第 143 回日商簿記検定試験 3級 講評 全体 第3問以外の問いは平易ですが、第3問の残高試算表作成問題は難易度が高く、 配点が 30 点であることから、平均合格率(全国)は 20%前後と思われます。 第1問(20 点) 取引に関する仕訳問題です。2.および3.については当店負担の金額の処理 について注意する必要があります。4.は搬入設置費用を取得原価に含めるこ と、および、残額の翌月以降の分割払いについて未払金で処理する点に注意す る必要があります。第1問では最低でも 16 点を狙いたいところです。 第2問(10 点) 取引発生時にどの補助簿に記入するかを選択する問題です。すべての取引を仕 訳したうえで、商品有高帳に記入する場合に気をつけながら解答すれば、満点 が狙える問題です。 第3問(30 点) 残高試算表作成の総合問題です。勘定の体系を正確に理解しているかどうかに 主眼を置いた総合問題であり、このようなかたちでの出題はとても久しぶりに なります。不明箇所の推定が多く、それを解答するにあたり問題用紙のみなら ず答案用紙からも情報を拾い出す必要があり、とても難易度の高い問題です。 解答が比較的平易な前払金・支払手形・水道光熱費・支払家賃などを取りこぼ さず、14 点~16 点を得点したい問題です。 第4問(8点) 伝票記入の問題です。(1)のいったん全額を掛取引として起票する方法と(2)の 取引を分割する方法により伝票を起票する問題です。典型的な出題であり、満 点が狙える問題です。 第5問(32 点) [決算日に判明した事項]を適切に処理した後に、決算整理を行う精算表作成の 総合問題です。売掛金の修正を含めたうえで貸倒引当金の設定を行う点、およ び、売上原価の計算を(「仕入」ではなく)「売上原価」の行で行う点に注意が 必要です。全体的には平易な内容であり、21 点~24 点は得点したい問題です。 平成 28 年 6 月 12 日 簿記検定講座
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