法務省“ 社会を明るくする運動 ”中央推進委員会主催第６４回“社会を明るくする運動”作文コンテスト日本ＢＢＳ連盟会長賞人とつながる岩手県・花巻市立大太田小学校６年にいぶち新渕 E としたか A A E 隼尊 E A A E E 「こんにちは。よろしくお願いします。」今年もわが家の玄関に大きな声が響いた。ぼくの家では、修学旅行生の受け入れをしている。毎年四～六月と十月、一泊二日の受け入れだ。北海道から大阪まで、小学生から高校生までのたくさんの人がぼくの家を訪れる。今年はどんな人と出会えるのだろう？どんなつながりがうまれるのだろう？そんな気持ちで、ぼくは毎年、ワクワクしながらみんながやってくる日を待つ。受け入れ期間は、みんなにぼくの家の農作業を手伝ってもらう。田植えをしたり、アスパラガスの畑でぼくの父母や祖父母が作業の仕方を教えたりして、一緒に汗を流す。もちろん、作業を初めてやる人がほとんどなので、うまくはいかない。作業のスピードも遅い。途中で文句を言ったり、少しさぼったりする人もいる。それでも、だんだん作業に慣れてきて、最後にはみんな笑顔になる。農作業を通して、つながりが生まれたような気がして、ぼくは、その笑顔の瞬間を見るのがとても大好きだ。もう一つ好きなのは、作業が終わったあとの時間だ。ぼくはみんなと一緒にご飯を食べたり、一緒に寝たりする。都会の学校の様子、部活動のこと、将来の夢などいろいろな話ができて本当に楽しい。つながりが深くなったような気持になって、まるで兄弟みたいだなと思うこともある。中には、父母や祖父母に対して「ＴＰＰをどうお考えですか？」「農業の収入だけで生活できるのですか？」など、真剣に質問をして、討論をする人もいる。よく見てみると、それに答える父母の顔がなんとなくうれしそうに見える。その顔を見ているとぼくまでうれしくなってくる。このように受け入れに来る人は毎年違っても、毎年、新しいつながりが生まれている。ぼくは受け入れを通して、毎年つながりという宝物をもらっているのだ。しかも、そのつながりは地域や年齢、性別に関係なく、とても広く、とても深いものだ。社会全体にこのようなつながりが広がっていけば、社会はとても明るくなるのではないかとぼくは考えている。「人とつながる。」それはみんなを笑顔にしてくれ、辛いことや嫌なことも忘れさせてくれる。脱法ハーブや危険なドラッグを使っている人が増えているというニュースを見た。「やめろ。体に悪いぞ。」と止める人は誰もいなかったのだろうか。いじめが原因で自殺してしまった人がいるというニュースも見た。「悩みがあるの？」と相談にのってあげる人は誰もいなかったのだろうか。ぼくは、修学旅行生の受け入れから生まれるつながりをこれからも大事にしていきたい。そして、自分の周りの人たちともつながりを広げ、深めて、明るい社会を目指していきたいと思う。