(別記) 江津市農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 本市では、耕地面積に占める主食用水稲の作付率が高く、さらに、農業従事者の高齢化や担い 手不足により主食用水稲の作付面積は年々減少傾向にあり、農地の荒廃が加速化する懸念があ る。 こうした現状のもと、主食用米の過剰基調やその消費の減少が進む中で、国が示す新たな農業 施策に対応し、主食用米から非主食用米及び土地利用型転作作物への転換、担い手への農地集積 に取り組むことにより、農業所得の確保と水田機能の保全が急務である。 また、平成 25 年に発生した豪雨災害の復旧に関係機関を挙げて取り組むとともに、復旧後を見 据え、地域の特色ある産地づくり形成に向けて計画的に取り組む。 2 作物ごとの取組方針 (1)主食用米 売れる米づくりとして、近年の気象変動や地力低下等による品質の低下から、有機物の積極的 な投入や遅植え、また「コシヒカリ」から市場評価の高い「きぬむすめ」や「つや姫」への作付 誘導に取り組むことで、良質米産地としての地位を確保する。 また、特色ある米づくりとして、販売先に結びついた米づくりを一層進め、特別栽培米(JA し まね島根おおち地区本部:「石見高原ハーブ米」 「つや姫」、JA しまねいわみ中央地区本部: 「コシ ヒカリ」「つや姫」 )やステビア米等の生産量確保と安定供給に取り組む。 (2)非主食用米 ア 飼料用米 生産調整が拡大し転作率が50%を超えることが予測される概ね5年後を目途に、飼料 用米の導入とその環境整備を進める。 イ WCS 用稲 現在、管内の耕種農家と畜産農家との連携を図り取り組んでいるが、今後は、作業の効 率化による収量確保や供給体制の整備を進めながら、畜産農家の需要に応じた作付面積の 拡大と団地化を図る。 ウ 加工用米 災害復旧の進捗と生産調整状況に柔軟に対応する手法と位置づけ、県内外実需者との結 びつきを強化するとともに、団地化と収量の向上に取り組み、農業所得の確保を図る。 (3)大豆 本市における主な土地利用型転作作物として、集落営農組織や大規模農家等が取り組んでお り、作付面積も年々拡大している。集落営農組織が管理機械による不耕起密植栽培で栽培管理の 省力化に取り組む他、有機栽培による高付加価値化に取り組むなど、担い手の経営作物としての 導入が進んでいる。 今後も不耕起密植栽培の推進と有機栽培による高付加価値化で、実需者(加工業者)との結び つきを強化し、面積拡大と収量・品質の向上に取り組み農業所得の確保を図る。 (4)そば 現在、転作面積に占めるそばの割合は4%未満であり、地域的にも限定されている。 今後は、引き続き地産地消を中心とした地域内利用及び地域の特産化を図るとともに、排水対 策等の生産基盤の整備と収量・品質の向上や、実需者との結びつき強化による農業所得の確保を 目指す。また、そばの作付による耕作放棄地の解消へも取り組む。 (5)野菜等・花卉 ①キャベツ 重点品目として一層の推進を図っており、今後学校給食や産直市場などの多様な販路拡大に努 める中で需要の増加が見込まれる。 現在、JA いわみ中央においては、島根県の「美味しまね認証制度」を取得し、安全安心な農産 物の出荷を行っているが、引き続き出荷体制の充実や出荷量の拡大に取り組むことで、 「あいちゃ んキャベツ」の特産化を図る。 ②大麦若葉 現在、農業生産法人が有機栽培による高付加価値化へ取り組んでおり、その品質の高さから実 需者のニーズも高く、作付面積も年々拡大傾向にある。 今後、地域の特産品として更なる産地化を図る。 ③白ねぎ、広島菜 桜江地域において、これまで重点品目として産地化を進めてきており、継続して振興を図る。 ④あすっこ、インゲン、なす、スイートコーン、花卉 従来から転作作物として一定の作付実績があり、今後も地域振興作物として位置付け、継続し て振興を図る。 ⑤その他作物(その他野菜・景観形成作物・工芸特用作物・地力増進作物・苗木) 平成 22 年4月の直売所の開設に伴い、消費者の地元野菜への需要が高まってきている。このた め、周年を通じて多様な地元野菜が出荷できるよう、栽培技術の向上と流通体制の整備に引き続 き取り組み、農業所得の向上を図る。 また、休耕田へコケ等の工芸特用作物や景観作物、地力増進作物、苗木の作付を行うことで、 水田の有効活用を図る。 (6)不作付地の解消 本市は、県下でも耕地面積に占める水田不作付地率が最も高く、こうした不作付水田は営農条 件の悪い水田が多く、麦・大豆等の畑作の生産拡大には限界がある。 このため、飼料用米や加工用米等の米の作付による生産調整対応や今後も予想される稲作収入 の減少に備え、将来にわたって農業者の所得確保に資する、水田を「地域資源」として捉えた多 面的な取組を推進する必要がある。 また、平成 26 年度から導入された農地中間管理機構を活用し、担い手の経営農地に隣接する水 田不作付地も含めて担い手へ農地集積を図り、その解消を目指す。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 平成 25 年度の作付面積 平成 27 年度の作付予定面積 平成 28 年度の目標作付面積 (ha) (ha) (ha) 主食用米 299.35 294.92 258.75 飼料用米 0 0 2.00 WCS 用稲 9.18 14.79 14.00 加工用米 0 0 7.00 0.58 0 0.50 麦 大豆 12.68 16.19 14.05 飼料作物 1.61 2.60 1.50 そば 0.78 1.05 1.20 キャベツ 1.12 1.22 2.50 大麦若葉 6.37 12.38 6.45 その他地域振興作物 34.16 34.74 36.36 26.01 25.73 25.89 ・あすっこ 0.05 0 0.05 ・白ねぎ 1.80 1.83 1.90 ・なす 0.24 0.30 0.41 ・インゲン 0.30 0.30 0.32 ・広島菜 0.49 0 0.50 ・スイートコーン 0.17 0.19 0.18 ・その他野菜 22.96 23.11 22.53 花卉 1.53 1.30 1.94 果樹 0 0.01 0.01 地力増進作物 0 0.86 0.88 景観形成作物 0.50 0.13 0.55 その他 6.12 6.71 7.09 ・工芸特用作物 0.03 0.62 1.00 ・その他 6.09 6.09 6.09 野菜 4 平成 28 年度に向けた取組及び目標 取組 対象作物 番号 1 大豆 2 大麦若葉 3 キャベツ 取組 地域の特産品とし 分類 ※ イ て産地化を図る 地域の特産品とし ア て産地化を図る 地域の特産品とし ア て産地化を図る 平成 25 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 (現状値) (予定) (目標値) 面積拡大 12.68ha 16.19ha 14.05ha 面積拡大 6.37ha 12.38ha 6.45ha 面積拡大 1.12ha 1.22ha 2.50ha 指標 ※「分類」欄については、要綱(別紙 11)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さ い。 (複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入して下さ い。 ) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物を 生産する取組 5 産地交付金の活用方法の明細 別紙のとおり
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