PRE-21-72 回復期病棟の集団作業療法における主観的満足度の変化 ―改変ARSの評価視点を用いて― Change in the subjective satisfaction levels of the collective Occupational Therapy in the recovery phase rehabilitation ―using the evaluation perspective modified ARS― ○田中真菜美 (OT) 1,2),平田篤志 (OT) 1,2),南 詩織 (OT) 2,3),國吉美波 (OT) 1,2),島崎俊二 (OT) 1,2) 1) 西宮協立リハビリテーション病院リハビリテーション部 作業療法科, 2)作業乃風, 3)矢木脳神経 病院リハビリテーション科 Key words: Assessment and evaluation,Occupational therapy intervention,Collective Occupational Therapy 【はじめに】今回,集団調理訓練参加者の主観的満足度の変化を,改変Affect Rating Scale(以下, 改変ARS)の評価視点を元に観察した.結果,回復期病棟において得られた主観的満足度と改変ARS の有用性について報告する.尚,本報告に際して本人,家族の同意を得た. 【方法】集団は脳血管疾患事例4名で構成し,同メンバーで調理訓練を3回実施した.4名中,2名は 認知機能低下や失語症があり,適切な表出が困難であったため,改変ARSを用いて4事例の作業場面 における主観的満足度の評価を行った.尚,改変ARSは観察により肯定的と否定的感情の2側面を6つ の感情に分類する評価法である(2010,土屋). 【結果】初回,個別作業場面では「関心」の感情,全員で出来栄えを確かめる際は「楽しみ」が観察 された.一方,協力作業場面では「怒り」や「不安・恐れ」を示す者が観察された.二回目以降は, 個別の役割作業の遂行が困難な時に助言し合う等,協力作業場面で「関心」や「楽しみ」の感情が観 察され,初回認められた否定的感情は減少した. 【まとめ】集団の様々な対象者へ改変ARSの視点で評価を実施し,初回と二回目以降の実施回数や個 別作業と協力作業場面の違いによる主観的満足度の変化を捉えることができた.今後,改変ARSを評 価視点として用いることで,回復期病棟における集団の成熟に向けた介入が可能になると考える.
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