「今後1ヶ月間の株価・金利見通しについて」

今後の株価・金利見通しについて
(株式)
現在の株式市場は、米国の雇用環境改善による円安の進行や、ECBによる量的金融緩和の導入等を背景に
上値を追う状況が続いており、日経平均は約15年ぶりに19,000円台を回復している。
今後については、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)等の公的資金による強い買い需要が投資
家に安心感をもたらしていることから、米国の利上げ時期に対する思惑や、ロシアや中東情勢を巡る地政学リス
ク等から米国株式市場が調整局面入りした場合においても、相対的に底堅い相場展開となるものと考えられる。
しかしながら、株価の高値警戒感が強いなか、4月末には大型連休を控え国内投資家からの利益確定の売りが
出やすいことや、4月末から本格化する企業決算発表時の慎重な業績見通しが、投資家の過度な期待感を訂正
させる可能性もあることから、ボラティリティが急上昇する局面も想定され、注意が必要であろう。
(債券)
現在の債券市場は、マーケット参加者が限られるなか、長期・超長期の国債入札、日銀の国債買いオペの結果
等の需給要因に振り回されており、3月10日に10年国債利回りは0.47% まで上昇した後は、0.4%を挟んでボラティリ
ティの高い相場展開となっている。
今後については、月初に長期・超長期の国債入札を控えていることや、期初の益出し売りが想定されることか
ら、当面はボラティリティの高い状況が続くと考えられる。しかしながら、日銀による国債の大量買入れが続くな
か、0.4%台後半からは機関投資家等の押し目買いが期待されるため、海外金利や原油価格の低位安定基調が
続けば、早晩、相場は落ち着きを取り戻し、再び金利低下余地を探る展開になるものと想定される。ただし、株式
市場の更なる上昇や米国の利上げ懸念等によって、一時的に金利が急上昇することも想定され、注意が必要で
あろう。
(円)
1.国内株価と長期金利
21000
(%)
0.7
日経平均
長期金利(10年)
20000
0.6
19000
0.5
18000
17000
0.4
16000
0.3
15000
0.2
14000
13000
2014/3/20
0.1
2014/6/20
2014/9/20
2014/12/20
2015/3/20
参考レンジ
4月
レンジ
月末
5年国債
18,500-20,500
19,500
10年国債
1,490-1,650
1,570
日経平均
0.00-0.20
0.10
TOPIX(参考)
0.25-0.55
0.40
(ドル)
2.米国株価と長期金利
19000
(%)
3.00
ダウ
長期金利(10年)
18500
2.75
18000
2.50
○当面の材料
3 月24 日
中国HSBC3月製造業PMI
3 月27 日
2月全国CPI、3月東京都区部CPI
2月失業率
4 月1 日
日銀短観、中国3月製造業PMI
米3月ISM製造業景況指数
4 月3 日
米3月雇用統計
4 月6 日
米3月ISM非製造業景況指数
4 月7-8 日 日銀金融政策決定会合
4 月8 日
米FOMC議事録
4 月12日
統一地方選(前半)投開票日
4 月15日
中国第1四半期GDP、ECB理事会
4 月23日
中国HSBC4月製造業PMI
17500
4
4
4
4
月26 日
統一地方選(後半)投開票日
月28-29 日 米FOMC
月29 日
米第1四半期GDP
月30 日
日銀金融政策決定会合、展望レポート
17000
2.25
16500
2.00
16000
1.75
15500
15000
2014/3/20
1.50
2014/6/20
2014/9/20
2014/12/20
2015/3/20
当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。ここに記載されているデータ、意見などはしんきん信託銀行が信頼に足り、且つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、当社はその正確性、
確実性を保証するものではあり ません。ここに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当資料に記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。投資の最終決定は投資家御自身の
判断でなされるよう、また必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などにご相談のうえでお取り扱い下さいますよう お願いいたします。また、当資料の著作権はしんきん信託銀行に属し、その目的を問わず無断で引用または複製することを禁じます。