Mitsubishi UFJ Asset Management 為替の 投資環境 2015年1月8日 米ドル 半年後の予想レート:117円~129円 ~日米の金融政策の方向性が異なり、米ドルは対円で緩やかに上昇~ 米ドルは、対円で上昇するとみています。 2014月12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文においては、景気動向を注意深く見守るス タンスは残しながらも、労働市場の改善についての判断を前進させ、余剰労働力の解消やエネルギー価 格下落の影響一巡後に消費者物価上昇率が目標である前年比2%に達するとの見方が示されました。 これにより、米国景気が現行の回復ペースを維持した場合、年央にかけて利上げが行われることが示唆 されました。 米国では、住宅市況の回復には一服感がみられますが、高水準の自動車販売にみられるように、個人 消費が堅調であり、景気拡大局面の継続が見込まれます。加えて、足下の原油安も米国景気にはプラ ス要因になると見込まれ、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策を正常化させる基盤がファンダメン タルズ(経済の基礎的条件)面から整いつつあるとみています。米国は世界の投資フローの受け手になり やすく、米ドルは円を始め主要通貨に対して上昇しやすいと考えています。 一方、日本では、消費増税後の落ち込みからの回復が鈍く、日銀はこうした実体経済に配慮し、前年比 2%の消費者物価上昇率を達成するため、2014年10月に大規模な追加金融緩和を発表しました。足 下、個人消費の弱さやインフレ動向を勘案すれば、日銀のさらなる追加緩和への期待が台頭しやすく、円 は対主要通貨で下落しやすいとみています。 以上の通り、米国では景気拡大を背景にFRBによる利上げが意識される一方、日本では金融緩和局面 が継続するなど、日米の金融政策の方向性の違いは米ドルの円に対する上昇要因になると考えていま す。よって、米ドル(対円)は今後緩やかな上昇が見込まれます。 今後のFOMC予定 2015年 1月27~28日 3月17~18日 4月28~29日 6月16~17日 7月28~29日 ※FOMCの政策発表スケジュールを掲載 現地時間基準 米国10年国債利回りと米ドル(対円)の推移 (円) 130 (%) 3.5 米国10年国債利回り(左軸) 米ドル(右軸) 120 3.0 110 2.5 100 2.0 90 1.5 13/1/7 13/7/7 14/1/7 14/7/7 80 15/1/7 (注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。 Mitsubishi UFJ Asset Management 為替の 投資環境 2015年1月8日 ユーロ 半年後の予想レート:144円~158円 ~日米欧の景気、金融政策および経常収支などを反映し、小幅に上昇~ ユーロは、対円で緩やかに上昇するとみています。 ユーロ圏では、ドイツを中心に失業率が低下し、景況感などに持ち直しの兆しが散見されるものの、鉱工 業生産指数や実質GDP(国内総生産)統計など実体経済を反映する指標は低迷しており、依然として景 気回復への動きは鈍い状況となっています。また、欧州株式市況は景気拡大を反映した米国株式市況 などの影響を受け、昨年10月から反転上昇しましたが、原油を中心とした資源価格下落を背景とするロ シア経済への懸念や、ギリシャ大統領選に伴う政治不安などを受け、足下ではやや上値が重い状態での 推移となっています。 そうしたなか、ECB(欧州中央銀行)は、中銀預金金利に対するマイナス金利の導入、TLTRO(銀行の 民間融資拡大に的を絞った長期資金供給オペレーション)の実施、そしてABS(資産担保証券)とカバー ドボンドの買い入れなど、非伝統的な金融緩和策を打ち出しています。さらに、今年1ー3月期に実施する と予想される追加緩和では、買入対象が国債などまで拡大されるとの思惑から、ドイツを中心とした国債 利回りが過去最低に達するなど、ECBの景気支援に対する強い姿勢がうかがえます。また、一部を除き 原油の純輸入地域である欧州にとって、原油価格下落は経済へプラスに作用すると考えられることから、 欧州経済は底堅い成長の局面へ徐々に移行するとみています。 一方、米国では持続する景気拡大を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が台頭し ています。日本では衆院選で与党が大勝したことにより景気対策(補正予算)が実施される見込みである り、さらに日銀による量的・質的緩和の進展も期待されます。 このように、日米の金融政策の方向性の違いから円安傾向が続くと想定されます。また、原油価格下落 や輸出増加を背景とした大幅な経常黒字はユーロ高要因になることなどから、ユーロは当面もみあうもの の、その後は対円で緩やかに上昇するとみています。 今後のECB理事会予定 2015年 ドイツ10年国債利回りとユーロ(対円)の推移 1月22日 (%) 3.0 3月5日 2.5 4月15日 6月3日 (円) 165 ドイツ10年国債利回り(左軸) ユーロ(右軸) 150 2.0 1.5 7月16日 ※ECBの政策発表スケジュールを掲載 現地時間基準 135 1.0 120 0.5 0.0 13/1/7 13/7/7 14/1/7 14/7/7 105 15/1/7 (注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。 Mitsubishi UFJ Asset Management 為替の 投資環境 2015年1月8日 豪ドル 半年後の予想レート:93円~107円 ~豪州の底堅い内需や日銀の強力な金融緩和を背景に、対円で上昇~ 豪ドルは、対円で上昇するとみています。 豪州では、12月3日に発表された7ー9月期実質GDP(国内総生産)は市場予想を下回る内容でした が、前後に発表された10月の住宅建設許可件数や小売売上高などの経済指標には底堅さが見られる など、現時点においての豪州経済は強弱まちまちの状況となっています。こうしたなか、RBA(豪州連邦 準備銀行)は2013年8月の利下げ以降、政策金利を2.50%に据え置いており、当面は状況を見極める 姿勢を続けると考えています。その背景としては、①インフレ率がRBAの目標とするレンジ(2~3%)の 中央付近で落ち着いていること、②RBAのスティーブンス総裁が豪ドルの一段の下落(対米ドル)を示唆 するとともに、景気はRBAの予測通りに推移しているとして、当面の利下げ観測をけん制したこと、などが あるとみています。一方、豪州財政の健全性は高く、国債の格付けは最高位を有しているうえに、主要 先進国と比較して相対的に利回り水準が高くなっています。こうした特長から海外投資家による債券投資 の流入が継続しており、豪ドル相場の下支え要因になることが見込まれます。 また、日銀は引き続き、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、「量的・質的金融緩和」を継続して います。また、必要となれば追加的な手段を講じる姿勢を堅持しています。2014年4月に行われた 消費税の増税後、日本の実質GDPは2期連続でマイナスを記録し、11月の鉱工業生産も前月比 マイナスになるなど、景気が弱含んでいることから、今後も日銀による緩和的な金融政策は継続されると 考えています。 したがいまして、豪州経済は、住宅関連や個人消費等の指標から内需が底堅いと見込まれること、 および日銀が強力な金融緩和の姿勢を継続するなかで、豪州との金融政策の違いが意識されることなど を背景に豪ドルは先行き対円で上昇するとみています。 今後のRBA理事会予定 2015年 2月3日 3月3日 4月7日 豪州10年国債利回りと豪ドル(対円)の推移 (%) 5.0 4.5 (円) 120 豪州10年国債利回り(左軸) 豪ドル(右軸) 110 5月5日 4.0 100 6月2日 3.5 90 3.0 80 ※RBAの政策発表スケジュールを掲載 現地時間基準 2.5 13/1/7 13/7/7 14/1/7 14/7/7 70 15/1/7 (注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。 Mitsubishi UFJ Asset Management 為替の 投資環境 2015年1月8日 ブラジルレアル 半年後の予想レート:41~51円 ~レアルは中長期的な景気持ち直しや高い金利水準を背景に対円で上昇~ ブラジルレアル(以下レアル)は、対円で底堅く推移するとみています。 ブラジル景気は、昨年7-9月期の実質GDP(国内総生産)成長率が2期連続で前年比マイナスとなる など、低迷が続いています。また、BCB(ブラジル中央銀行)は、インフレ率が目標水準(4.5%±2%)を 小幅ながら上回っていることなどを背景に、昨年12月に政策金利を引き上げました。このため、ブラジル 景気が本格的な回復局面を迎えるには今しばらく時間を要すると考えられます。 今年の年初からジルマ・ルセフ大統領の2期目の政権が発足するなか、新財務相には銀行界出身の ジョアキン・レビ氏が就任しました。レビ氏は、民間出身ということから市場寄りの政策への期待が高く、実 際、同氏は生産性の向上や投資拡大を図る政策を推進する意向を示しています。一方で、同氏は財政 健全化に注力する方針も掲げており、ブラジルの財政収支が改善に向かうことで経済への信頼性が高ま り、景気回復の基礎が固まると述べています。これらの施策は即効性に乏しいと考えられるものの、中長 期的には、設備投資の拡大や雇用情勢の回復に繋がり、ブラジル景気は緩やかな持ち直しに転じる見込 みです。 新興国通貨は、昨年半ば以降、米国の利上げに対する警戒感や、資源価格の下落などを背景に軟調 に推移しています。レアルについても、ブラジル景気の先行き不透明感の高まりから短期的に対米ドルで 下落圧力が残ると考えられます。しかしながら、BCBは昨年末、規模を縮小しながらも為替介入プログラ ムの継続を表明しており、引き続き通貨の下落を阻止する姿勢であることなどを鑑みると、中期的にレア ルは対米ドルで安定的に推移する見込みです。対円においては、日銀の強力な金融緩和策が継続され るなか、ブラジルの高い金利水準は魅力的であり、レアルは底堅く推移する展開を想定しています。 今後のBCB理事会予定 2015年 1月20~21日 3月3~4日 4月28~29日 6月2~3日 7月28~29日 ※BCBの政策発表スケジュールを掲載 現地時間基準 ブラジル2年国債利回りとブラジルレアル(対円)の推移 (%) 14.0 (円) 55 ブラジル2年国債利回り(左軸) ブラジルレアル(右軸) 12.0 50 10.0 45 8.0 40 6.0 13/1/7 13/7/7 14/1/7 14/7/7 35 15/1/7 (注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
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