2015 年度 慶應義塾大学 文学部(世界史) 全体概況

2015 年度
慶應義塾大学
文学部(世界史)
全体概況
試験時間 60 分
大問数・解答数
難易度の変化(対昨年)
大問数:4題
○ 難化
○ やや難化
解答数:50 問
○ 変化なし
問題の分量(対昨年)
○ 多い
● 変化なし
出題分野の変化
○ あり
● なし
出題形式の変化
○ あり
● なし
新傾向の問題
● あり
○ なし
● やや易化
○ 易化
○ 少ない
総評
分量は、例年と同様に大問4題・解答数50個であった。また、昨年度はそれまでの、すべてが語句の
記述問題という形式が変化し文章選択型の正誤判定問題を5題出題していたが、今年度も50個のうち45
題が語句や数字の記述問題、5題が選択形式の問題であった。ここ数年、語句の記述問題を主体としつ
つ、年度によっては一部で多様な選択型の問題を配合する傾向にあり、今後ともその動向には注意を払
いたい。
出題範囲は例年通り、バランス良く幅広い時代と地域から出題されている。西洋史・東洋史が2題ず
つ出されたが、これはここ数年続いているパターンである。また、1つの大問で幅広い時代にまたがっ
て出題することが多い点も例年通りであるが、昨年度は姿を消していた第二次世界大戦後の現代史も出
題されている。一方、昨年度はごく少数だった文化史の問題が今年度はかなり増加した。例年、文化史
は多数が出題されるのが恒例であり、もとの傾向に戻ったと見るべきであろう。その中で、大問Ⅲでは
阿倍仲麻呂と王維を扱う問題が出されたが、これはむしろ日本史的な内容であり、新課程の内容の影響
が見られる。地図問題は従来通り出題されなかった。
難易度については、ここ3年増加していた非常に細かい語句の記述問題が減少し、また選択型の問題
が正誤判定問題ではなくなったため、やや低下した。ただし、従来の教科書だと1~2件しか記載例が
ない(山川の用語集の①~②レベル)語句を求める問題も少数は出されている。その一方で、リード文
や問題文を精読し、文脈からヒントをうまく読み取ることで解ける、読解力・思考力を要求する問題も
例年通り多く出題されている。得点差はここで大きくつくと思われるため、受験生側の対策としては、
因果関係・流れを重視した学習を基盤とすることが重要である。その上で、リード文や問題文のヒント
を見逃さないよう心がけたい。
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