NASDAQが15年ぶりに5000ポイントを突破 最高値を

Strategy Report
Mitsubishi UFJ Asset Management
2015年3月4日
NASDAQが15年ぶりに5000ポイントを突破
最高値を更新する米株式市場と今後の見通し。
United States of America
グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム
アシスタントストラテジスト
清水 翔
 2日(NY市場終値)の米国株式市場では、 NASDAQ総合指数(以下、NASDAQ)は前月比で高い
伸びを記録し、2000年3月以来の5,000ポイント台に乗せる躍進となりました。また、S&P500種株価
指数(以下、S&P500)、NYダウ工業株30種平均株価(以下、NYダウ)はともに史上最高値を更新
しました。
 直近一年間の株式パフォーマンス(円貨換算)をみると、先進国が新興国に対して優位となるな
か、米国株は日欧などの主要国を上回る高パフォーマンスとなっています。
 この背景には、米国経済が先進国の中でIMF(国際通貨基金)が見通しを唯一上方修正するなど
相対的に堅調な成長を維持していることなどがあると考えられます。また、なかでもNASDAQが好
調なのは①ハイテク関連銘柄の構成比が高い、②1株当たりFCFが増加基調、③投資家心理の改
善があるとみています。
 今後の米国株式市況は、年央の利上げ観測を睨み目先のボラティリティ(価格の変動性)が高ま
ると想定されるものの、米国経済が相対的に良好なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を有
するなか、株価には上昇余地があると考えられ、引き続き底堅い推移が想定されます。
米国株は良好なパフォーマンス
直近一年間の株式パフォーマンスをみると、先進国が新興国に対して優位になっていま
す。先進国のなかでも、米国株はNASDAQを筆頭に日欧など主要国を上回る高パフォーマ
ンスとなっています。この背景には、米国経済が主要先進国の中でもIMFが見通し(2015年1
月時点)を唯一上方修正するなど相対的に堅調な成長を維持していることなどがあると考え
られます。
主要国・地域の株価パフォーマンス(直近1年間、円貨換算・現地通貨建)
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、2014/3/2~2015/3/2、先進国はMSCI ワールド インデックス、新興国はMSCIエマージング・マーケット・インデックスを使用
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Strategy Report
Mitsubishi UFJ Asset Management
世界的に有名なハイテク・IT関連銘柄がNASDAQをけん引
米国主要株式の中でもNASDAQは直近一年間のリターン(円貨換算)が37.4%に達する
など、良好なパフォーマンスとなっています。この背景には①ハイテク・IT関連銘柄の構成比
が高い、②1株当たりFCFが増加基調、③投資家心理の改善があるとみています。
 ①ハイテク・IT関連銘柄の構成比が高い
NASDAQとS&P500の業種別時価構成比をみると、S&P500は業種分散されているのに
対し、NASDAQはハイテク・IT関連銘柄の比率が約5割と過半を占めています。1971年に
世界初の電子株式市場としてスタートした同市場には世界時価総額1位のアップルを筆頭
にインテル、アマゾン、フェイスブックなどの世界的に有名なハイテク・IT関連銘柄が多数上
場しています。これら企業の株価が堅調でNASDAQの上昇をけん引しており、昨今の商
品市況の低迷や、金融機関に対する規制強化などに伴う影響が相対的に僅少であると考
えられます。
NASDAQ・S&P500の業種別時価構成比(3月3日時点、NY市場終値)
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、数値は四捨五入しているため、合計値が100とならない場合があります。
NASDAQ・S&P500とNASDAQ代表銘柄(アップル・インテル)推移
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、土日祝日は前営業日の数値を利用した1年分データ
2014/3/3~2015/3/3、2014/3/3時点を100として指数化。個別銘柄は期間中の株価上昇率・寄与度の上位2銘柄を選定。
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Strategy Report
Mitsubishi UFJ Asset Management
 ②1株当たりFCF(フリー・キャッシュ・フロー)が増加基調
FCFは、株主への増配や自社株買いの原資となるとともに、設備投資やM&A(企業買
収)の原資としても用いられることなどから、リーマンショック以降、多くの投資家がFCFに注
目しています。特にNASDAQにおいては、世界的に高いシェアを有するハイテク・IT企業
(アップル・インテルなど)が多いことなどから1株当たりFCFが増加基調で、今後の企業活
動の活性化により更なる収益拡大に寄与すると考えられています。
NASDAQ・S&P500の1株当たりFCF推移
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成、2015~2016年はbloomberg予測値(2015/3/4時点)
 ③投資家心理の改善
今年1月に追加金融緩和を決定した欧州を始め、多数の国が相次いで金融緩和を実施
したことや、ギリシャ債務問題の暫定延長決定などを受けて世界的にリスクオンの様相が
高まりつつあります。足下米国の利上げ観測が高まりつつあることなどに加えて、投資家の
株式市場に対する不安感を示すVIX指数は昨年末以降から低下傾向にあり、こうした投
資家心理の改善は、より成長期待の高いNASDAQへの資金流入を促す一因を成してい
るとみています。
VIX指数の推移
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
Strategy Report
Mitsubishi UFJ Asset Management
良好なファンダメンタルズを背景に、引き続き底堅い推移を予想
米国株式市況をバリュエーションの観点からみると、足下の予想PER(3月3日時点)は
S&P500で17.78倍、NASDAQで21.47倍となっており、2013年前半以降上昇基調にあるも
のの、リーマンショック前の水準と比較して過度な割高感はないと考えられます。
今後の米国株式市況は年央の利上げ観測を睨み目先のボラティリティ(価格の変動性)は
高まると想定されるものの、米国経済が相対的に良好なファンダメンタルズ(経済の基礎的条
件)を有するなか、株価には上昇余地があると考えられ、引き続き底堅い推移が想定されま
す。
NASDAQ・S&P500の株価推移
(ポイント)
NASDAQ・S&P500の予想PER推移
(ポイント)
6000
3000
NASDAQ(左軸)
S&P500(右軸)
5000
2500
4000
2000
3000
1500
2000
1000
1000
0
05/3/3
07/3/3
09/3/3
11/3/3
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
13/3/3
500
15/3/3
(年/月/日)
(出所)bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(年/月/日)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定
はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前
の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し
ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは
なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当
社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。