右側臥位アプローチが有用であった人工弁狭窄の一症例 浜田医療センター 小杉 晴香 臨床検査科 小林 妙子 金海 奈奈 喜連川 裕子 遠藤 竜也 中井 稔 <はじめに> 弁膜疾患において心エコー図検査は術前検査のみならず術後のフォローアップ でも重要な役割を果たす。しかし、術後において人工弁はアーチファクトの出 現により多断面での評価が必須となる。今回、大動脈弁置換術後の患者におい て右傍胸骨アプローチが人工弁狭窄検出に有用であった一症例を経験したので 報告する。 <症例>70 歳代男性 <既往歴>慢性心房細動(ワーファリン内服中)、リウマチ性多発筋痛(プレド ニン内服中) <現病歴>11 年前に大動脈弁置換術(詳細不明)を施行、その後近医にてフォ ローしていた。一ヶ月前より労作時の胸苦を自覚するようになり当院紹介受診 となった。 <経胸壁心エコー所見>人工弁は生体弁で弁尖の肥厚を認めた。全体的に弁の 可動性低下を認め、特に前方側(RCC 側)の可動性低下が顕著であった。心尖 部アプローチで大動脈弁通過血流速度は.1.7−2.5m/s であったが、弁の視覚的印 象と乖離するため右側臥位アプローチで計測すると最大 5.3-6.5m/s であった。 <手術所見>心臓周囲は癒着があり、特に大動脈弁周囲は癒着が顕著であった。 大動脈弁位の生体弁には疣腫が付着しており、疣腫が原因で狭窄を来していた。 その後、人工弁に付着した疣腫の細菌培養により Abiotrophia defetiva が検出され た。 <考察>人工弁狭窄について右側臥位によるアプローチ経胸壁心エコー図検査 で指摘出来た。大動脈弁位の人工弁において心尖部アプローチのみでは限界が あり、そのような症例では積極的に右側臥位アプローチによる大動脈弁通過血 流速度の評価が必要と思われる。 <結語>大動脈弁位の人工弁置換術後患者では右傍胸骨アプローチによる大動 脈弁通過血流速度計測は必要と思われる。 経胸壁心 弁膜疾患 心 後 検査 術前検査 人工弁 出現等 流速 多断面 大 経胸壁心 大動脈弁置換術後 患者 有用 計測 術後 評価 必須 今回 我 ) 大動脈弁位通過血流速度 心尖部 術 重要 役割 果 画像 (右側臥位 計測 上 人工弁狭窄 疑 所見 右側臥位 一症例 経験 Max velocity 5.3 報告 6.5 m/s ACT 132 189msec DVI 0.001 0.0012 症例 症例 70歳代 男性 経食道心 既往歴 慢性心房細動( 内服中) 性多発筋痛症( 所見 Severe AS AVA 0.33cm2 planimetry 左室流出路径 16mm 狭小弁輪 内服中) LAA 内血流速 10~17cm/sec 低下 理学的所見 Moderate MR 脈拍 123bpm 血圧 83/40 Hg 体温36.5 収縮期雑音 聴取 Levine Mild TR / 現病歴 11年前 大動脈弁置換術 詳細不明 施行 後近医 1 月前 労作時 胸苦 自覚 当院紹介受診 大動脈弁位人工弁 画像 左 短軸像 右 拡大像 血液検査 術中所見 術式 大動脈弁置換術 心臓周囲 癒着 第一病日 大動脈周囲 特 強固 生体弁 疣腫 大量 付着 心電図所見 細菌検査 提出 人工弁狭窄 陽性球菌 Fig1 報告 Fig2 細菌性心内膜炎 人工弁 付着 人工弁狭窄 疣腫 第一病日 経胸壁心 LVDd 44mm LVDs 37mm LVEF 33% (diffuse hypokinesis) FS 15% Fig2. 疣腫 Fig1. 大動脈弁 術中写真 所見 None AR (Prosthetic Aortic Valve) Mild MR ° Mild TR ° 染色 考察 本症例 大動脈弁位 置換 部 計測 人工弁 血流速度(5.3 6.5m/s) 乖離 認 TR-PG=38mmHg 工弁 起因 IVC 21mm resp change - 価 際 心尖 血流速度(1.7 2.5m/s) 右側臥位 計測 原因 人 人工弁 通過血流速度 評 多方面 限 部位 間 障害物 得 重要 人工弁置換術後 特 大動脈弁置換術症例 右側臥位 窄 早期発見 有用 思 除去 計測 人工弁狭 結語 Leftparasternalview(LongAxis) Leftparasternalview(ShortAxis) 大動脈弁位人工弁置換術後 患者 右側臥位 大動脈弁通過血流速度計測 可能 限 計測 必要 思 通過血流 偏在 Apicalapproach Leftparasternalview(ShortAxis) National Hospital Organization Hamada Medical Center
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