構造改革期待などから注目されるインド

情報提供資料
DIAMコラム(2015/1/16)
『構造改革期待などから注目されるインド』
インドは、構造改革に
よる経済成長が期待さ
れているんだね。
インドでは2014年5月の政権交代以降、モディノミクス
と呼ばれる構造改革が期待される中、株式市場が2014
年に約+30%となるなど注目されています。今回はイン
ドの投資環境を考えます。
【今後、経済成長が注目されるインド】
インドで注目される点として人口が世界第2位と多く、さらに若い人口の比率も高いことから労働力の
中心となる15∼64歳の人口が今後も増加するとみられることが挙げられます。この様な背景もあり先進
国の平均と比較してもインドはこれまで相対的に高い経済成長となる傾向がみられ、IMF(国際通貨基
金)によると2015年も6%台と比較的高い成長率が予想されています。この様に経済成長が期待される
中、2014年5月に政権交代があり、就任したモディ首相がモディノミクスと呼ばれる構造改革を目指す
とし、投資家のインド経済や金融市場に対する期待が強くなったことなどからインドでは株価指数
(S&P/BSE SENSEX インド指数)の2014年騰落率が約+30%となり、注目されています。
構造改革の施策としてはインフラ整備(電力供給や高速鉄道の整備などによる経済発展を目指す)
や対内直接投資の促進、税制の簡素化(経済活動の効率化を目指す)などが示されており、実現した
場合、これまでインドの経済成長を抑制していた要因が少なくなり、さらなる経済成長が期待されると
みています。政策の実現可能性については与党が下院の過半数を占めていることから構造改革を進
める法案が成立するのではないかと投資家は期待しているとみています。
【実質GDP(国内・域内総生産)成長率の推移】
(期間:2000年~2017年)
(%)
15
インド
新興国
先進国
10
(億人)
【インドの15~64歳人口推移】
(期間:1990年~2050年)
12
IMF
予測値
予測値
11
15~64歳の人口
10
9
5
8
7
0
6
5
-5
2000
2005
2010
4
1990
2015
(年)
※2014年以降は予測値
※年次データ
(出所:IMF「World Economic Outlook , October 2014」をもとに
DIAMアセットマネジメント作成)
2000
2010
2020
2030
2040
2050
(年)
※2013年までは年次データ、2015年以降は予測値(5年
毎のデータ)
(出所:世界銀行のデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
*当コラムにおいて新興国・地域を新興国、 先進国・地域を先進国と記載しています。
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。 ※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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加入協会/一般社団法人投資信託協会
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150116情報コラムインド-1
DIAMコラム
【ラジャン中銀総裁就任後、物価は低下基調】
インド経済において懸念されていた点として物価上
昇率が高かったことが挙げられます。2013年9月に中
央銀行総裁にラジャン氏が就任し政策金利を引き上げ
て金融引き締めを行って以降、消費者物価指数の上
昇率は低下傾向にあります。ラジャン中銀総裁は以前、
IMFのチーフエコノミストや米国の大学教授など経済関
連の著名な専門家であったこともあり、インドの金融政
策に対して世界の投資家は安心感をもっている模様で
す。足元、2014年11月頃から原油価格が下落している
こともあり、消費者物価は中央銀行の目標の範囲内に
低下していることから、中央銀行は利下げを示唆して
います。利下げが実施された場合、インドの現地通貨
建て国債の価格を支えると期待されています。また、
資金調達の金利低下につながり、投資の拡大や経済
成長についても期待しています。
(%)
【インドの政策金利、消費者物価指数の推移】
(期間:2012年2月29日~2014年12月31日)
12
11
10
9
8
7
6
5
インド政策金利
消費者物価指数
4
12/2
13/2
14/2 (年/月)
※政策金利はレポレートの月次データ
※消費者物価指数は前年比の月次データ
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
ここがポイント!
インドの消費者物価が落
ち着いているため、足元
中央銀行は利下げを示
唆しているんだ。
【比較的高いインドの国債利回りに注目】
ユーロ圏や日本では消費者物価の上昇率が中央銀行の目標より低いことなどから、低金利政策や量
的金融緩和が行われておりユーロ圏のドイツや日本の10年国債利回りは過去最低水準(価格は高水
準)で推移しています。また、足元では利回りを求める動きなどから米国の10年国債利回りについても
2015年央にも利上げが行われるとの見通しがあるものの、2%を下回る水準で推移しています。このよう
な低金利環境下、格付けが比較的低い「信用リスク」や現地通貨が対円で変動する「為替リスク」をとり、
比較的高い利回りを得ることを目指す投資についても分散投資の1つとして魅力があるのではないか
と考えています。
【インドの10年国債利回り】
(2015年1月9日時点)
(%)
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
【インドの国債の格付け】
(2015年1月9日時点)
インド
米国( ご 参考)
ドイツ( ご 参考)
日本( ご 参考)
インド
米国
ドイツ
日本
(ご参考)
(ご参考)
(ご参考)
ムーディーズ
Baa3
Aaa
Aaa
A1
S&P
BBBAA+
AAA
AA-
※格付けは国債の自国通貨建て長期債格付け
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※現地通貨建て10年国債の利回り
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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【経常赤字の縮小や海外からの投資からインドルピーに期待】
インド経済において懸念されていたもう1つの点として経常
赤字が挙げられます。2013年以降、金の輸入関税を引き上
げ金の輸入抑制策などが実施される中、経常赤字は足元、
改善傾向にあります。さらに2014年11月以降、原油価格が
下落していることから今後、輸入減少などを背景に経常赤
字は縮小傾向の可能性があるとみています。また、海外から
の投資についてはモディノミクスを背景に直接投資を行うと
の発表もみられ、安倍首相が今後5年間でインドに官民で約
3.5兆円の投融資を行うとの表明や、中国の国家主席がイン
ドに今後5年間で2兆円超の投資を行うとの表明が報道され
ています。また、モディノミクスを背景にインドの金融市場に
対する価格上昇期待から株式や債券などの証券に投資す
る動きが続くとみています。
【インドの経常赤字推移】
(10億米ドル) (期間:2010年7-9月期~2014年7-9月期)
0
-5
-10
-15
-20
-25
-30
2015年央に米国で利上げが実施されるとみられる中、新
-35
興国については経常赤字が大きい状況で海外から投資資
10/9
11/9
12/9
13/9
14/9
(年/月)
金が引き揚げられた場合、通貨が下落することが懸念され
※四半期データ
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
ています。しかしながらその様な状況で、経常赤字の縮小
傾向やインドへの投資資金流入期待はインドルピーを支え
るとみています。さらに日本とインドの金利差や日本の量的
金融緩和(国債等の買い入れ)に伴う円の通貨量拡大、モ
ディノミクスへの期待を背景にインドルピーは対円で底堅く
推移するとみています。
【インドルピーの推移】
(期間:2011年12月30日~2015年1月9日)
インドルピー高
(インドルピー、逆目盛)
(円)
2.2
2.0
為替
レート
45
インドルピー/円(左軸)
米ドル/インドルピー(右軸)
50
1.8
55
1.6
60
1.4
65
1.2
70
11/12 12/6 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12
インドルピー安 (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) (年/月)
◇◆ポイント◆◇
1.
消費者物価の低下を背景に利下げが示唆されていることからインド国債の価
格を支えると期待されています。
2.
経常赤字の縮小傾向やインドへの投資資金流入期待、日本の量的金融緩和、
モディノミクスへの期待を背景にインドルピーは対円で底堅く推移するとみ
ています。
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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【指数の著作権等】
Standard & Poor's®並びにS&P®は、スタンダード&プアーズ・ファイナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。Dow Jones®は、ダ
ウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらはS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCに対し
て使用許諾が与えられており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対しては特定の目的のために使用するサブライセンスが与えられています。
S&P/BSE SENSEX インド指数はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが所有しており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対して使用許諾が与えら
れています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、ダウ・ジョーンズ、S&Pおよびその関連会社は、DIAMアセットマネジメント株式会社の商品を支持、
推奨、販売、販売促進するものではなく、また投資適合性についていかなる表明をするものではありません。
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