105《学び》 - 神奈川県立平塚中等教育学校|HOME

平塚中等教育学校
vol.105
校長室の窓から 2015年(平成27年)4月27日
松下村塾(くれぐれも「まつしたむらじゅく」ではない!)、幕末期に吉田松陰が、28 歳で叔父から引き継
いで主宰した私塾(現・山口県萩市)
。その松陰(27 歳)が叔父に贈った「松下村塾記」に、塾の教育の理想
とその責務に触れ、
『学は人たる所以(ゆえん)を学ぶなり』
(学問とは、人間はいかにあるべきか、いかに生き
るべきかを学ぶことである)と述べている。
(古川 薫著『松下村塾』
(講談社学術文庫)松下村塾記より)
(
技時間のために費やす時間は如何ほどか。
)
4月19日~21日(2泊3日)、4年次生が、国
それを考えると、5~6時間の大学入試に対応で
立中央青少年交流の家
きる学力、集中力と体力を備えるためにも、5年次、
(御殿場市)で勉強合宿
6年次の受験勉強では、毎日3~5時間、土日や夏
を行った。自主的・積極
休みなどの長期休業中には、受験勉強として集中し
的な学習、勉強の達成感、
た1日10時間以上のタフな勉強も必要だろう。入試
学習姿勢への自信、切磋
時間6時間のために6時
琢磨、自分自身を見つめる機会、が合宿目的のキー
間の勉強時間では、本番の
ワードだ。講義中の居眠り・私語禁止は当然で、「集
試験は突破できないのだ。
中した環境づくり」が、みんなの合い言葉だ。
初日の9時に学校集合
し、バス4台に分乗、交流
の家に11時頃到着し、開
校式で始まった。
90分の区切りで、英・
数・国が2サイクル、夕食後は、2時間以上の「独
学時間」が2日間、最終日の午前は国・数・英の3
時間テストで締めくくった。
学校の授業と離れ、受験勉強を意識した3日間。
1日平均6時間の受験勉強の経験が、前期課程には
なかった大学受験勉強への挑戦!ここから、いよい
よスタートする。ちなみに、国公立大の入試では、
前哨戦の大学入試センター試験(2日間)が、①350
分、②310分と、5~6
(松陰の妹・千代の子)に、
時間の集中力が求められ
吉田庫三がいる。庫三は、
る。また、例えば、東京大
神奈川県立第二中学校
学の前期日程試験(2次試
(現・小田原高校)、県立
験・記述形式)では、①
200分、②270分と、2日間の4~5時間程度の深
い集中力が必要だ。
100M走者の桐生祥秀選
手は10秒を切ることを目標
に練習するが、10秒のため
に何百倍の練習がある。また、
フィギュアスケート男子の
羽入結弦選手、ショート2分
30秒、フリー4分30秒の演
神奈川県立平塚中等教育学校
TEL 0463 (34) 0320
FAX 0463 (34) 3866
冒頭の吉田松陰と神奈川には縁がある。松陰の甥
第四中学校(現・横須賀高
校)の初代校長でもある。
筆者は両校に合わせて16
年ほど勤めていたが、共に100年以上の歴史と旧制
中学の匂う校風の伝統校だ。
さて、2泊3日は、学び方を学んだに過ぎない。
これからは、本当の『人たる所以の学び』が始まる。
単に大学に入るための勉強ではない。自分の教養、
プライドを確立するための勉強が始まっているのだ。
平塚中等 校長 鈴木 靖
〒254-0074 平塚市大原1番13号
URL http://www.hiratsuka-chuto-ss.pen-kanagawa.ed.jp/