毒性強度が Moderate 及び Mild に分類された 5 化合物
はいずれも中程度の皮膚感作性も有しているため、これらの化合物が皮膚に直接接触する
家庭用品等に使用された場合には、刺激性及び感作性接触皮膚炎を引き起こす懸念がある。
-------------------------------------------------------------------------------学会発表
伊佐間和郎・河上強志・小濱とも子・五十嵐良明:亜リン酸エステル系酸化防止剤の細胞
毒性と皮膚感作性, 第 51 回全国衛生化学技術協議会年会(2014.11, 別府)