今後の株価・金利見通しについて (株式) 12月の株式市場は、強い米国雇用統計等から円安が進行し、日経平均は8日に一時18,000円台まで上昇した。 その後は、原油価格の下落に拍車が掛かり、ロシア等の新興国に対する懸念が高まったことから利益確定売り が優勢となり16,000円台半ばまで下落したが、FOMC声明文で早期利上げ懸念が払拭されたことを契機に相場は 切り返し、17,000円台後半まで反発した。 1月については、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)等の公的資金による強い買い需要が投資家 に安心感をもたらしていることから、米国株の調整等により下落した場合においても、活発な押し目買いが期待さ れ、底堅い相場展開となることが想定される。リスクシナリオとしては、引き続きロシアを中心とした新興国市場の 動向が挙げられるが、98年のロシア危機再来を連想させるような信用リスク懸念が高まった場合は、日経平均も 大きく下落することが考えられる。なお、20-21日に開催される日銀金融政策決定会合では展望レポートの中間評 価が行われるが、ここもとの原油価格の下落を受け、物価見通しの修正があるか否かに注目が集まろう。 (債券) 12月の債券市場は、追加緩和後に初めて到来する国債大量償還月で需給環境が良好であったことや、原油価 格の急落等を背景に、長期金利は緩やかな低下傾向を継続し、月末、10年国債利回りは一時過去最低の0.30% を記録した。 1月については、日銀による国債大量買いオペが継続する環境下、ECBの追加緩和期待を背景とした外国人投 資家による短中期国債のマイナス金利での購入が継続する場合には、長期金利も低下余地を探る展開が想定さ れる。リスクシナリオとしては、原油価格の反転や、米国の早期利上げ懸念による米国債金利の急上昇が挙げら れるが、その場合、長期金利もある程度上昇することも考えられる。なお、債券市場が日銀の国債大量購入に大 きく依存する需給相場となっているため、日銀の国債買いオペ減額や来年度の国債発行計画が発表される際に は、ボラティリティが高くなる可能性もあり注意が必要であろう。 1.国内株価と長期金利 (円) 19000 (%) 0.8 日経平均 長期金利(10年) 18000 0.7 17000 0.6 16000 0.5 15000 0.4 14000 0.3 13000 2013/12/30 0.2 2014/3/30 2014/6/30 2014/9/30 参考レンジ 1月 5年国債 レンジ 月末 0.00-0.10 0.050 2.米国株価と長期金利 (ドル) 19000 (%) 3.50 ダウ 10年国債 0.25-0.40 0.325 日経平均 16,500-18,500 17,500 TOPIX(参考) 1,320-1,480 1,400 18500 長期金利(10年) 3.25 18000 3.00 ○当面の材料 1 月2 日 米12月ISM製造業景況指数 1 月5 日 大発会 1 月6 日 米12月ISM非製造業景況指数 1 月9 日 米雇用統計 1 月20-21 日 日銀金融政策決定会合 1 月22 日 中国1月製造業PMI速報値 ECB理事会 1 月27-28 日 米FOMC 1 月30 日 12月全国CPI、1月東京都区部CPI、12月失業率 米第4四半期GDP速報値 17500 17000 2.75 16500 2.50 16000 2.25 15500 15000 2013/12/30 2.00 2014/3/30 2014/6/30 2014/9/30 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。ここに記載されているデータ、意見などはしんきん信託銀行が信頼に足り、且つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、当社はその正確性、 確実性を保証するものではあり ません。ここに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当資料に記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。投資の最終決定は投資家御自身の 判断でなされるよう、また必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などにご相談のうえでお取り扱い下さいますよう お願いいたします。また、当資料の著作権はしんきん信託銀行に属し、その目的を問わず無断で引用または複製することを禁じます。
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