PRE-19-12 回復期脳卒中者に対するトップダウンアプローチに基づく作業療法の効果; 予備的無 作為化比較試験 Effectiveness of top-down occupational therapy for subacute stroke patients:a randomized controlled pilot study ○友利幸之介 (OT) 1),齋藤佑樹 (OT) 2),大野勘太 (OT) 1),長山洋史 (OT) 3),東 登志夫 (OT) 4) 1) 神奈川県立保健福祉大学 大学院, 2)太田熱海病院, 3)北里大学, 4)長崎大学大学院医歯薬学総合研 究科 Key words: Evidence-based practice,Occupational therapy intervention 目的; 本研究では,回復期脳卒中者に対するトップダウンアプローチに基づく作業療法の効果につい て,予備的無作為化比較試験によって検討することを目的とした.併せて,介入方法や効果量につい ても検討した. デザイン; 単一盲検化による多施設間無作為化比較試験. 場所; 回復期リハビリテーション病棟(10施設). 対象; 回復期脳卒中者21名(68.6±11.5 歳)を,無作為にトップダウンアプローチを行う群(TOP 群)と通常の作業療法(ボトムアップアプローチ)群に振り分けた(BOT群). 介入; TOP群は,作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)を用いて,クライエントと作業療法士がク ライエントにとって意味のある作業を共有,特定し,その実現に向けた評価や介入を行った.BOT群 は,心身機能やADLの改善に焦点を当てた評価や介入を行った. アウトカム; SF-36, Functional Independence Measure, Brunnstrom recovery stage. 結果; TOP群は,BOT群に比べて,SF-36の身体の痛み,日常役割機能において有意に高値を示した (p<0.05).効果量はそれぞれ0.82, 0.92だった.その他のアウトカムにおいて有意差は認められ なかった. 結論; 本研究の結果から,トップダウンに基づく作業療法は回復期脳卒中者に対して有効である可能 性が示唆された.
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