法務省“ 社会を明るくする運動 ”中央推進委員会主催第６４回“社会を明るくする運動”作文コンテスト日本更生保護女性連盟会長賞やさしさのバトンタッチ秋田県・北秋田市立鷹巣東小学校６年こさか小坂 E あさ A A E ひ朝陽 E A A E E ぼくたちの地区には見守り隊のおじさん、おばさんがたくさんいます。見守り隊のみなさんはぼくたちの登校や下校、そして夜の見回りまでしてくれる人たちです。特にぼくたち小学生は学校へ登校する時にこの見守り隊のみなさんにお世話になっています。見守り隊のみなさんはぼくたちが登校する時間に合わせ横断歩道や車の多い十字路など危険なところに立ってくれます。ぼくが小学校に入学した時から一日も欠かすことなく必ず立ってくれています。ぼくたちが道路を横断する時に旗をふって車の人たちに気づかせてくれるなど、ぼくたちの安全のことを本当に考えてくれています。でも、この見守り隊のみなさんはぼくたちの安全を守っているだけではありません。ぼくは見守り隊のみなさんの行動におどろき、感動し、そして学んだことがたくさんあります。ある日、ぼくが朝寝坊してしまい、学校に遅刻しそうになった時のことです。いつもよりも二十分も遅く家を出たため、もうまわりには登校している友達はだれもいませんでした。通学路を急いで走っていると、家の近くの横断歩道にいつもの見守り隊のおじさんがいたのです。「こんなに遅い時間なのに、どうしているんだろう。」と思いました。そのおじさんはいつものようににこっと笑って「おはよう」と声をかけてくれました。遅れた理由も聞かないでやさしく見守ってくれました。次の交差点に行くと、やはり見守り隊のいつものおじさんがぼくのことを待っていてくれました。そして「今日もがんばれよ。」と笑顔で話しかけてくれました。あとから聞いた話ですが、見守り隊のみなさんは、いつもいるぼくがまだ登校しないことを知り、心配をして待っていてくれたそうです。見守り隊のみなさんはぼくの家族でも親せきでもありません。なのにいつもぼくたちのことを考えてくれています。そのやさしさにいつもぼくたちは守られています。冬の日にはもっとおどろくことがありました。朝、起きると家のまわりは前の日から降り続いた雪のために、たくさんの雪が積もっていました。気温もとても低く寒い朝でした。なんとなく、学校へ行くことがおっくうでした。「いってきます。」と元気のないあいさつをして外にでるとびっくりしました。多くの雪が積もっている中で、ぼくたちの通る通学路だけはきれいに雪かきがされていたのです。「だれがこんなことをしてくれたんだろう。」と思って歩くと、雪かき用のスコップを片手に横断歩道に立っている見守り隊のおじさんやおばさんたちがいたのです。ぼくはうれしくて、いつも以上に元気いっぱいに「おはようございます。」そして、「ありがとうございます。」とあいさつをしました。見守り隊のみなさんは給料をもらっているわけではありません。ボランティアで活動してくれています。「人のためにがんばる。」ということは口で言うことは簡単ですが、実際に行うことは難しいです。ぼくは今年、六年生として下級生の役に立つ活動をすることが多いです。四月のころは、下級生のお世話をするのが大変で、いやだと思ったことがありました。他の人のためにすることをめんどうくさいと思っていました。でも、そんな時に、見守り隊のみなさんのやさしさを思い出しました。「ぼくがもらったやさしさを、今度はぼくがみんなにあげる番だ。」そう思い、がんばることができました。今では、みんなのためにがんばることがぼくは大好きになりました。少しくらい大変なことでも、みんなのためにがんばることはすばらしいことだとわかったからです。そのようながんばりが本当のやさしさであることを見守り隊のみなさんから学んだからです。みんなのためがんばる事は、ぼく自身も気持ちがよいことと思えるようになりました。これからもみんなのためになることを続けていきたいです。そして、ぼくが見守り隊からもらったやさしさを次の子どもたちに伝えることができるように、いつか、ぼく自身がもらったやさしさのバトンを、次の子どもたちに受けついでいきたいです。