平成 25 年度 家庭用品規制基準調査 トリフェニル錫化合物及び

平成 25 年度 家庭用品規制基準調査
トリフェニル錫化合物及びトリブチル錫化合物のハザード調査及び海外法規制に関する調
査
国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部 伊佐間和郎、河上強志、五十嵐良明
-------------------------------------------------------------------------------概要
「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」に基づいて、繊維製品のうち、お
しめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした、
家庭用接着剤、家庭用塗料、家庭用ワツクス並びにくつ墨及びくつクリームを対象として、
トリフェニル錫化合物及びトリブチル錫化合物に関する基準が定められている。現行の基
準では、試料を抽出、精製及び灰化した後、フレームレス原子吸光法により錫由来の吸収
を認めてはならないとされている。そして、吸収が認められたときは、薄層クロマトグラ
フ法によりその吸収がトリフェニル錫化合物又はトリブチル錫化合物によるものであるこ
とを確認しなければならない。このように現行の基準では、トリフェニル錫化合物及びト
リブチル錫化合物を対象家庭用品に使用させないという観点から、具体的な基準の値(濃
度)が明示されていない。一方、現在改正が検討されているガスクロマトグラフ質量分析
法は、一般にフレームレス原子吸光法及び薄層クロマトグラフ法より低濃度のトリフェニ
ル錫化合物及びトリブチル錫化合物を検出することが可能である。また、家庭用品に含ま
れる有害物質の基準値は、リスク評価の結果に基づいて設定されるべきものである。そこ
で、トリフェニル錫化合物及びトリブチル錫化合物のリスク評価に資するため、当該化合
物のハザードに関する調査を実施した。さらに、基準値を設定するにあたり、海外におけ
る当該化合物の法規制との整合を図ることが望ましいことから、当該化合物の海外におけ
る法規制に関する調査を実施した。