2013年度後期期末試験問題 (pdf形式)

c 大豆生田利章 2014
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2013 年度 5J 情報ネットワーク後期期末試験問題
2014/2/13
[注意事項]
› 電卓・算盤等の使用は可能であるが,計算機能のみを有するものに限る.通信機能・プ
ログラミング機能等を有するものの使用は認めない.携帯電話等の電卓機能の使用は認
めない.
› 解答用紙 1 ページ目先頭に学籍番号・氏名を,2 ページ目以降の右上に学籍番号を記入
する.
› 氏名・学籍番号の無いもの,解答欄を間違えたもの,解答の順番を変更したものは 0 点
とする.
› 解答を書きなおす時は,以前の解答は丁寧かつ綺麗に消して跡が残らないようにする.
› 特に断らない限り最終結果だけではなくて途中の計算過程も省略せずに答える.必要な
計算過程が無い場合は減点対象とする.途中の計算に誤りがある場合は,最終結果が正
しいかどうかに関係無く,正しく計算していところまでを採点対象とする.
› 解答はできる限り簡潔な形になるようにする.
› 記述式・論述式問題においては,きちんとした日本語であるかどうかも採点対象とする.
問題 1(2 点× 10)以下の文章が正しい場合は○を,間違っている場合は
×を記せ.ただし,すべて○またはすべて×のときは 0 点とする.
(1) IP はベストエフォート型サービスである.
(2) IP でデータを複数個のブロックに分割したときのブロックはデー
タグラムと呼ばれる.
(3) IP アドレスのサブネットマスクが 255.255.255.128 であるサブネッ
トで使用可能なホスト数の最大値は 128 である.
(4) Ethernet アドレスから IP アドレスを得るプロトコルを ARP と
呼ぶ.
(5) TCP はプロセス間の通信を行なう.
(6) TCP のストリーム指向とは十分な量のオクテット列が集まってか
ら転送することを言う.
(7) TCP で相手に通知されるウィンドウサイズを広告ウィンドウサイ
ズと呼ぶ.
(8) TCP のコネクション確立では三方向ハンドシェイクと呼ばれる方
式が用いられる.
(9) 音声やビデオのような連続メディアの転送には TCP が向いている.
(10) 図 1 は UDP のヘッダフォーマットである.
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図 1:
問題 2(20 点)平均システム滞在時間 T が 91 s,平均サービス時間 x が
50 s,システム内平均客数 N が 0.91 人である待ち行列に関して,以下
の問いに答えよ.ただし,変動係数 C の M/G/1 待ち行列に対するポ
ラツェック・ヒンチンの式
)
(
ρx 1 + C 2
W =
2 (1 − ρ)
(1)
を用いてもよい.
(1) 平均サービス率 µ の値を求めよ.
(2) 平均到着率 λ の値を求めよ.
(3) 窓口利用率 ρ の値を求めよ.
(4) 平均待ち時間 W の値を求めよ.
問題 3(30 点)確率変数が X(= 0, 1, 2, . . . ) である離散型確率を P (n) =
P (X = n) とする.P (n) に対して,以下の式で確率母関数 G(z) を定
義する.
G(z) ,
∞
∑
P (n) z n
(2)
n=0
ここで,以下の問いに答えよ.ただし,k は正整数,λ は正実数,p と
q は 0 以上 1 以下の実数とする.
(1) 確率母関数 G(z) から平均 E[X] を求める式を導出せよ.
(2) 確率母関数 G(z) から二乗平均 E[X 2 ] を求める式を導出せよ.
(3) 確率母関数 G(z) が eλ(z−1) であるときの平均 E[X] を求めよ.
pz
であるときの平均 E[X] を求めよ.
(4) 確率母関数 G(z) が
1 − qz
1 − zk
(5) 確率母関数 G(z) が
であるときの平均 E[X] を求めよ.
k (1 − z)
問題 4(30 点)到達客数 N t がポアソン分布にしたがうとき,客の到着間
隔 X は X を確率変数とする指数分布になる.この指数分布に関して,
以下の問いに答えよ.
(1) 指数分布の確率分布関数 FX (x) を求めよ.ただし,到着率 λ の
n
(λt) −λt
e
は既知としてよい.
ポアソン分布 Pn (t) =
n!
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(2) 指数分布の確率密度関数 fX (x) を求めよ.
1
(3) 指数分布の平均 E[X] が であることを示せ.
λ
1
(4) 指数分布の分散 V ar[X] が 2 であることを示せ.
λ
(5) 指数分布では以下の式が成立すること,すなわち無記憶性がある
ことを示せ.
P (X ≤ x + x0 |X > x0 ) = P (X ≤ x)
(3)