株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ 東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階 April 17, 2015 週間展望・回顧(ポンド、加ドル) ■ポンド円の推移 ■加ドル円の推移 187.50 100.00 185.00 98.00 182.50 96.00 180.00 94.00 177.50 90.00 来週の展望(予想レンジ ポンド円 174.00-180.00円 2015/1/19 2015/1/23 2015/1/29 2015/2/4 2015/2/10 2015/2/16 2015/2/20 2015/2/26 2015/3/4 2015/3/10 2015/3/16 2015/3/20 2015/3/26 2015/4/1 2015/4/7 2015/4/13 2015/4/17 92.00 172.50 2015/1/19 2015/1/23 2015/1/29 2015/2/4 2015/2/10 2015/2/16 2015/2/20 2015/2/26 2015/3/4 2015/3/10 2015/3/16 2015/3/20 2015/3/26 2015/4/1 2015/4/7 2015/4/13 175.00 5日線 21日線 90日線 200日線 イエロー オレンジ スカイブルー グレー 転換線 基準線 先行1 先行2 遅行 ブルー グリーン レッド ピンク ブラウン 加ドル円 94.00-100.00円) 足元でポンドは選挙相場が続いている。英経済を揺るがす欧州連合(EU)離脱が焦点である 5 月の総選挙に近 づく中、ファンダメンタルズ無視の選挙相場に入っている。総選挙に伴う同国の政局に対する不透明感は根強く、 ポンドは引き続き上値の重い地合いが見込まれる。 総選挙の世論調査によると、与党・保守党と労働党は依然としてほぼ互角の支持を集めての接戦が続いている。 わずかに保守党がリードしているが、政権樹立には 3 党連立というシナリオが避けられそうもない。労働党はス コットランド民族党(SNP)から支持を得られる見通しとなっている。SNP は 2014 年 9 月に実施されたスコッ トランド独立の是非を問う住民投票以来支持層を拡大し、世論調査ではスコットランドでほぼ 5 割の支持を集め ている。与党・保守党主導の政権が誕生した場合、EU 残留の是非を問う国民投票が 2017 年まで実施される可能 性が高まる。英国への直接投資が試されることとなり、ポンド売り圧力がかかりやすい。 今週の英経済指標にポンド相場の反応は限定的。3 月の消費者物価指数(CPI)は前年比で横ばい、市場予想と 一致したが、同コアは+1.0%にとどまり、2006 年 7 月以来の低水準を更新した。同小売物価指数や生産者物価指 数も全般的に弱かった。一方で、英小売協会(BRC)が発表した 3 月の小売売上高は前年比+4.7%と、昨年 4 月 以来ほぼ 1 年ぶりの高い伸びとなった。また、1-3 月期小売売上高は 10-12 月期の+1.5%から+2.8%に加速した。 インフレ率の過去最低水準への低下や、賃金の持ち直しが背景。 加ドルは、足元でやや反発基調を強めている原油価格の動向が注目される。今週の原油価格は、掘削リグの稼 働率低下により米国内の供給が減少するとの見方やイラン石油相が石油輸出国機構(OPEC)の減産の必要性に 言及したことを背景に堅調な動きとなった。カナダ中銀(BOC)は市場予想通りに政策金利の据え置きを決定し た。声明では、原油価格急落の影響で、1-3 月期国内総生産(GDP)予想は+1.5%から 0%に下方修正したものの、 非燃料輸出、投資、労働市場の改善に伴い、年央頃から景気が加速するとの見通しを示した。原油安に伴う影響 が拡大するリスクを警戒する一方で、原油価格は中期的には切り返す公算が大きいとの見解を示した。総合イン フレ率は、エネルギー価格安を背景に 1%で推移しているものの、コアインフレ率は中銀の目標とする 2%近辺に とどまっていると指摘した。BOC 声明を受けて、追加利下げへの懸念はやや後退しており、加ドルの下支えとな りそうだ。 今週の回顧 ポンドは売りが先行したが、さえない米経済指標を背景にドルの持ち高調整が進み、後半は買い戻しが入った。 ポンドドルは1.45ドル半ばまで約5年ぶりの安値を更新した後に1.49ドル台まで持ち直した。ポンド円も一時175 円割れ水準まで年初来安値を更新した。加ドルは原油価格の反発や利下げ懸念の後退を背景に上昇。ドル/加ド ルは1.22加ドル半ば、加ドル円は97円台まで加ドル買いが進んだ。加ドルは対ドル・対円でともに1月下旬以来の 加ドル高水準となった。(了) 本レポートはお客様への情報提供のみを目的として作成したもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。実際に投資をなさる場合の最終ご判断は、お客様ご自身でご判断なさる ようお願い致します。本レポートを原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については一切補償には応じません。 Copyright DZH Financial Research, Inc.
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