2015 年度 慶應義塾大学 理工学部 (化学) 全体概況 試験時間 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数: ○ 難化 3題 ○ やや難化 解答数: ● 変化なし 問題の分量(対昨年) ○ 多い ● 変化なし 出題分野の変化 ○ あり ● なし 出題形式の変化 ○ あり ● なし 新傾向の問題 ○ あり ● なし 2科目 120分 35問 ○ やや易化 ○ 易化 ○ 少ない 総評 大問数は昨年と同じであるが,解答数は1問増加した。計算問題も12問から15問と増加したが, 例年通りのやや煩雑なものと比較的容易に計算できるものも含まれていたので,全体として分量は昨年 並みである。有機化学がやや難しく,大問2の(ク)や(コ)のように目新しくややわかりにくい問題 が出題されたがその他は典型的な問題が多く,難易度も昨年並みである。出題分野も例年通り,理論無 機分野から2題,有機分野から1題であったが,ここ数年,出題頻度の高かった「反応速度と平衡に関 する問題」が,昨年と同じく出題されなかった。 第1問は,アルミニウムの製錬法と COD の測定に関する問題で,本学を受験する生徒であればほぼ 確実に解けてほしい問題である。第2問は,実在気体,結晶格子,熱化学に関する問題で,典型的な問 題がほとんどであった。ただし,結晶表面の原子の配位数やその表面で進む触媒反応の反応速度につい ての設問は,目新しく,ややわかりにくかったと思われる。第3問は,油脂の構造決定とトリペプチド のアミノ酸配列の決定問題で,どちらもヒントが少なくややわかりにくい記述であったので難しかっ た。また,アミノ酸の構造式を正確に覚えていない受験生も多かったと思われる。 本学では,やや難易度の高い典型的な問題や基礎的知識をベースとした応用力や思考力を問う問題が 出題される。また,計算量も多く,やや煩雑なものもあるので注意してほしい。合格するためには,標 準からやや難易度の高い典型的な問題演習をしっかり積んで,確実に得点できるようにしてほしい。こ のときに,煩雑な計算であっても必ず実際に自分で行い,素早く正確にできる力もつけてほしい。有機 化学の構造決定は,やや難しい問題がよく出題されるので,構造決定問題の演習を十分積んでほしい。 また,天然高分子や合成高分子の知識もしっかり身に付けてほしい。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School
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