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国際地域学部国際観光学科卒業論文(2013 年 12 月提出)要旨 担当教員:梁春香
訪日韓国人と訪韓日本人の観光目的に関する研究
18201000091 高橋亜矢子
【論文構成】
第一章 研究の背景と目的
第一節 研究の背景
第二節 研究の目的と方法
第二章 日韓観光交流の現状
第一節 日本と韓国の交流の背景
第二節 日本と韓国の観光市場の相互依存
第三章 訪日韓国人の観光目的について
第一節 日本観光市場全体から見る訪日韓国人
第二節 性別における訪日韓国人の目的割合
第三節 年齢における訪日韓国人の目的割合
第四節 来訪回数による訪日韓国人の観光目的の変化
第四章 訪韓日本人の観光目的について
第一節 韓国観光市場全体から見る訪日韓国人
第二節 性別における訪韓日本人の目的割合
第三節 年齢における訪韓日本人の目的割合
第四節 来訪回数による訪韓日本人の観光目的の変化
第五章 観光目的における日韓観光者の相違点
第一節 消費行動の違い
第二節 利用宿泊施設の違い
第三節 滞在日数の違い
第六章 まとめ
第一節 訪日韓国人の満足度向上のための課題
第二節 訪韓日本人の満足度向上のための課題
第三節 今後の展望
1.目的
日本と韓国の国交正常化された 1965 年の両国間の往来者は約 1 万人にすぎなかった。し
かし、韓国の経済復興や海外旅行の自由化により両国間の人的交流は爆発的に増え始め、
2004 年に初めて年間の往来者数が 400 万人を超え、
6 年後の 2010 年には 500 万人を達成し、
2012 年は約 556 万人の日韓往来者がいた。今では日本にとって韓国は「近くて近い国」と
なった。
豊かな相互観光を実現する共に観光を通じ少しでも多くの日本人・韓国人に互いの魅力
を提示することが必要となる。国民にとって最も身近と言える日本と韓国の観光という分
野を通して、日韓交流の現状を把握し、訪日韓国人の観光目的と訪韓日本人の観光目的を明
らかにすることを目的とし、さらに今後の課題と展望を考察する。
2.内容
近年 20 年間、訪日外国人の約 20%から 30%を韓国人が占めており、長年に渡り韓国が
日本にとって重要なインバウンドの対象国であることが伺えることから日本の訪日観光を
考えるにあたって韓国人は必要不可欠な存在であると考えられる。また、一方で、訪韓日本
人も年々増加しており、1999 年には 200 万人を突破し、2009 年には 300 万人を超え、2012
年は約 352 万人の訪韓日本人がいた。日韓観光市場の相互依存度は大変高いと言えるであ
ろう。
訪日韓国人・訪韓日本人共に年代、性別、来訪回数により観光目的は様々である。隣国と
いう立地・経済的な費用などを背景にリピーターの割合が高く、個人旅行・短期滞在での訪
問が主流である。訪日旅行は日本の日本食・日本の文化体験・ショッピングを目的とした観
光が、一方、訪韓旅行はショッピング・グルメを目的とした都市観光が 20⊶30 代女性を中心
に根強い人気を持っている。
3.結論
韓国では韓流ブーム・K-POP ブーム共に終わり迎える時期となり、円安・ウォン高の影響
もあり 2013 年 7 月には前年比-30.5%となった。また、日本でも日本ブランドを海外に向
け発信させ日本への興味関心を持ってもらうことで新規訪日観光客を獲得していく必要が
ある。韓国・日本共に現在の観光だけではなく互いに新たな観光スタイルを模索・獲得して
いくこと重要であると考える。
観光は様々な進展を迎える分野であることから、時代と人々に合わせて進化を続けてい
く産業である。これからも互いに大きな役割を果たしあう日本と韓国の相互観光の課題解
決が日韓インバウンド観光の発展へと繋がると考えられる。