短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2015年 2月12日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①中国東北区を水蒸気画像の渦
が南東進。500hPa 寒冷渦(-42℃
以下)に対応。この南側の日本海
西部~朝鮮半島にトラフ(5220~
5340m)があり、
トラフ前面の能登
半島沖に低気圧を解析。
②前項の低気圧を通る形で潜在
的に前線帯が存在し(850hPa 面
では-6℃付近が南縁)、この南側
の東北~山陰に帯状にエコーが
かかる。
下層気温が上層に比べ相
対的に高く、所々で発雷を検知。
③5400m トラフが本州付近を東
進。
前面の伊豆諸島付近に低気圧
を解析。
13日は低気圧が急速に発
達しながら北日本を通過
し、日本付近は冬型の
気圧配置が強まる。東北・
北陸を中心に暴風雪・
高波に警戒、落雷、竜巻
などの激しい突風に注意。
日本海側は大雪に注意。
実況
35kt[GW]
FT12~40kt[GW]
FT18~50kt[SW]
FT30~45kt[GW]
FT36~40kt
FT18~35kt[GW]
FT24~40kt
前線記号はFT24が黒塗り、FT48が白抜き
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項①の寒冷渦は 13 日朝には日本海に南下し、能登半島沖の低気圧は寒冷渦と結びついて急速に発
達しながら東北北部へ進む(FT18~24 で 50kt[SW])。13 日朝以降、寒冷渦の東側で渦度が強まり、低気
圧の直上に新たに寒冷渦が顕在化し、13 日夜には地上低気圧とともに北海道太平洋側へ進む。13 日朝
以降、これとは別の低気圧が三陸沖に新たに発生し、これが主体となって北東へ進む。一方、伊豆諸
島付近の低気圧は、今後、日本の東で前線を伴い(850hPa 面で 0℃付近)、14 日にかけて発達しながら
オホーツク海へ進む。これら低気圧が日本の東からオホーツク海で発達し、13~14 日は日本付近は冬
型の気圧配置が強まるが、14 日は九州~南西諸島は東シナ海に移動する高気圧に覆われてくる。
②13 日に東北北部を通過する低気圧周辺では急速に風が強まり、雪を伴って非常に強い風が吹く。東
北~北陸を中心に暴風雪や高波に警戒。また、北・東日本には寒冷渦の通過に伴い上空の強い寒気
(500hPa で-39℃以下)が入る。東北~北陸を中心に落雷、竜巻などの激しい突風、短時間の降雪量の増
加に注意。また、500hPa の-30℃線は四国沖まで南下し、その他の日本海側の地方も 13~14 日は大雪
やなだれに、北~西日本は強風や風雪、高波に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点 ①13 日に北日本を通過する低気圧について、MSM は GSM より位置
がやや北。また MSM は GSM よりトラフがやや浅く示度も浅い。GSM の予想は安定しており、最新の GSM
を基本とする。
4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 70、東北 60、近
畿 50、北海道・中国・関東甲信・東海 30~40cm。②波(明日まで):東北・北陸 6、北海道 5、近畿・
山陰・東海・伊豆諸島 4、関東・四国・九州北部・小笠原諸島 3m
5.全般気象情報発表の有無 17 時頃に「暴風雪と高波及び雷に関する全般気象情報」発表予定。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。