第 11 回 多項式環 2 学籍番号 名前 問 1. φ1+√2 : Z[x] → R の核を求めよ. (Hint :((x − 1) − a)((x − 1) + a) = x2 − 2x + 1 − a2 ) √ ヒントから g(x) := x2 − 2x − 1 ∈ Z[x] とすると g(1 + 2) = 0 となる.よって x2 − 2x − 1 ∈ ker φ1+√2 . また任意の f (x) ∈ ker φ1+√2 をとる.f (x) と x2 − 2x − 1 に剰余の定理にを適用すると, (⋆) f (x) = (x2 − 2x − 1)q(x) + r(x), deg r(x) < deg(x2 − 2x − 1) = 2 をみたす q(x) と r(x) が存在する.deg r(x)√= 1 であるからある a, b ∈ Z[x] を用いて r(x) = ax + b と表 すことができる.このとき (⋆) から r(1 + 2) = 0 となるが a と b が整数であることから a = b = 0 と なり x2 −2x−1 | f (x) がわかり f (x) ∈ (x2 −2x−1) となる.以上のことから ker φ1+√2 = (x2 −2x−1) となる. 問 2. f (x) = x2 + x + ¯ 1, g(x) = x3 − x − ¯2 ∈ Z7 [x] について Z7 での解を求め、因数分解が可能な場 合は因数分解せよ. f (x) = x2 + x + ¯1 = x2 − ¯6x + ¯8 = (x − ¯2)(x − ¯4) g(x) については Z7 内に解は存在しない. 問 3. Q と R は環として同型でないことを示せ. √ Q と R は環として同型であるとすると環同形 f : R → Q が存在する.このとき a := f ( 2) ∈ Q と おく. このとき 0 = f (0) = f (2 − 2) = f (2) − f (2) √ 2 = f ( 2 ) − f (1 + 1) √ = f ( 2)2 − f (1) − f (1) = a2 − 2 となる.これは a2 − 2 = 0 を意味するが a ∈ Q なのでこのような a は存在しない. Remark 1. Q と R の間には 全単射が存在しない ( 濃度が違う ) のでこのような議論は不要である が、ふたつの環や体が同形でないことを示す方法として知っておいてください。
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