96《新鮮なものを、時々、自分のポケットに差し入れたい》

平塚中等教育学校
校長室の窓から
2015年(平成27年)2月23日
vol.96
平塚中等は、2月24日(火)から27日(金)の間、第5回定期試験(後期末)が行われる。ちなみに、1年生の試験実施科
目は、実施順に、社会、音楽、技術・家庭、数学、国語、英語、美術、理科、保健体育と、全教科勢揃いだ。苦し紛れに、
『なぜ、テストがあるんだろう!』と自問する生徒もいるかと思う。校長は、今までの教員人生で、
「テストのない学校に
してみたい」と思うことが度々あった。その都度、生徒の様子を見返すたびに、その理想?には中々たどり着かない。
)
典や参考引用文献の正体を掴み、出題者が感じ取っ
平成27年1月17・18日、大学入試センター試験
ていること、出題者の意図やねらいを自分なりにし
(
が実施された。
っかりと受け止める、そんな勉強もあると思う。
『そ
学校の定期試験では、一般的にはその時までの学
ういうことだったのか!』っと、納得できる水準に
習範囲から出題され、試験範囲は事前に分かってい
まで到達できればたいしたものだ。ただし、出典に
る。ところが、模擬試験や入試問題では、見たこと
辿り着くことだけが目的ではないので、多くの時間
のない問題が出題され、問題の出典が明示されてい
を無駄に出来ないことは肝に銘じておきたい。
る場合が多い。例えば、今回のセンター試験(国語)
では、1評論
佐々木敦『未知との遭遇』
、2小説 小
池昌代『石を愛でる人』、3古文『夢の通い路物語』
、
4漢文 程敏政『篁墩文集』とある。学校の授業で教
科書から学んだものがずばり出題されることもなく
はないが、作問者も研究しており、受験生がなかな
か目にしないものからの出題が多数かも知れない。
センター試験(英語)では、長文問題の出典名が
明記されていなかったが、参照の図に、Perceptions
of SNS risk by parents, students, and teachers と
あり、インターネットで検索すると、『Teenagers,
Legal Risks and Social Networking Sites』
(中高生、
法的リスクとソーシャルネットワーキングサイト)
という、Melissa de Zwart, David Lindsay, Michael
Henderson, Michael Phillips による共著論文から
の出題ということが分かる。昨今の中高生の社会的
な課題に着目した英語論文から出題されたようだ。
次に、神奈川県公立高校入試の学力検査が、2月
16日に実施された。本校は、高校入試は直接関係な
いが、3年生が高校入試レベルの学力がしっかり身
についているかは心配の種。学力把握は怠れないの
で、実際には、高校受験用の模擬試験も行っている
のが現状だ。
さて、その高校入試では、国語は、古文『堪忍記』
、
小説 石川たかし『竹とんぼの坂道』
、論説 吉本隆明
『読書の方法』からの出題だった。
平塚中等のみんなには、学校の授業中やテスト、
模擬試験や大学入試練習問題などに当たれば、そ
模擬試験など、ちょっとした時に出会う小説や古文、
の都度、たくさんの出典に出会う。自分の目標達成
漢文、英語論文などに、どんどんのめり込んで本質
のための準備では、『その問題の答えが分かれば良
に迫ることを期待している。そのとき関心ないこと
い。
』も勉強の一つだが、時間の許す限り、問題の出
も、自分のポケットに! 平塚中等 校長 鈴木 靖
神奈川県立平塚中等教育学校
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