オーストラリアリートの魅力、再確認;pdf

情報提供資料
DIAMコラム(2015/3/23)
『オーストラリアリートの魅力、再確認』
2015年初めから、欧州をはじめ各国で積極的な
金融緩和策が打ち出される中、インカムゲインの
得られる資産が投資家から見直される環境にあり
ます。今回は先進国の資産の中で高い配当利回り
が注目されるオーストラリアのリートの投資環境を
考えてみたいと思います。
高い利回りを持つ
オーストラリアの
リート、為替が底打
ち出来れば注目度
は上がりそうだね!
【各国・地域のREIT指数は大きく上昇するも、足元強弱感が分かれている状況】
リーマン・ショック後、オーストラリア経済は中国の積極的な財政政策に支えられ順調に推移してきました。また、
オーストラリア経済環境と、オーストラリアのリート市場での2009年の大規模な増資などの影響を考慮して、2010年
から主要国・地域のリート指数の動きを見てみます。
2010年からの期間では、世界的な財政・金融政策による景気回復などを背景に、各国・地域REIT指数は直近
まで大きく上昇していることが確認できます。上昇率は、日本で約171%、アジア太平洋で約120%、米国で約
119%、オーストラリアで約103%、欧州(除く英国)で約93%となっており、欧州とオーストラリアはやや出遅れてい
る状況にあります。各指数はおおむね上昇基調をたどっていましたが、2014年10月頃からは米国の利上げ観測
や各国の金融緩和の動きをより強く反映してか、動きにばらつきが出ているように見受けられます。特に、2015年2
月では、利上げ時期を探る環境下にある米国は▲5.2%、日銀の金融政策の先行きにやや不透明感が台頭して
いる日本でも上昇ペースが鈍化し▲0.0%と低調な動きとなった一方で、1月22日にECB(欧州中央銀行)の量的
緩和プログラム決定を受け欧州(除く英国)は+5.0%、2月3日に予想外の1年6カ月ぶりの利下げがあったオースト
ラリアは+3.8%、アジア太平洋は+0.9%と、金融緩和姿勢を取った国・地域では上昇するなど、二極化する傾向
がうかがわれます。
こうした中、オーストラリアの各リートの2014年7-12月期決算では、最大のウェイトを占める小売りセクターではテ
ナントの売上回復などから賃料上昇につながっています。一方、オフィスセクターでは資源関連で空室率の上昇
がみられますが、工業などでは需要が堅調で安定した稼働が見られます。いずれのセクターも金利低下と旺盛な
需要に支えられ、鑑定評価の顕著な伸びが見られていることもリートの価格形成を支える要因となっています。
300
【S&P 各国・地域のREIT指数の推移】
(期間:2009年12月末~2015年2月末、月次データ)
(ポイント)
250
米国
欧州(除く英国)
オーストラリア
日本
アジア太平洋
200
150
100
50
09/12
10/12
11/12
12/12
13/12
14/12 (年/月)
※2009年12月末を100として指数化 (出所:DatastreamのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。 ※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
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150323情報コラム豪リート-1
DIAMコラム
【オーストラリアのREIT指数と10年国債利回り推移】
(2009年12月末~2015年2月末、月次データ)
【オーストラリアのREIT指数と国債利回りは逆相関】
700
オーストラリアのリート指数とオーストラリア10年国債
利回りの月次データから、相関係数を計測すると、
2010年1月∼2015年2月の期間では▲0.09でほとんど
相関がみられませんでしたが、直近過去3年(2012年3
月∼2015年2月)では▲0.42、過去1年(2014年3月∼
2015年2月)では▲0.66と強い逆相関の動きが見てとれ
ます。現在、金利低下局面にある中、リート価格は堅調
に推移しており、今後も国債利回りなど金利動向が、
REIT指数の動きに大きな影響をもたらすと考えられま
す。
(ポイント)
(%)
7
600
6
500
5
400
4
300
3
2
200
REIT指数(左軸)
10年国債利回り(右軸)
100
0
09/12
こうしたことから、今後のリート価格の動向をみるには
中央銀行(豪準備銀行)の金融政策動向を注視する必
要がありそうです。
11/03
12/06
13/09
1
0
14/12 (年/月)
※S&P 豪州REIT指数(現地通貨ベース)を使用
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
【豪政策金利と消費者信頼感指数の推移】
(2009年12月~2015年2月、月次データ)
相関係数とは・・・?
140 (ポイント)
2つの値の関連性を調べる目安とな
る値のこと。
-1.0~+1.0の範囲に値を取り、+1に近
いほど同じ動きをすること(正の相
関)、0に近いほど無関係な動きとな
ること、-1に近いほど逆の動きをする
(負の相関)ことを示しています。
6
130
5
120
4
110
3
100
2
90
80
09/12
【オーストラリアドルの下落が止まる兆しも】
(%)
1
ウェストパック消費者信頼感指数(左軸)
豪政策金利(右軸)
11/03
12/06
13/09
0
14/12 (年/月)
※豪政策金利はキャッシュレートを使用
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
オーストラリア経済については、経済成長率はやや
鈍化し、2015年設備投資計画は工業・製造業で慎重と
なるものの、利下げを受けて消費者心理は改善しつつ
あります。
【豪政策金利とオーストラリアドル/円の推移】
(2009年12月末~2015年2月末、月次データ)
110
中央銀行(豪準備銀行)は2月の利下げ実施以降、3
月は市場参加者が60%程度の確率で予想していた利
下げを見送りました。しかし、追加緩和の可能性を示唆
しており、4月発表のインフレ統計などを確認して5月に
追加緩和が行われる可能性があると考えています。
一方で、中央銀行副総裁は、オーストラリアドルの水
準が適切な水準に近づいているとの見解を示し、その
後の内部文書では2%程度割高であると判断している
ことが判明し、オーストラリアドル(対円、対米ドル)の底
打ちの兆しも見えつつあります。
(円)
(%)
5
100
4
90
3
80
2
70
オーストラリアドル/円(左軸)
1
豪政策金利(右軸)
60
09/12
11/03
12/06
13/09
0
14/12 (年/月)
※豪政策金利はキャッシュレートを使用
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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DIAMコラム
【豪REITの高い配当利回りや賃料収入の安定性などから資金流入期待可能】
オーストラリアのリートは、先進国の各種資産の中で比較的高いインカムゲインの得られる資産であり、それが投
資魅力の一つとなっています。2015年2月末時点での時価総額上位5カ国(米国、オーストラリア、日本、英国、フラ
ンス)のリート配当利回りを見ると、オーストラリアは約5.2%と、他の主要国の配当利回りと比較して高い水準となっ
ています。利益や配当などの長期成長率も4∼5%程度見込まれており、あわせて価格の押し上げ要因となることが
期待できます。なお、オーストラリアのリートのトータルリターンは2001年以降では+6.3%(年率)、2010年以降では
+15.2%(年率)となっています。
リートの配当の重要な源泉の一つである賃料収入についてですが、オーストラリアの不動産賃貸契約は、他国と
比較すると契約期間が長いことが特徴です。小売りでは通常5年、オフィスで5年から10年、物流施設に至っては更
に長い契約もみられます。また、賃貸期間中は消費者物価指数に連動して毎年賃料を引き上げることが通常契約
に含まれるのが一般的です。さらに、リース期間終了前に退去する場合は、期間満了までの賃料を違約金として支
払う契約が通例です。このようにオーストラリアの不動産の賃料収入は中長期的にみて安定性が非常に高く、また、
消費者物価指数を上回る形で配当の成長が見込める仕組みとなっている点も、オーストラリアのリートの大きな魅力
といえます。
また、オーストラリアリートは、内部運用を行っており、マネジメント会社とリートのベクトルが同じであることから効率
的な運営ができることも特徴の一つです。
今後も金利が低下傾向をたどると考えられる環境下、リート価格が下支えされる状況と元来のオーストラリアリ
ートの相対的に高い配当利回り、それを可能とする安定的な賃料収入もあいまって、オーストラリアリートは成長
が期待できると思われます。
6
【各国のリート配当利回り、10年国債利回り】
(2015年2月末時点)
(%)
5.2
5
4
リート配当利回り
10年国債利回り
3.4
4.8
3.2
2.5
3
2
1
0
米国
オーストラリア
日本
英国
フランス
※リートの配当利回りはS&P国・地域別REIT指数のデータ
(出所:S&P、BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
◇◆ポイント◆◇
1.
従来あった中央銀行のオーストラリアドルの割高判断も転換する兆しがあ
り、オーストラリアドルは下げ止まる可能性が台頭しています。
2.
オーストラリアのリートは、2010年以降上昇基調にありますが、今後高い配
当利回りとその成長性に加え、同国の金融緩和効果などからも資金流入が期
待できます。
3.
今後も金利が低下傾向をたどると考えられ、相対的に高い配当利回りのオー
ストラリアリートは成長が期待できると思われます。
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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DIAMコラム
【指数の著作権等】
Standard & Poor‘s®並びにS&P®は、スタンダード&プアーズ・ファイナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。Dow Jones®は、ダウ・
ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらはS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCに対して使
用許諾が与えられており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対しては特定の目的のために使用するサブライセンスが与えられています。S&P 豪州
REIT指数およびS&P 国・地域別REIT指数はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが所有しており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対して使用許
諾が与えられています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、ダウ・ジョーンズ、S&Pおよびその関連会社は、DIAMアセットマネジメント株式会社の商
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