Moderate 地球温暖化対策・省エネルギー対策 - 昭和シェル石油

地球温暖化対策・省エネルギー対策
1992年に開催された地球サミットを機に、地球温暖化問題に
対して世界的に関心が高まってきました。1997年の第3回地球
温暖化防止条約締約国会議(COP3)、いわゆる「京都会議」で
は温室効果ガス排出削減に向けた様々な施設や具体的な数値
目標として、日本は2008年から2012年までに1990年比で6%削
減が設定されました。またその後の締約国会議でも具体的な取
り決めの合意に向けた議論が続けられ2001年にモロッコのマ
ラケシュで開催されたCOP7では京都議定書の発行に向けた
合意が行われました。
地球温暖化の原因といわれている温室効果ガスのうちの大
部分は二酸化炭素であり、二酸化炭素排出のほとんどはいわゆ
る化石燃料の消費によるものです。すなわち、地球温暖化問題
への取り組みは、そのまま省エネルギー対策となるわけです。
日本国内ではすでに1973年のオイルショックをきっかけとして
省エネルギー対策が推進され、当社を含めて石油業界でもそ
のための設備改善等が実施されてきましたが、当社では97年に
策定された「石油業界の地球環境保全自主行動計画」に呼応す
るプログラムを作成し、具体的な期限や目標値を設定して新た
な姿勢でこの問題に取り組んでいます。
製油所部門における取り組み
■グループ製油所におけるエネルギー消費
原単位及びCO2排出量の推移
製油所では原油の精製過程でエネルギーを
消費し、温室効果ガスとなるCO2等を放出しま
CO2排出量
(千トン/年)
エネルギー消費原単位(当社グループ)
エネルギー消費原単位(業界全体)
7,000
12.0
6,000
10.0
5,000
8.0
4,000
6.0
3,000
4.0
す。したがって、私たちは経済効果ばかりではな
く、地球環境の保全という観点からも、より効率
的な石油精製設備の構築を目指して継続的な努
力を行っています。
昭和シェル石油グループの各製油所では、高
効率機器類の導入、廃熱回収設備の導入、省エ
ネルギー運転支援システムの導入など、エネル
ギー効率の一層の改善に毎年努めております。
エネルギー消費原単位については順調な削減
が進んでおり、2010年までに1990年対比で10%
減を目標としており、達成の見込みになってい
ます。
しかしながら、製品の環境負荷低減への対応
として、低硫黄化のための脱硫装置やガソリン
の低ベンゼン化装置の稼働など、製油所の装置
構成が高度化したために、むしろ全体のエネル
ギー使用量ならびにCO2発生量は増加の傾向に
あります。
4
Moderate
2,000
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02
2.0
エネルギー消費原単位
製油所における精製装置の通油量(千kl)当た
りのエネルギー使用量(燃料油、燃料ガス、電
力を原油換算klで表したもの)
。エネルギーの使
用効率を表し、数値が小さいほど高効率となる。
製品輸送部門における取り組み
石油製品は各製油所から油槽所へ送られ、さ
さらに昭和シェル石油では、以前より最新の
らにそこから各地の給油所や工場などへ輸送さ
SVS(昭和シェル石油ローリー自動配車システ
れます。輸送にあたってはもっぱらタンクローリ
ム)
を構築し、早くからコンピュータ管理の計画
ーが使われますが、製油所から油槽所への輸送
配送による輸送業務の効率化と物流コストの低
にはタンカーや鉄道も使われます。環境問題と
減をはかってきました。このシステムについて
の関連では、このタンカーやタンクローリー輸
は、適時見直しを繰り返しながらアップデートし
送に関わる燃料消費量の問題や、排気ガス、事
て、最適化データの信頼性の維持につとめてい
故による災害などの問題が考えられますが、昭
ます。この他にも昭和シェル石油では、油槽所
和シェル石油では、これらの問題の改善に関し
の統廃合による合理化を進める一方で、交通渋
ては、とにかく最も効率的な輸送体制・システ
滞による燃料消費量の増加を抑制し、稼働率を
ムの確立こそが急務という認識で取り組んでお
向上させるためにタンクローリーの夜間輸送や
り、燃料消費量については2010年までに、1990
日曜祝日配送を推進するなど、様々な見地から
年対比で9%の削減を目指しています。
効率性の向上に向けた取り組みを行っています。
効率化の第一歩としては、タンクローリーやタ
ンカーの大型化による大量輸送の実現がありま
す。昭和シェル石油ではタンクローリーについ
ては、大型車両(積載量20kl以上)の配送比率を
52%('95)
から69%('00)へ増やし、超大型車両
(積載量24kl以上)の台数も9輌('96)から64輌
('00)へと増加させてきましたが、2003年までに
はさらに大型車両配送比率を75%に、超大型車
輌台数を75輌へと増やしていく予定です。また、
海上輸送についても、安全運行に十分配慮しな
大型化による物流の効率化を進めるタンクローリー
がら、タンカーの大型化や海上輸送距離の短縮
などを一層推進していく予定です。
■SVSによるローリーの最短走行を算出
特約店
需要家
顧客
給油所
注文
受注センター
在庫
一般受注機能
計画配送機能
自動配車
走行実績情報
配車データ
地図情報
油槽所
ローリー
配車端末
Moderate
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