5 月 20 日 (授業のまとめ) 定理 4.5 f, g ∈ Q[X], g ̸= 0 に対して f = qg + r, deg r < deg g なる q, rQ[X] が存在する. 定義 4.6 (リニア・スパン) f1 , · · · , fn ∈ Q[X] に対し,Q[X] の部分集合 (f1 , · · · , fn ) = {g1 f1 + · · · + gn fn | g1 , · · · , gn ∈ Q[X]} を f1 , · · · , fn の Q[X] のリニア・スパンと呼ぶ. 整数の素因数分解を成立させる鍵がが除法の原理であったことを考えると, 一変数多項式の素因数分解も存在性と一意 性が示せそうである. 1 ̸= p ∈ Z が素数であるための必要十分条件は (p) ⊂ (x) ⇒ (p) = (x) または (p) = (1) なので, こ の性質の多項式を考えよう. 定義 4.7 (既約多項式)(f ) ̸= (1) なる f ∈ Q[X] が Q 上既約であるとは, (f ) ⊂ (g) ⇒ (g) = (f ) または (g) = (1) が成り立つことをいう. (問題は裏に) 12 1. 定理 4.5 を証明せよ. (ヒント:degf − degg に関する帰納法を用い, 定理 2.18 の証明に倣えばよい. ) 2. c ∈ Q[X] について以下は同値であることを示せ. (1) (c) = (1). (2) c は Q[X] の可逆元である. すなわち cd = 1 なる d ∈ Q[X] が存在する. (3) c は Q の非零元である. 3. f ∈ Q[X] について以下は同値であることを示せ. (1) f は Q 上既約である. (2) degf > 0 かつ f = gh なる g, h ∈ Q[X] があれば, g, h の少なくとも一方は Q の非零元である. 4. 次の多項式は, Q 上既約であるか? (1) X + 1 (2) 2X + 2 (3) aX + b, ただし a, b ∈ Q, a ̸= 0 (4) X 2 − 1 (5) X 2 − 2 (6) X 2 + 1 Q に限らず,体 K に対して一変数多項式環 K[X] を議論できる. 5. (1) X 2 − 2 は, R 上既約であるか? (2) X 2 + 1 は, R 上既約であるか? (3) X 2 + 1 は, C 上既約であるか? 13
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