米ドル - 三菱UFJ投信

Mitsubishi UFJ Asset Management
為替の
投資環境
2015年4月6日
米ドル
半年後の予想レート:117円~129円
~米国での利上げが意識されるなか、米ドルは対円で緩やかに上昇~
 米ドルは、対円で上昇するとみています。
2015月3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文においては、利上げに「辛抱強くなれる」との
表現が削除され、景気動向を注意深く見守るとの姿勢は維持しつつも、労働市場の改善についての判断
を漸進させました。声明文の内容を勘案すると、米国景気が現行の回復ペースを維持した場合、利上げ
は9月までに開始される可能性が高いと考えています。
米国では、原油安が、消費マインドの改善などを通じて個人消費を後押し、エネルギー産業の業況悪
化などを相殺しながら、経済全体にプラスの効果をもたらします。また、米ドル高は原油安とともにインフレ
期待を抑制するため、米国では過熱感を生じない程度の景気拡大が継続していくと考えています。FRB
(米連邦準備制度理事会)が金融政策を正常化させる状況がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)
面から整いつつあるなか、米国は世界の投資フローの受け手になりやすく、円を始め主要通貨に対して米
ドルが上昇する動きが継続すると想定しています。
一方、日本では、消費増税後の落ち込みから景気回復の動きが確認されますが、原油安などからイン
フレ率はしばらく低位で推移すると予想されます。日銀は前年比2%の消費者物価上昇率などの目標を
掲げ、金融緩和策を推し進めていることなどから、円は主要通貨に対して弱含みやすいとみています。
以上の通り、米国では景気拡大を背景にFRBが利上げに踏み出す可能性が高い一方、日本では金融
緩和局面が継続するなど、日米の金融政策の方向性の違いは米ドルの円に対する上昇要因になると考
えています。よって、米ドル(対円)は今後緩やかな上昇が見込まれます。
 今後のFOMC予定
2015年
 日本10年国債利回りと米ドル(対円)の推移
4月28~29日
6月16~17日
7月28~29日
9月16~17日
10月27~28日
※FOMCの政策発表スケジュールを掲載
現地時間基準
(注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Mitsubishi UFJ Asset Management
為替の
投資環境
2015年4月6日
ユーロ
半年後の予想レート:120円~134円
~大規模量的緩和の影響があるものの、中長期的には横ばい推移を予想~
 ユーロは、対円で当面もみあい、中長期的にも概ね横ばい圏での推移を予想しています。
ユーロ圏では、ギリシャ債務問題やウクライナ問題などへの懸念が燻るものの、ドイツを中心に鉱工業生
産指数や実質GDP(国内総生産)など実体経済を反映する指標に持ち直しの動きがみられるなど、景気
回復が緩やかに進んでいます。この背景にはユーロ圏の景気回復を目的として1月に発表され、3月より
実施となったECBによる国債購入プログラムなどの大規模量的緩和の影響があるとみています。この発
表に際して、ECBのドラギ総裁は、「(資産買入は)インフレ動向の持ち直しが確認できるまで継続される」
とし、ユーロ圏のインフレ期待を上昇させることによって欧州経済を回復へ導くという強い姿勢を表明しまし
た。その後、ユーロ安がユーロ圏経済に好影響を与えているといった発言などからユーロは対円で下落
し、対米ドルでも一時12年振りとなる水準まで下落しました。一方、債券については上記の国債購入プロ
グラムによって、月600億ユーロのユーロ圏国債が買入されることになったため、各国の国債は軒並み利
回りが低下し、過去最低の水準となる国が続出しています。
こうした状況下、米国の3月のFOMC(連邦公開市場委員会)や雇用統計の結果を受け、一時と比べ
て実施時期が後ずれするとの見解があるものの、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が依
然根強く残っています。一方でユーロ圏は上記の通り、大規模量的緩和を行っています。このようなユー
ロ圏と米国の金融政策の方向性の違いから、ユーロの対米ドル安傾向は続くと想定されます。しかし、対
円では、日銀による量的・質的緩和の継続姿勢や過度な円安に対する懸念の声があることなどから、当
面はもみあうとみており、中長期的にもユーロは概ね横ばい圏で推移すると考えています。
 今後のECB理事会予定
2015年
4月15日
 ドイツ10年国債利回りとユーロ(対円)の推移
(円)
155
(%)
2.5
ドイツ10年国債利回り(左軸)
6月3日
ユーロ(右軸)
2.0
145
9月3日
1.5
135
10月22日
1.0
125
0.5
115
7月16日
※ECBの政策発表スケジュールを掲載
現地時間基準
0.0
13/4/3
13/10/3
14/4/3
14/10/3
(注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場
105
15/4/3
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Mitsubishi UFJ Asset Management
為替の
投資環境
2015年4月6日
豪ドル
半年後の予想レート:88円~102円
~資源価格の底打ちとともに対円で底堅さを増す展開~
 豪ドルは、対円で底堅く推移するとみています。
豪州では、2月のRBA(豪州連邦準備銀行)理事会にて政策金利が0.25%引き下げられ2.25%となり
ました。この背景には、①資源価格の下落に伴ってインフレ率が低位で推移する見込みであること、②資
源関連の開発ブーム一巡など経済に対する懸念から景気判断が下方修正されたこと、などが要因として
あると考えられます。これらを受けて豪ドルは対円・対米ドルなどで下落が進み、2015年1-3月期は対円
で6.58%の下落となりました。
一方で、足下の豪州経済は資源関連分野の投資がピークアウトするなか、住宅建設や家計消費などと
いった内需が底堅く推移しています。特にGDP(国内総生産)の約半分を占める個人消費に関して、家
計の景況感を示す消費者信頼感指数は、所得の伸びは低いながらも、エネルギー価格の下落などを追
い風に、およそ1年ぶりの水準に上昇しました。さらに、政策金利の引き下げによる好影響等が波及し、自
動車販売台数が大幅に上昇するなど、個人消費を中心に国内経済に改善の兆しがみられます。また、
豪州最大の輸出先である中国の経済状況についても、3月の製造業PMI(購買担当者指数)が市場予想
に反して改善するとともに、李克強首相は「経済が急減速した場合に経済対策を打ち出す用意がある」と
表明しており、中国向け輸出が大きく減速する可能性は低いとみています。以上の要因などから、今後も
底堅い内需がけん引役となって安定した経済成長が続くとみています。
上記のとおり、豪州経済は底堅い内需などを背景とした経済成長が見込まれるなか、主要先進国と比
較して相対的に魅力的な利回り水準などから海外投資家による債券投資が継続しています。今後は資
源価格の底入れ感が徐々に強まっていくとみており、日銀が強力な金融緩和の姿勢を継続するとみられ
るなか、日豪の金利差が意識されることなどを背景に豪ドルは先行き対円で底堅さを増す展開になると
みています。
 今後のRBA理事会予定
2015年
4月7日
 豪ドル(対円)と商品指数(CRB指数)の推移
(円)
(ポイント)
5月5日
6月2日
7月7日
8月4日
※RBAの政策発表スケジュールを掲載
現地時間基準
・商品指数(CRB指数)は、エネルギーや貴金属、農産物などの複数の商品価格を
組み合わせた指数。世界各地で取引される商品の総合的な値動きを示す。
(注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、為替はNY市場
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Mitsubishi UFJ Asset Management
為替の
投資環境
2015年4月6日
ブラジルレアル
半年後の予想レート:34~44円
~ブラジルレアルは財政健全化の姿勢などをうけて中長期的には持ち直し~
 ブラジルレアル(以下レアル)は、下落圧力は残るものの、対円で底堅く推移するとみています。
ブラジルは、経済面において実質GDP(国内総生産)成長率(前年比)が3四半期連続でマイナス成長
となり、今後のGDPの行方を見るうえで注目される経済活動指数も低下傾向にあります。また、BCB(ブ
ラジル中央銀行)が発表している民間アナリストによる2015年の実質GDP成長率の予想は足下で、
ー1.0%と、マイナス成長が見込まれています。さらにインフレ率もBCBの目標水準(4.5%±2%)を
上回っていることから、政策金利の引き上げ余地は残存し、一時的に景気を悪化させる可能性があると
思われます。政治面では、3月15日に燃料税などの引き上げやペトロブラスの汚職問題などへの抗議を
目的とした大規模デモが発生しました。以上より、ブラジルの景気回復には時間を要すると思われます。
また、3月24日にBCBは2013年8月よりレアルの押し上げを目的として始めた為替介入プログラムを
中止することを決定しました。今回の決定から、BCBはレアル安を一定程度容認し、停滞する経済に
配慮する姿勢がうかがえます。一方、BCBは既存の為替予約を延長することや、必要に応じて追加の為
替介入を実施する姿勢であることも同時に示し、レアルの安定に向けた配慮も当面続けるとみています。
このように、レアルは経済面、政治面での先行き不透明感や為替介入プログラムの中止により、短期的
には下落圧力が残ると考えられます。しかし、BCBによるインフレ抑制や政府による財政健全化が軌道に
のり、投資家などの信任を回復させることができれば、中長期的にはレアルの底堅さは増していくと思われ
ます。足下の具体的な進展としては、①増税を盛り込んだ予算案が成立するなど議会と政府の関係は
回復傾向にあり、引き続きルセフ大統領が財政健全化への強い姿勢を示していること、②反汚職政策集
の発表などデモの主因である汚職問題への対策を打ち出していること、③世界的に低金利環境が続く
なか、金利面で優位性が強まっていることなどがあり、これらがレアルの下支え要因になるとみています。
 今後のBCB理事会予定
2015年
4月28~29日
 ブラジルレアルの推移と為替介入プログラムの変遷
52 (円/レアル)
(米ドル/レアル) 1.80
ブラジルレアル(対円)(左軸)
ブラジルレアル(対米ドル)(右軸)
6月2~3日
49
7月28~29日
46
2.20
9月1~2日
43
2.40
10月20~21日
40
2014年12月
BCBが為替介入
プログラム継続を公表
37
※BCBの政策発表スケジュールを掲載
現地時間基準
34
31
2013年8月
BCBが為替介入
プログラム公表
2.00
2.60
2.80
3.00
2015年3月
BCBが為替介入プログラム中止を公表
3.20
28
3.40
2013/4/3
2014/4/3
2015/4/3
(注)土日祝日は前営業日の数値を利用した2年分データ、対米ドルは縦軸反転、為替はNY市場
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。