ED 1-2-1 作業療法の初年次学生の「主体的な学び」と学業成績の関係 ―作業質問紙による検討― Using an Occupational Questionnaire to study the relationship between educational independence and the academic achievement of university freshmen studying occupational therapy ○岩田美幸 (OT),小林隆司 (OT),籔脇健司 (OT) 吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 Key words: Occupational therapy education,occupation questionnaire 【導入】2012年,中央教育審議会は,学生の主体的な学びを確立させるために,質をともなった学 習時間の増加・確保,かつ学習成果の測定・把握が大学の責務であると公表した.そのため,大学で は,学生が学びに主体的に関わるための教育が必要となる. 【目的】作業質問紙(以下,OQ)を用いて,学生の「主体的な学び」と学業成績の関係を明らかに した.「主体的な学び」は,学生が目的意識をもって,受け身でなく,学びに主体的に関わり,何ら かの学習成果につなげることと定義する. 【方法】対象は,作業療法学科の1年生41名.調査は,「主体的な学び」の調査にOQ,学業成績の 指標として1年春期終了時のGrade Point Average (以下,GPA)を用い,2012年7月に実施した. OQから学習時間,学習に対する遂行度,重要度,満足度を算出し,GPAとの相関分析を行った. 【結果】GPAと学習時間(r=.310,p=.048),ならびに学習に対する重要度(r=-341,p=.029) に正の相関がみられた. 【考察】結果より,学業成績上位の学生は,学習時間が長く,学習が重要であると認識している傾向 にある.しかし,学習を積極的に行えた,あるいは,学習に満足している認識は,成績を反映してい ないと考えられた. 【貢献】作業療法士の視点でOQを用いることは,学生の「主体的な学び」の把握・検討に有用であ る.
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